【変態ゴレてん】変態少年が異世界に転生してゴーレムになったから魔改造を施したけれど変態は治りませんでした。追伸、ゴーレムでも変態でも女の子にモテたいです。
第40話【退避の戦術】
ジャブローダンジョン、地下二階の大部屋。
俺とクレアは二人並んで走っていた。
後方にはノソノソとしたトロい走りでオーガゾンビたちが俺たちを追いかけてくる。
オーガゾンビたちはスピードに自信が薄い俺にすら追い付けない速度であった。
走る速度も動きもトロいのだ。
クレアが走り続けながらチラチラと後ろを振り返る。
それを見ながら俺はクレアに訊いてみた。
『クレア、オーガゾンビは何体いるのさ?』
「ざっと見るからに十二体ってところだな」
『十二体か~。それじゃあ前回の作戦と同じように対処するか~』
「狭い通路に籠って一体ずつ撃破するのだな」
『そうそう、それで楽勝だぜ』
オーガゾンビに追われる俺とクレアは地下二階に下りてきた階段の有る廊下を目指した。
そこは高さ2メートルちょっと、幅は1.3メートルぐらいの通路である。
巨漢で身長が3メートルあるマッチョマンなオーガゾンビでは、身を丸めてちじこまらないと通れないサイズの廊下だ。
おそらく、そんな姿勢ではオーガゾンビもまともに戦えないだろう。
要するに、俺らの圧倒的な有利である。
そして、走る俺たちは入って来た通路の側まで到達した。
しかし、突然にクレアが直角に走るコースを曲げたのだ。
『えっ!? どうしたん、クレア!?』
俺が突如曲がったクレアの背中に問いかけると彼女は振り返りもしないで答える。
「詰まってるぞ。作戦は変更だ」
『詰まってる?』
俺が前を向きな押すと俺たちが入ってきた通路にマッチョなオーガゾンビの一体がコルク栓のように引っ掛かっていた。
隙間もなく完全に動く肉の壁で通路が塞がれている。
『畜生、なんでこいつはこんなところに引っ掛かっているんだよ!?』
顔の半分を手で押さえた俺は、愚痴ってからクレアの背中を追って逃走を再開させる。
ありゃあ駄目だ。
通路に引っ掛かっているオーガゾンビを倒しても死体が残る。
その死体をオーガゾンビたちと戦いながら退かすのは不可能だ。
これはクレアが言う通り作戦変更を余儀なくされる。
俺はクレアの背中に追い付くと彼女に訊いた。
『どうするよ、クレア?』
「個別撃破の作戦を取るしかないだろう」
『どうやってさ?』
「幸いにもこの部屋はとても広い。だから走って回って距離を作っては一体ずつ攻撃するのだ。そして攻撃後はまた逃げるの繰り返しだろう」
『やっぱりそう言うせこい作戦になるよね~……』
「ならば貴様に別の何か名案でもあるのか?」
『ございません……。その作戦を取らせてもらいます……』
「それじゃあ、行くぞ」
『了解だ!』
答えるなり俺は立ち止まり踵を返した。
バスタードソードを両手で構えると走ってくる先頭のオーガゾンビを待ち受ける。
「足を狙え。殺さなくっても構わんぞ。まずは動きを封じるのだ!」
『あいよう~!』
先頭を走るオーガゾンビが両手を前に伸ばして俺に襲いかかってきた。
掴み掛かる気だろう。
でも、遅い。
それに動きが直接的で単純だ。
『この程度の速さなら、俺のへッポコ剣術でもどうにかなりそうだな!』
俺は突き迫る両手を右に躱すとバスタードソードでオーガゾンビの片膝を攻めた。
ガンっと鈍い音を響かせたバスタードソードの刀身がオーガゾンビの太い片膝に深くめり込んだ。
『ちっ、切断までは無理か!』
どうやら俺の腕前では一太刀での切断は無理のようだ。
それだけオーガゾンビの足は太くて硬い。
だが、俺がバスタードソードを振り抜くとオーガゾンビは前のめりに転倒した。
膝関節が破壊されて立ち上がれもしない。
その背後から次のオーガゾンビが手を伸ばす。
『うわ、あぶね~!!』
俺は危うく二体目のオーガゾンビに捕まれそうになったが寸前で免れる。
そして再び走り出した。
「上手いぞ、アナベル。その調子だ」
『よし、誉められた。クレア、もっともっと俺を誉めてくれ!』
「それは結果を出してからの報酬だな」
『報酬と言うなら、こいつら全部倒せたらさ、そのおっきなおっぱいを揉ませてよ!』
クレアは冷たい眼差しで言った。
「そのような報酬はお断りだ」
『じゃあ、お尻を触らせて!』
クレアは更に目を細めた。
「それも断る。ふざけるなよ」
『じゃあじゃあ、ほっぺにキスでいいからさ!!』
クレアは少し考えてから答える。
「うむ、そのぐらいなら良かろう」
『マジで!!』
おふざけでも言ってみるものだな。
こいつの基準はどこか大きくずれているんだよな……。
でも、予想外の報酬がもらえそうだぞ!!
