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え? パーティに支援魔法をかけまくっていた俺を追放? 〜若くてかわいい有望パーティに拾われたので、今さら戻ってこいと言われても、もう遅い〜

猪木洋平

19話 【ユリウスside】ビッグボア相手に撤退だと!? ふざけるな!

 ユリウスがビッグボアにダメージを与えることに成功した。……引っかき傷程度の。

「ブオオオオオ! ブオオオオオオオオ!」

 ビッグボアが怒り狂う。中途半端にダメージを与えた分、今まで以上に怒りを買ったようだ。ビッグボアがひたすらに暴れ狂う。

 ユリウス、ルフレ、ガレン、リサ、シオン。5人は為す術もなく、蹂躙される。もはや彼らに打つ手はない。

「こ、これは勝てん。ジョネス商会長、逃げましょう! 俺たちにこの魔物は討伐できません!」

 メナスがジョネス商会長にそう進言する。

「メナス、てめえ何を勝手なことを……! ジョネス商会長、俺たちはまだやれます」

 ユリウスがそう言う。しかし。

「……わかった。メナス君の言うとおりにしよう。皆のもの、急いでこの場を離れるぞ! 重い荷物は捨てて構わん!」

 ジョネス商会長はユリウスを無視し、メナスの進言に従うことにした。ジョネス商会長は戦闘に関しては素人だ。しかし素人目で見ても、彼ら”黒き炎”に勝ち目がないことは明らか。多少の余力がある今のうちに逃走の判断を下したのだ。


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 ビッグボアを相手に、何とか逃走に成功したジョネス商会の隊商。護衛依頼を受けている”黒き炎”の信用は失墜した。

「おい、メナス! てめえなぜ勝手な判断をした! パーティリーダーは俺だぞ」
「ふん。あの程度の実力で、リーダーを気取るな。なんだあの斬撃は。へっぽこ剣士が」

 メナスがそう言う。彼の指摘はもっともだ。ロイの支援魔法がない今、ユリウスの斬撃はお世辞にもBランククラスとは言い難い。

「へっぽこだと!? それはこっちのセリフだ! たった数個の支援魔法しか発動できないへっぽこ支援魔法士が!    
 もっと多くの支援魔法を発動してもらわないと困る!」
「もっと多く? バカを言うな。6人パーティに対して3つの支援魔法をかけている時点で、Bランクの支援魔法士としての責任は果たしている。これ以上を求めるなら、A……いや、Sランクの支援魔法士でも雇うんだな。ま、こんなへっぽこパーティに来てくれるかは話は別だがな」

 メナスがそう反論する。

「なんだと!」
「バカバカしい。こんなパーティでやってられるか! この隊商の護衛任務が終わり次第、俺はこのパーティを抜けさせてもらう。そして、ギルドにも報告を入れておくからな。ランク詐称の疑いあり、再審査を検討すべきとな!」
「ふざけるな! 自分の無能さを棚に上げやがって!」
「言ってろ。ギルドや依頼主であれば、公正な目で見てくれるさ。自分のヘボさとしっかり向き合うんだな」

 メナスはそう言って、そっぽを向いた。護衛任務はもう少し続くので、それまでは最低限のコミュニケーションは必要だ。しかし護衛任務が終われば、もうこの”黒き炎”と関わることはないだろう。そう思いながら。

「え? パーティに支援魔法をかけまくっていた俺を追放? 〜若くてかわいい有望パーティに拾われたので、今さら戻ってこいと言われても、もう遅い〜」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

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