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え? パーティに支援魔法をかけまくっていた俺を追放? 〜若くてかわいい有望パーティに拾われたので、今さら戻ってこいと言われても、もう遅い〜

猪木洋平

35話 ユリウスさんを助けて!

「ユリウスさんたち、だいじょうぶかな……」
「ふん! 本当にお人好しね。あんなやつら、放っておけばいいのに」
「それがロイさんのいいところなのです。わたしはそういうところが好きなのです」

 俺、ニナ、ミーシャは、街を出て移動中だ。ユリウスたちも隊商の護衛依頼でこのあたりを移動しているはずである。

 あの日、俺はユリウスからの”黒き炎”への復帰勧誘を断った。それ自体は当然の判断で、後悔はしていない。ただ、彼のただならぬ雰囲気が後々で気になってきたのだ。

 冒険者ギルドで”黒き炎”が受注している依頼を調べてみた。俺、ミーシャ、ニナは、俺の支援魔法により脚力を強化した上で、”黒き炎”が移動中だと思われる道へ向かい始めた。本当は俺1人で向かうつもりだったが、彼女たちも付き合ってくれたのだ。

 一般的に、隊商の移動速度は速くない。大量の荷物があるからだ。一方で、俺の支援魔法により俺たちの移動速度は速い。もうそろそろ追いついてもおかしくない頃合いだろう。

「……ん? あれは……」
「隊商の一団なのです。慌てているようなのです」

 隊商が慌てた様子でこちらに向かっている。隊商とすれ違う。そして、隊商の最後尾からさらに少し遅れて。

「……ルフレさん、ガレンさん。それにリサさんとシオンも」

 ”黒き炎”の面々だ。彼らも、何やら慌てた様子で走っている。

「ロイ! ……いや、ロイさん!」
「うむ。久しぶりなのである」

 ルフレとガレンがそう言う。ガレンはルフレの肩を借りている。負傷しているようだ。

「お久しぶりです。ロイ先輩」
「さ、再会を懐かしんでいる場合ではありませんわ。ユリウスさんが……」

 シオンとリサがそう言う。

「うん? そう言えば、ユリウスさんの姿がありませんね」
「実は……」

 俺は彼らから事情を聞く。

「なるほど……。オークジェネラルから隊商、そしてルフレさんたちを逃がすために、ユリウスさんが殿になったと」
「その通りです。どうか、ロイさんの力を貸していただけないでしょうか。今ならまだ間に合うかもしれません」
「ボクからもお願いします」

 ルフレとシオン、それにガレンとリサが頭を下げる。

「わかりました。俺がみんなに支援魔法をかけます。みんなで助けにいきましょう」

 正直、”黒き炎”にはあまりいい感情を持っていない。しかしだからといって、見殺しにはしたくない。最後は追放されて終わったとはいえ、彼らとは楽しい思い出もあるのだ。

「れ、礼を言うのである」
「ありがとうございます」

 ガレンとリサがそう言う。俺はさっそく、支援魔法の詠唱を始める。

「……彼の者たちに祝福を。脚力強化、生命力強化、体力強化、肉体強度強化、魔法攻撃力強化、魔力制御強化、魔力精度強化、視力強化、反応速度強化ーー」

 俺は一通りの支援魔法を発動する。対象はルフレ、ガレン、リサ、シオン。それに俺、ミーシャ、ニナだ。

「お、おお! 今ならわかるのである。この支援魔法のすごさが」
「その通りですね。この力があれば、きっとオークジェネラルもなんとかなるでしょう」
「すばらしいですわ。以前のわたくしたちの目は節穴でした」
「相変わらず、ロイ先輩の支援魔法はすごい……」

 ガレン、ルフレ、リサ、シオンがそう言う。以前は無能扱いされていた俺だが。このしばらくの間で何があったのか、俺の支援魔法に対する評価が変わっているようだ。

「さあ、急ぎましょう。ユリウスさんの無事を祈って」

 みんなで駆け出す。俺の支援魔法により、移動速度は向上している。ガレンは負傷していたが、それよりも俺の支援魔法による強化のほうが大きい。高速でユリウスとオークジェネラルの交戦地点に向かっていく。

「え? パーティに支援魔法をかけまくっていた俺を追放? 〜若くてかわいい有望パーティに拾われたので、今さら戻ってこいと言われても、もう遅い〜」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

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