しろいかべ

冷蔵庫マシン

煙たち込む夜明け前に

そよそよと流れる風が風車をまた
ゆらり
見るも自然なあなたはここにいた
人通り
の多い路地裏にも確かに存在した

新車のボルボみたいなひとだかりの
喉を掻き毟るようなアクセルを
置き去りにする場所

他の誰でもないあなただ
あなたは瓦色の化粧で
こちらをまっすぐ見ていた
たぶん色んなことに気付き過ぎていた
それはまだ過去の中

そよそよと流れる風車がまた
ゆらり
と……雑音をかき消す場所もまた
ゆらり
と……木々も虫の音もが
わたし
に……力強さを忘れさせた
ことばは要らない、煙が必要だ

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