これは一気にやる気が湧いてきたわん!!
『よ~し、俺、はりきっちゃうぞ!!』
俺は砂埃を上げながら立ち止まるとバスタードソードを横向きに翳した。
1、再び同じ作戦でオーガゾンビを迎え打つ。
2、オーガゾンビが走り迫る。
3、俺はオーガゾンビのグラップルを躱して膝を撃つ。
4、俺は再び踵を返して走り出す。
5、距離が確保できたら1に戻る。
ここからは1から5のループだ。
俺はひたすらそれを繰り返した。
やがてオーガゾンビ全員の片膝を砕き終わる。
すると大部屋のあちらこちらで片膝を破壊されたオーガゾンビたちが藻掻くように蠢いていた。
もう立てずに這いずり回るオーガゾンビから、まだなんとか片膝でも歩いているオーガゾンビと様々であったが、明らかにすべてのオーガゾンビの移動力が低下しているのが見て取れた。
イコール戦闘力の低下と見て取れる。
俺たち二人は立ち止まったまま大部屋の中を見回しながら話した。
『もうこれは、ほぼほぼ勝ったも同然だな』
「あとは二人しての同時攻撃で完全にオーガゾンビたちの動きを停止させるのみだ」
『了解了解~』
「返事は一度だ」
『うへぇ~、怒られましたよ……』
俺とクレアは会話を楽しみながら片膝を引き摺るオーガゾンビの一体を左右から挟み込んだ。
『二方向からの同時攻撃。ゾンビと化したこいつらが対応できるかな~?』
「無理だろうさ」
そうクレアが述べたところでオーガゾンビがクレアに飛び掛かった。
しかし、クレアはヒラリと華麗に躱すと同時にレイピアを三角に振るってオーガゾンビの顔面を三度切り裂いた。
オーガゾンビの顔面が鮮血に染まる。
だが、打ち込みが浅いようだった。
それでもオーガゾンビは動いている。
なので俺が後ろからジャンプしながらバスタードソードの横振りでオーガゾンビの後頭部をぶん殴るように切付けた。
ズブリとバスタードソードの刀身がオーガゾンビの後頭部から半分ぐらい頭にめり込んだ。
それでオーガゾンビの動きが停止して前のめりにダウンする。
それっきり完全に動かなくなった。
『ふぅ~、この作業をあと十一回も繰り返さないとならんのね~』
「出入り口に挟まっている輩も入れれば十二回だな」
『面倒臭いな~……』
「言うな。ささっと続きを励むぞ」
『あいよ~』
それにしても幸いだった。
これがオーガゾンビでなく、生きているオーガなら、こんな単純な作戦はとれなかっただろう。
ある意味で知能が低くて単純なゾンビで良かったのかも知れない。
こうして俺たちは残りのオーガを撃破していった。
そして、残り三体まで進むとクレアが言った。
「ちょっと休憩しないか、流石に私は疲れたぞ」
『もう、この子ったら体が鈍ってて体力が低いんだから~。家の中で本ばっかり読み過ぎじゃあないのかい。もっとお外で俺と一緒に遊ぼうぜ!』
「貴様が体力が有り余りすぎなのだ。体力無限と一緒にするな。それに私はもう大人なんだ、外で遊んでばかりもいられないのだぞ」
『乳が育ちすぎで重たすぎなんじゃねえ?』
「うぬぬ、今度貧乳になる秘薬の研究でも始めるかな……」
『それはアカン! そんな世界中の真面目な青少年たちが逆鱗と共に反対しそうな秘薬を作ったらアカンがな!!』
クレアが首を傾げた。
「何故に怒鳴る?」
『そんな秘薬を開発したら、あっちこっちで暴動が起きるぞ! 作るなら普通は逆だろ。誰でも巨乳になれる秘薬を作れよな!!』
クレアが呆れながら首を傾げた。
「貴様こそわけが分からんな?」
この娘は本当に天然だな。
そんな毒薬は誰が喜ぶのだろう。
少し考えれば分かるだろうにさ!
