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え? パーティに支援魔法をかけまくっていた俺を追放? 〜若くてかわいい有望パーティに拾われたので、今さら戻ってこいと言われても、もう遅い〜

猪木洋平

27話 グレイウルフ狩り

 影の森の西側でのグレイウルフ狩りだ。支援魔法を控えめにした状態で、ニナがグレイウルフに対峙している。

「いくわよっ! せえぃ!」

 ニナが剣を振り下ろす。支援魔法による身体能力の向上が控えめとなっているため、普段よりも剣速はやや遅い。とはいっても、しっかりとした剣筋だ。彼女の確かな地力が感じられる。

「ギャウッ!」

 グレイウルフが体に剣を受ける。

「ふん! さすがに、一撃では倒せないみたいね」
「グルル……!」

 グレイウルフが体制を立て直し、ニナを威嚇する。両者、にらみ合う。

「ガウッ!」
「ふん! そんな攻撃、私には通用しないわ」

 グレイウルフの飛びかかりを、ニナがひらりと躱す。そして、グレイウルフの首筋に剣を振り下ろす。

「ギャウウッ」

 グレイウルフが悲鳴をあげる。今度こそ、致命傷だ。

「ふん。無事に倒せたわね」
「ニナの動きはすごいな。さすがはCランクだ」

 俺はニナをそう称える。Bランクパーティの”黒き炎”の面々と比べても、遜色のない動きだった。

「ありがとう。でも、本当にすごいのはあなたよ。ロイ」
「俺か?」

 俺は首をひねる。

「確かに、いつもの支援魔法よりは控えめだったわ。それでもなお、普通の支援魔法士の効力よりも数段は上だったわ」
「なるほどなのです。確かに、普段のロイさんの支援魔法の効力を考えれば、多少控えめにしてもなおそこらの支援魔法士よりは上だと思うのです」

 ニナとミーシャがそう言う。

「そうか? そう言ってもらえると、素直にうれしいが。しかし、それなら当初の目的は達成できていないのか?」

 そもそもグレイウルフの討伐依頼を受けたのは、支援魔法をあえて控えめにした状態での狩りに慣れておき、いざというときに動揺しないようにすることだ。

「ふん! ロイにとっては最低限の支援魔法でも、私たちにとってはとても有効。それがわかっただけでも収穫よ」
「そうなのです。次は、わたしがグレイウルフと戦ってみるのです。ニナの動きを見る限り、わたしもおそらくは問題ないのでしょうけど。慣れておきたいのです」

 ニナとミーシャがそう言う。

「わかった。次はミーシャに支援魔法を控えめにかけておこう」

 その後しばらく索敵して、無事に次のグレイウルフを発見した。俺はニナのときと同程度の支援魔法をミーシャにかけた。ミーシャがグレイウルフと戦った。結果は、ミーシャの勝利。

 ニナと比べると多少の時間はかかったものの、ほぼ無傷での勝利だ。ミーシャの本職はレンジャーだが、戦闘能力もそれなりにある。さすがに、剣士であるニナよりはやや劣るが。

 この頼りになる2人といっしょなら、安定して稼いでいけるだろう。2人はCランク、俺はDランク。もっとがんばって、まずは俺も彼女たちと同じCランクになりたいところだ。

 そしてゆくゆくは、彼女たち”白き雷光”のパーティランクをCからBに上げたい。優秀な彼女たちならば、それも可能だろう。俺もそのために全力を尽くそう。

 まだ見ぬ栄光の日々を夢見ながら、俺たちは街への帰路についた。

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