【変態ゴレてん】変態少年が異世界に転生してゴーレムになったから魔改造を施したけれど変態は治りませんでした。追伸、ゴーレムでも変態でも女の子にモテたいです。
第24話【左腕の改造】
冒険者たちが帰ったあとに、クレアは小麦を練り上げると釜戸でパンを焼き始めた。
そして、パンを焼きながら待っている時間を椅子に腰掛けながら破けたメイド服を裁縫で縫い合わせている。
『服は魔法で直せないのね』
「私にも不得意な魔法があってな」
そんなクレアを余所に俺はステータススクロールでスキルをチェックしてみる。
『うむ、成長しているスキルがあるぞ』
俺はログを見た。
──────────
喧嘩技Lv2がLv3に上昇しました。
掴取技Lv1がLv2に上昇しました。
握力強化Lv2がLv3に上昇しました。
傀儡魔法Lv1がLv2に上昇しました。
新スキル、拳闘技Lv1、蹴闘技Lv1、投闘技Lv1、防御技Lv1を習得しました。
──────────
なんか幾つか新スキルも覚えてやがるぞ。
でも、ほとんど素手で戦った時のスキルばかりだな。
俺は武道家なのか?
まあ、いいか。
それに握力強化がレベルアップしたから筋力も1増えてるぞ。
筋力18が19になったぜ。
より一層パワフルになりましたがな。
あと傀儡魔法のレベルも上がってるぜ。
これはラッキーかな。
さて、残りのボーナスポイントは~。
ログ確認~。
──────────
冒険者を倒して15点獲得。
冒険者を倒して15点獲得。
冒険者を倒して10点獲得。
ボーナスポイントで掴取技Lv1を獲得しました。
冒険者を倒して20点獲得。
ミッション、冒険者を撃破しろを完了。ボーナスポイント100点を獲得。
──────────
なるほど、なるほど~。
これでボーナスポイントの残高は124ポイントか~。
このポイントは何かあった時のために貯金しておくかな。
『さてさて、俺は外で壊された畑の柵を直してくるからさ』
「ああ、分かった、アナベル」
俺は大工道具を抱えて外に出た。
そんな感じで今日も日が暮れる。
それから何事もなく一週間ぐらいが過ぎた。
俺が畑に水を暮れているとクレアが洞窟ハウスから出てくる。
「なあ、アナベル。ちょっといいか」
『なんだ、クレア?』
俺がクレアの側に近寄ると、クレアは俺の左肩をいじくりだした。
『な、なんだよ?』
「ちょっと腕を外すぞ」
『えっ、外すの?』
そう言うとクレアは呪文を唱えながら俺の左肩を外した。
『取り外しが出来るのかよ』
「ちょっとこの腕を代わりに付けてみないか」
そう言ってクレアが出したのは、外した腕と見立ては変わらない木製の腕だった。
その腕を俺の了解を聞かないうちに装着する。
「どうだ?」
『どうだって……』
俺は右手を眼前でグウパーグウパーと繰り返した。
なんの変化もない。
動きやすいわけでもないし、パワフルになった感覚もない。
何も変わらないとしか言えなかった。
クレアが言う。
「前に戦った時に貴様は素手だったからな。少し不憫に思えてな」
『不憫……?』
確かにクレアが見ている時には武器を使った事がないっけな~。
「その腕には暗器が仕込んである。武器を出すと念じてみろ。それだけで暗器が飛び出るぞ」
『どれどれ~』
俺は早速念じてみた。
すると左腕の尺骨部分から刃物が斜めに飛び出した。
それは手首の下辺りを軸に折り畳みナイフのように伸び出る。
長さ20センチぐらいの緩やかに湾曲したブレードだ。
そして肩からも三本の鍵積めのような短い刃物が飛び出していた。
刃物の長さは5センチ程度だが三本並んでいる。
俺は腕から伸び出た刃物を眺めながら呟く。
『これは、バ○ー・リスキニハーデン・セイバー……』
「骨の代わりに鉄骨を内蔵して固定している。──どうだ?」
俺は畑の柵に近付くと、左腕を振るった。
すると10センチほどの木の柵がスパりと斬れる。
『すげ~、凄い切れ味だな……』
「魔法で鍛えた刃物だからな」
『マジックアイテムなのか』
俺は切断した木の柵を凝視した。
切断面は鮮やかだ。
そこからも相当の切れ味なんだと分かる。
そして、今度は『武器よ仕舞え』と念じると、それだけで暗器は折り畳まれて腕の中に消えた。
『これ、いいね~』
「古代のゴーレムで暗器を内蔵しているゴーレムが要るのだが、思考を持たないゴーレムがどうやって暗器を出し入れしているのかが不明でな。マリアンヌ様も悩んでいた疑問だ。やはり貴様には思考があるから暗器が使えるようだな」
『おまえ、俺で実験していないか?』
「そのための貴様だ。何か問題でもあるのか?」
『いえ、ありません……』
「まあ、これは手始めだ。これからまだまだいろいろな仕掛けを作って行くぞ」
『はい、わかりましたよ~だ』
俺は言いながら暗器の出し入れを繰り返した。
それにしてもスムーズに動く刃だな。
俺が暗器で遊んでいると、クレアが声色を変えて言った。
「アナベル、誰か来るぞ……」
『えっ……?』
クレアは真剣な眼差しで森の奥を睨んでいた。
おそらく風を読んで気配を感じ取っているのだろう。
俺も森の中を警戒しながら身構えた。
暗器を出したままである。
──に、しても。
また、冒険者だろうか?
