追憶の刃ーーかつて時空を飛ばされた殺人鬼は、記憶を失くし、200年後の世界で学生として生きるーー
【第二話】模擬戦⑧
「はあっ!!」
恭司はまるで一瞬のような速度で距離を詰める。
木刀は下から。
勢いに合わせた高速の振り上げだ。
ユウカは体制が整わない中、かろうじてその一撃を躱す。
しかし、
恭司の手によって振り上げられた木刀は、ユウカに躱された瞬間に下へと向きを変えた。
高速の方向転換。
音速の振り。
いきなり振り下ろしと化けたその一撃に、ユウカはギリギリで木刀を挟み込ませる。
ギリリと膠着するが、その一瞬に恭司は片足を振り上げ、強烈な蹴りを放った。
ユウカは瞬時にガードしたが、体が浮くのは抑えられない。
ユウカはあっという間に蹴り飛ばされ、数瞬、宙を彷徨った。
「これ……!!まさか……ッ!?」
恭司はユウカの体の浮いたその一瞬を見逃さない。
まるで飛ぶように跳び、蹴り飛ばされている真っ最中のユウカに追い打ちをかける。
その構えは突き。
ユウカは蹴り飛ばされた影響など意に介さず、両手を木刀に添えて、その一撃にかち当てた。
足元は定まらない中でも、卓越した身体能力とセンスで、何とか直撃は防ぐ。
だが、
いくら両手でも、足が地面に付いていなければ力は出せない。
ユウカの体は、そのまま後ろへ吹き飛ばされた。
「しん、じ、られない!!」
ユウカは吹き飛ばされながら、何とか地に無理やり足を付き、何度かバウンドするように着地した。
勢いを殺すことには成功したが、その代償として思いのほか体力を消費してしまった。
ユウカは両足が地面に着いた途端、改めて構え直し、荒れた息遣いで恭司を見る。
恭司は既に、ユウカの目前で次の攻撃の準備を整え終わっていた。
構えは上。
完全に振り下ろしだ。
ユウカは凄まじい速度で叩き落されるその一撃を、両手を使ってかろうじて受け止める。
さすがに二の舞は起こすまいとすぐに弾いたが、さっき感じたばかりの驚愕は当然まだ拭えていない。
この一撃も、さっきの技も、恭司は完全にユウカの動きを真似ていたのだ。
ユウカが代々の継承で身に付けたあの技を、あの足運びを太刀筋を、恭司は完全にコピーしていた。
普通じゃ勿論有り得ない。
アレは世の中には全く広まってなどいない技なのだ。
記憶どうこうの話じゃない。
恐ろしいセンスだ。
そして、
恭司の追撃はまだ終わっていない。
次は横から。
遠心力を利用した恐ろしく重くて速い一撃を、恭司は同い年の女の子へ向けて全力で打ち出す。
ユウカは木刀を縦にして両手でそれを受け止めたが、ユウカの軽い体はそれでも楽々と吹き飛んだ。
ユウカも武芸者であるが故にそうか弱いはずもないが、さすがに男と女だ。
筋力量は当然違うし、心なしか恭司の一撃はどんどん鋭く、重くなっている。
ユウカはまたしても、恭司の横薙ぎの一閃に吹き飛ばされた。
恭司はまるで一瞬のような速度で距離を詰める。
木刀は下から。
勢いに合わせた高速の振り上げだ。
ユウカは体制が整わない中、かろうじてその一撃を躱す。
しかし、
恭司の手によって振り上げられた木刀は、ユウカに躱された瞬間に下へと向きを変えた。
高速の方向転換。
音速の振り。
いきなり振り下ろしと化けたその一撃に、ユウカはギリギリで木刀を挟み込ませる。
ギリリと膠着するが、その一瞬に恭司は片足を振り上げ、強烈な蹴りを放った。
ユウカは瞬時にガードしたが、体が浮くのは抑えられない。
ユウカはあっという間に蹴り飛ばされ、数瞬、宙を彷徨った。
「これ……!!まさか……ッ!?」
恭司はユウカの体の浮いたその一瞬を見逃さない。
まるで飛ぶように跳び、蹴り飛ばされている真っ最中のユウカに追い打ちをかける。
その構えは突き。
ユウカは蹴り飛ばされた影響など意に介さず、両手を木刀に添えて、その一撃にかち当てた。
足元は定まらない中でも、卓越した身体能力とセンスで、何とか直撃は防ぐ。
だが、
いくら両手でも、足が地面に付いていなければ力は出せない。
ユウカの体は、そのまま後ろへ吹き飛ばされた。
「しん、じ、られない!!」
ユウカは吹き飛ばされながら、何とか地に無理やり足を付き、何度かバウンドするように着地した。
勢いを殺すことには成功したが、その代償として思いのほか体力を消費してしまった。
ユウカは両足が地面に着いた途端、改めて構え直し、荒れた息遣いで恭司を見る。
恭司は既に、ユウカの目前で次の攻撃の準備を整え終わっていた。
構えは上。
完全に振り下ろしだ。
ユウカは凄まじい速度で叩き落されるその一撃を、両手を使ってかろうじて受け止める。
さすがに二の舞は起こすまいとすぐに弾いたが、さっき感じたばかりの驚愕は当然まだ拭えていない。
この一撃も、さっきの技も、恭司は完全にユウカの動きを真似ていたのだ。
ユウカが代々の継承で身に付けたあの技を、あの足運びを太刀筋を、恭司は完全にコピーしていた。
普通じゃ勿論有り得ない。
アレは世の中には全く広まってなどいない技なのだ。
記憶どうこうの話じゃない。
恐ろしいセンスだ。
そして、
恭司の追撃はまだ終わっていない。
次は横から。
遠心力を利用した恐ろしく重くて速い一撃を、恭司は同い年の女の子へ向けて全力で打ち出す。
ユウカは木刀を縦にして両手でそれを受け止めたが、ユウカの軽い体はそれでも楽々と吹き飛んだ。
ユウカも武芸者であるが故にそうか弱いはずもないが、さすがに男と女だ。
筋力量は当然違うし、心なしか恭司の一撃はどんどん鋭く、重くなっている。
ユウカはまたしても、恭司の横薙ぎの一閃に吹き飛ばされた。
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