俺とクレアは二人並んで走っていた。
後方にはノソノソとしたトロい走りでオーガゾンビたちが俺たちを追いかけてくる。
オーガゾンビたちはスピードに自信が薄い俺にすら追い付けない速度であった。
走る速度も動きもトロいのだ。
クレアが走り続けながらチラチラと後ろを振り返る。
それを見ながら俺はクレアに訊いてみた。
『クレア、オーガゾンビは何体いるのさ?』
「ざっと見るからに十二体ってところだな」
『十二体か~。それじゃあ前回の作戦と同じように対処するか~』
「狭い通路に籠って一体ずつ撃破するのだな」
『そうそう、それで楽勝だぜ』
オーガゾンビに追われる俺とクレアは地下二階に下りてきた階段の有る廊下を目指した。
そこは高さ2メートルちょっと、幅は1.3メートルぐらいの通路である。
巨漢で身長が3メートルあるマッチョマンなオーガゾンビでは、身を丸めてちじこまらないと通れないサイズの廊下だ。
おそらく、そんな姿勢ではオーガゾンビもまともに戦えないだろう。
要するに、俺らの圧倒的な有利である。
そして、走る俺たちは入って来た通路の側まで到達した。
しかし、突然にクレアが直角に走るコースを曲げたのだ。
『えっ!? どうしたん、クレア!?』
俺が突如曲がったクレアの背中に問いかけると彼女は振り返りもしないで答える。
「詰まってるぞ。作戦は変更だ」
『詰まってる?』
俺が前を向きな押すと俺たちが入ってきた通路にマッチョなオーガゾンビの一体がコルク栓のように引っ掛かっていた。
隙間もなく完全に動く肉の壁で通路が塞がれている。
『畜生、なんでこいつはこんなところに引っ掛かっているんだよ!?』
顔の半分を手で押さえた俺は、愚痴ってからクレアの背中を追って逃走を再開させる。
ありゃあ駄目だ。
通路に引っ掛かっているオーガゾンビを倒しても死体が残る。
その死体をオーガゾンビたちと戦いながら退かすのは不可能だ。
これはクレアが言う通り作戦変更を余儀なくされる。
俺はクレアの背中に追い付くと彼女に訊いた。
『どうするよ、クレア?』
「個別撃破の作戦を取るしかないだろう」
『どうやってさ?』
「幸いにもこの部屋はとても広い。だから走って回って距離を作っては一体ずつ攻撃するのだ。そして攻撃後はまた逃げるの繰り返しだろう」
『やっぱりそう言うせこい作戦になるよね~……』
「ならば貴様に別の何か名案でもあるのか?」
『ございません……。その作戦を取らせてもらいます……』
「それじゃあ、行くぞ」
『了解だ!』
答えるなり俺は立ち止まり踵を返した。
バスタードソードを両手で構えると走ってくる先頭のオーガゾンビを待ち受ける。
「足を狙え。殺さなくっても構わんぞ。まずは動きを封じるのだ!」
『あいよう~!』
先頭を走るオーガゾンビが両手を前に伸ばして俺に襲いかかってきた。
掴み掛かる気だろう。
でも、遅い。
それに動きが直接的で単純だ。
『この程度の速さなら、俺のへッポコ剣術でもどうにかなりそうだな!』
俺は突き迫る両手を右に躱すとバスタードソードでオーガゾンビの片膝を攻めた。
ガンっと鈍い音を響かせたバスタードソードの刀身がオーガゾンビの太い片膝に深くめり込んだ。
『ちっ、切断までは無理か!』
どうやら俺の腕前では一太刀での切断は無理のようだ。
それだけオーガゾンビの足は太くて硬い。
だが、俺がバスタードソードを振り抜くとオーガゾンビは前のめりに転倒した。
膝関節が破壊されて立ち上がれもしない。
その背後から次のオーガゾンビが手を伸ばす。
『うわ、あぶね~!!』
俺は危うく二体目のオーガゾンビに捕まれそうになったが寸前で免れる。
そして再び走り出した。
「上手いぞ、アナベル。その調子だ」
『よし、誉められた。クレア、もっともっと俺を誉めてくれ!』
「それは結果を出してからの報酬だな」
『報酬と言うなら、こいつら全部倒せたらさ、そのおっきなおっぱいを揉ませてよ!』
クレアは冷たい眼差しで言った。
「そのような報酬はお断りだ」
『じゃあ、お尻を触らせて!』
クレアは更に目を細めた。
「それも断る。ふざけるなよ」
『じゃあじゃあ、ほっぺにキスでいいからさ!!』
クレアは少し考えてから答える。
「うむ、そのぐらいなら良かろう」
『マジで!!』
おふざけでも言ってみるものだな。
こいつの基準はどこか大きくずれているんだよな……。
でも、予想外の報酬がもらえそうだぞ!!