それともモンスターが迷い混んできたのかな?
洞窟ハウス前に緊張感が走った。
だが、森の中から歩み出てきたのは、農夫風の村人だった。
貧乏そうな身なりでバーコード頭のじいさんだ。
『なんだ、このじいさん?』
「気配は一人だ。他には居ないぞ」
老人は洞窟ハウス前の庭に踏み込むと、俺たちに恐る恐る話し掛けてきた。
「す、すまぬが、ここに傀儡の魔女様が住んでいると聞いてきたのじゃが……」
なるほどね。
グフザクが約束を果たしているのだろう。
俺はクレアを指差しながら答える。
『傀儡の魔女は彼女だ。二代目だけどね』
老人は肩に下げていた鞄から紙袋を出すと、それをこちらに差し出しながら言う。
「これは我が家で育てている豚から作ったベーコンですだ。これと傷薬を交換してもらえませんかのぉ……」
『物々交換かよ』
するとクレアが言う。
「傷薬が欲しいのか。何故だ?」
老人は怯えながらも答えた。
「孫息子が馬に牽かれて足の骨を折りましてのぉ……」
「いつの話だ?」
「昨日の話でございます……」
「熱は出ているか?」
「はい、出ていますだ……」
「少し待っておれ」
そして、クレアが踵を返して洞窟ハウスに戻って行った。
俺はクレアの後ろに続いて訊いてみる。
『どうする。薬をくれてやるのか?』
「いや、村まで出向く」
『えっ、本当か?』
「貴様も私の護衛について来い。だからローブを纏い姿を隠せ。ゴーレムだと知れたら五月蝿いからな」
『了解だ……。でもお前は?』
ゴーレムの姿が怖がられるのは理解出来るが、同じようにダークエルフもヤバいだろう。
「私は隠蔽魔法で姿を変える」
『隠蔽魔法って便利だな……。ズルい』
俺がフード付きのローブを頭から被るとクレアが皮の鞄を俺に投げてきた。
「診察道具だ。荷物持ちを頼んだぞ」
『診察するのか?』
「子供が足を骨折しているのだ。場合によっては切断しないとならないかも知れない。早く処置しないと命が危ないかも知れないのだぞ」
俺が居た前の世界では、足を折ったぐらいでは、なかなか人は死なない。
それは抗生物質が発達しているからだ。
でも、抗生物質が開発されるまえは、少しの切り傷や骨折で人が死ぬケースは珍しくなかったと聞く。
この異世界では抗生物質なんていう万能薬はないのだろう。
足を骨折しただけで、ほっとけば人は死ぬのだ。
それが子供であれば尚の事ながら危険である。
クレアが洞窟ハウスを出る前に爪先をコンコンと岩の床に突く。
その音は木材の硬い音だった。
義足の音だ。
クレアが言う。
「子供なのに、足を失い自由にかけっこも出来なくなったら可哀想だろ。さあ、急ぐぞアナベル」
クレアは洞窟ハウスを飛び出して行った。
『なるほどね~』
クレアも子供のころは、かけっこで遊びたかったんだろう。
『いつもは冷たい氷の美女だが、本当はおっぱいのように温かい女なんだろうな~』
そして、パンを焼きながら待っている時間を椅子に腰掛けながら破けたメイド服を裁縫で縫い合わせている。
『服は魔法で直せないのね』
「私にも不得意な魔法があってな」
そんなクレアを余所に俺はステータススクロールでスキルをチェックしてみる。
『うむ、成長しているスキルがあるぞ』
俺はログを見た。
──────────
喧嘩技Lv2がLv3に上昇しました。
掴取技Lv1がLv2に上昇しました。
握力強化Lv2がLv3に上昇しました。
傀儡魔法Lv1がLv2に上昇しました。
新スキル、拳闘技Lv1、蹴闘技Lv1、投闘技Lv1、防御技Lv1を習得しました。
──────────
なんか幾つか新スキルも覚えてやがるぞ。
でも、ほとんど素手で戦った時のスキルばかりだな。
俺は武道家なのか?
