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え? パーティに支援魔法をかけまくっていた俺を追放? 〜若くてかわいい有望パーティに拾われたので、今さら戻ってこいと言われても、もう遅い〜

猪木洋平

8話 ヒポタス草の採取

 ミーシャと影の森を進んでいく。とはいっても、あまり深くまでは入らない予定だ。目当てのヒポタス草を採取して、さっさと立ち去る心づもりである。

「このあたりがヒポタス草の群生地となっているのです。周囲を警戒しつつ、採取していくのです」
「ああ。わかった」

 俺とミーシャで、ヒポタス草を摘んでいく。摘んだものは、カバンにしまい込む。

「ヒポタス草にそっくりな、ポタス草もあるのです。根本の色合いで見分けるのです」
「ふむ。こっちがヒポタス草か?」

 言われて見ると、確かに若干色合いが異なる。ヒポタス草の根本は、黄緑に近い。ポタス草の根本は、やや濃い緑色だ。

「そうなのです。その調子で採取を進めるのです」

 ミーシャのアドバイスをもらいつつ、順調に採取を進めていく。しばらくして、俺とミーシャのカバンの中に、十分な量のヒポタス草がたまった。

「ふぃー、なのです。これぐらいで十分なのです」
「そうだな。そろそろ帰ろうか」

 ミーシャと帰り支度を始めた、そのとき。

「きゃあああっ! だれかっ!」

 悲鳴だ。森の奥から女性の悲鳴が聞こえてきた。

「だれかが魔物に襲われているのか!? どうする? ミーシャ!」
「単体のシャドウウルフなら、わたしで何とかできるのです! 群れなら厳しいかもしれないのです。できれば助けに行きたいのですが……。ロイさんにも危険が及ぶかもしれないのです」
「それは構わない! 行こう!」

 俺とミーシャで悲鳴が聞こえた方向へ駆け出す。

「ミーシャ。今のうちに、支援魔法を重ねがけしておこう」
「お願いするのです。でも、いざというときに逃げる分は温存しておくのです」

 ミーシャの判断は正しい。魔力を使い切ってしまうと、体を動かす気力までもが失われてしまう。いざというときに走って逃げるためにも、魔力は温存しておくべきである。

「わかった。……彼の者に祝福を。生命力強化、体力強化、肉体強度強化、魔法攻撃力強化、魔力制御強化、魔力精度強化、視力強化、反応速度強化ーー」

 俺は一通りの支援魔法を発動する。対象は俺とミーシャだ。

「そ、それで本当に魔力が残っているのです? わたしの力では、ロイさんをかついで逃げるのはムリなのです」
「ああ。問題ないぞ。数時間は軽く持つだろう」

 これぐらいなら何の問題もない。”黒き炎”では、より多人数により多くの支援魔法を発動していたしな。

「ロイさんがそう言うのなら、信じるのです。先を急ぐのです」

 俺とミーシャで、森の中を走る。悲鳴をあげた人の無事を祈りつつ、木々をかきわけていく。

「え? パーティに支援魔法をかけまくっていた俺を追放? 〜若くてかわいい有望パーティに拾われたので、今さら戻ってこいと言われても、もう遅い〜」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

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