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え? パーティに支援魔法をかけまくっていた俺を追放? 〜若くてかわいい有望パーティに拾われたので、今さら戻ってこいと言われても、もう遅い〜

猪木洋平

23話 【ユリウスside】な、なんとか1匹は倒したぞ……

 ユリウスたち”黒き炎”の面々は、街の外の森へとやってきた。魔法剣士のユリウス、斧使いのガレン、槍士のルフレ、攻撃魔法使いのリサ、弓士のシオン。メンバーはこの5人だ。

「むっ! さっそくグレイウルフのお出ましか。みんな、気を引き締めてかかれよ!」

 ユリウスがそう言う。グレイウルフが1頭だ。ロイがいたころの彼らであれば、軽く蹴散らすことができていた相手だ。しかし今の彼らにとっては、かなりの強敵である。

「了解である! 吾輩のパワーで蹴散らしてやるのである!」
「自分も槍で牽制します。援護は任せましたよ。リサさん、シオンさん」

 ガレンとルフレがそう言う。ここしばらくの不調により、彼らにも危機意識が芽生えていた。格下のグレイウルフとはいえ、気は抜かない。

「わかりましたわ。タイミングを見て氷魔法を放ちます」
「ボクは弓で援護するよ」

 リサとシオンがそう言う。みんなが気を引き締めた。これなら勝てるだろう。だれもがそう思った。

 しかし、現実は甘くない。

「ぐっ。吾輩の攻撃を何度も受けて、倒れぬとは……。このグレイウルフ、相当しぶといのである」
「その通りですね。自分の槍やシオンさんの弓も効果がイマイチのようです」

 ガレンとルフレがそう言う。ロイのいない彼らの実力では、グレイウルフ1頭の討伐にすら手こずるのが現実であった。

「ちっ。非力なやつらめ。仕方ない。リサ、氷魔法を放て!」
「い、今、詠唱中ですわ」
「何をチンタラしている! 今までなら、もっと早く詠唱できていただろうが!」

 ユリウスはリサにそう文句を言う。そうは言っても、時間がかかるものは時間がかかる。今までは、ロイの支援魔法の恩恵により詠唱速度や魔力の制御力が向上していただけである。ロイの支援魔法がなければ、リサの実力は実際この程度である。

「……貫け、氷槍! アイシクル・スピア!」

 リサの詠唱がやっと終わる。氷の槍がグレイウルフを襲う。

「グウウ……!」

 グレイウルフが苦痛の声をあげる。戦闘不能には至っていないものの、度重なる物理攻撃に加えてこの氷魔法により、ダメージは蓄積されつつあるようだ。そして。

「これでとどめだ! はあぁ! 火炎斬!」

 ユリウスが剣に炎をまとわせ、グレイウルフに攻撃する。

「グ、グウウ……」

 グレイウルフは力なくそう鳴き、倒れた。これにて、ようやく戦闘終了だ。

「ちっ。たかがグレイウルフ1匹に相当手間取ったな」

 ユリウスがそう言う。

「うむ……。吾輩の力も、まだ本調子にはほど遠いのである」
「その通りですね。自分ももう少し調整が必要です」

 ガレンとルフレがそう言う。

「よし。次のグレイウルフを探すぞ」
「えっ。次、ですか? みんな疲れているし、今日は終わったほうが……」

 ユリウスの言葉に、シオンがそう反論する。しかし。

「黙れ! こんな調子で、次の護衛任務をこなせるか! 多少のムチャをしてでも、もとの調子を取り戻さなくては話にならん!」

 ユリウスがそう怒鳴る。ガレン、ルフレ、リサ、シオン。それぞれ言いたいことはあるものの、ユリウスの言うことにも一理はある。

 彼らは次のグレイウルフを探し始める。はたして、この判断が吉と出るか凶と出るか。

「え? パーティに支援魔法をかけまくっていた俺を追放? 〜若くてかわいい有望パーティに拾われたので、今さら戻ってこいと言われても、もう遅い〜」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

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