これは一気にやる気が湧いてきたわん!!
『よ~し、俺、はりきっちゃうぞ!!』
俺は砂埃を上げながら立ち止まるとバスタードソードを横向きに翳した。
1、再び同じ作戦でオーガゾンビを迎え打つ。
2、オーガゾンビが走り迫る。
3、俺はオーガゾンビのグラップルを躱して膝を撃つ。
4、俺は再び踵を返して走り出す。
5、距離が確保できたら1に戻る。
ここからは1から5のループだ。
俺はひたすらそれを繰り返した。
やがてオーガゾンビ全員の片膝を砕き終わる。
すると大部屋のあちらこちらで片膝を破壊されたオーガゾンビたちが藻掻くように蠢いていた。
もう立てずに這いずり回るオーガゾンビから、まだなんとか片膝でも歩いているオーガゾンビと様々であったが、明らかにすべてのオーガゾンビの移動力が低下しているのが見て取れた。
イコール戦闘力の低下と見て取れる。
俺たち二人は立ち止まったまま大部屋の中を見回しながら話した。
『もうこれは、ほぼほぼ勝ったも同然だな』
「あとは二人しての同時攻撃で完全にオーガゾンビたちの動きを停止させるのみだ」
『了解了解~』
「返事は一度だ」
『うへぇ~、怒られましたよ……』
俺とクレアは会話を楽しみながら片膝を引き摺るオーガゾンビの一体を左右から挟み込んだ。
『二方向からの同時攻撃。ゾンビと化したこいつらが対応できるかな~?』
「無理だろうさ」
そうクレアが述べたところでオーガゾンビがクレアに飛び掛かった。
しかし、クレアはヒラリと華麗に躱すと同時にレイピアを三角に振るってオーガゾンビの顔面を三度切り裂いた。
オーガゾンビの顔面が鮮血に染まる。
だが、打ち込みが浅いようだった。
それでもオーガゾンビは動いている。
なので俺が後ろからジャンプしながらバスタードソードの横振りでオーガゾンビの後頭部をぶん殴るように切付けた。
ズブリとバスタードソードの刀身がオーガゾンビの後頭部から半分ぐらい頭にめり込んだ。
それでオーガゾンビの動きが停止して前のめりにダウンする。
それっきり完全に動かなくなった。
『ふぅ~、この作業をあと十一回も繰り返さないとならんのね~』
「出入り口に挟まっている輩も入れれば十二回だな」
『面倒臭いな~……』
「言うな。ささっと続きを励むぞ」
『あいよ~』
それにしても幸いだった。
これがオーガゾンビでなく、生きているオーガなら、こんな単純な作戦はとれなかっただろう。
ある意味で知能が低くて単純なゾンビで良かったのかも知れない。
こうして俺たちは残りのオーガを撃破していった。
そして、残り三体まで進むとクレアが言った。
「ちょっと休憩しないか、流石に私は疲れたぞ」
『もう、この子ったら体が鈍ってて体力が低いんだから~。家の中で本ばっかり読み過ぎじゃあないのかい。もっとお外で俺と一緒に遊ぼうぜ!』
「貴様が体力が有り余りすぎなのだ。体力無限と一緒にするな。それに私はもう大人なんだ、外で遊んでばかりもいられないのだぞ」
『乳が育ちすぎで重たすぎなんじゃねえ?』
「うぬぬ、今度貧乳になる秘薬の研究でも始めるかな……」
『それはアカン! そんな世界中の真面目な青少年たちが逆鱗と共に反対しそうな秘薬を作ったらアカンがな!!』
クレアが首を傾げた。
「何故に怒鳴る?」
『そんな秘薬を開発したら、あっちこっちで暴動が起きるぞ! 作るなら普通は逆だろ。誰でも巨乳になれる秘薬を作れよな!!』
クレアが呆れながら首を傾げた。
「貴様こそわけが分からんな?」
この娘は本当に天然だな。
そんな毒薬は誰が喜ぶのだろう。
少し考えれば分かるだろうにさ!
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