まあ、いいか。
それに握力強化がレベルアップしたから筋力も1増えてるぞ。
筋力18が19になったぜ。
より一層パワフルになりましたがな。
あと傀儡魔法のレベルも上がってるぜ。
これはラッキーかな。
さて、残りのボーナスポイントは~。
ログ確認~。
──────────
冒険者を倒して15点獲得。
冒険者を倒して15点獲得。
冒険者を倒して10点獲得。
ボーナスポイントで掴取技Lv1を獲得しました。
冒険者を倒して20点獲得。
ミッション、冒険者を撃破しろを完了。ボーナスポイント100点を獲得。
──────────
なるほど、なるほど~。
これでボーナスポイントの残高は124ポイントか~。
このポイントは何かあった時のために貯金しておくかな。
『さてさて、俺は外で壊された畑の柵を直してくるからさ』
「ああ、分かった、アナベル」
俺は大工道具を抱えて外に出た。
そんな感じで今日も日が暮れる。
それから何事もなく一週間ぐらいが過ぎた。
俺が畑に水を暮れているとクレアが洞窟ハウスから出てくる。
「なあ、アナベル。ちょっといいか」
『なんだ、クレア?』
俺がクレアの側に近寄ると、クレアは俺の左肩をいじくりだした。
『な、なんだよ?』
「ちょっと腕を外すぞ」
『えっ、外すの?』
そう言うとクレアは呪文を唱えながら俺の左肩を外した。
『取り外しが出来るのかよ』
「ちょっとこの腕を代わりに付けてみないか」
そう言ってクレアが出したのは、外した腕と見立ては変わらない木製の腕だった。
その腕を俺の了解を聞かないうちに装着する。
「どうだ?」
『どうだって……』
俺は右手を眼前でグウパーグウパーと繰り返した。
なんの変化もない。
動きやすいわけでもないし、パワフルになった感覚もない。
何も変わらないとしか言えなかった。
クレアが言う。
「前に戦った時に貴様は素手だったからな。少し不憫に思えてな」
『不憫……?』
確かにクレアが見ている時には武器を使った事がないっけな~。
「その腕には暗器が仕込んである。武器を出すと念じてみろ。それだけで暗器が飛び出るぞ」
『どれどれ~』
俺は早速念じてみた。
すると左腕の尺骨部分から刃物が斜めに飛び出した。
それは手首の下辺りを軸に折り畳みナイフのように伸び出る。
長さ20センチぐらいの緩やかに湾曲したブレードだ。
そして肩からも三本の鍵積めのような短い刃物が飛び出していた。
刃物の長さは5センチ程度だが三本並んでいる。
俺は腕から伸び出た刃物を眺めながら呟く。
『これは、バ○ー・リスキニハーデン・セイバー……』
「骨の代わりに鉄骨を内蔵して固定している。──どうだ?」
俺は畑の柵に近付くと、左腕を振るった。
すると10センチほどの木の柵がスパりと斬れる。
『すげ~、凄い切れ味だな……』
「魔法で鍛えた刃物だからな」
『マジックアイテムなのか』
俺は切断した木の柵を凝視した。
切断面は鮮やかだ。
そこからも相当の切れ味なんだと分かる。
そして、今度は『武器よ仕舞え』と念じると、それだけで暗器は折り畳まれて腕の中に消えた。
『これ、いいね~』
「古代のゴーレムで暗器を内蔵しているゴーレムが要るのだが、思考を持たないゴーレムがどうやって暗器を出し入れしているのかが不明でな。マリアンヌ様も悩んでいた疑問だ。やはり貴様には思考があるから暗器が使えるようだな」
『おまえ、俺で実験していないか?』
「そのための貴様だ。何か問題でもあるのか?」
『いえ、ありません……』
「まあ、これは手始めだ。これからまだまだいろいろな仕掛けを作って行くぞ」
『はい、わかりましたよ~だ』
俺は言いながら暗器の出し入れを繰り返した。
それにしてもスムーズに動く刃だな。
俺が暗器で遊んでいると、クレアが声色を変えて言った。
「アナベル、誰か来るぞ……」
『えっ……?』
クレアは真剣な眼差しで森の奥を睨んでいた。
おそらく風を読んで気配を感じ取っているのだろう。
俺も森の中を警戒しながら身構えた。
暗器を出したままである。
──に、しても。
また、冒険者だろうか?
それともモンスターが迷い混んできたのかな?
洞窟ハウス前に緊張感が走った。
だが、森の中から歩み出てきたのは、農夫風の村人だった。
貧乏そうな身なりでバーコード頭のじいさんだ。
『なんだ、このじいさん?』
「気配は一人だ。他には居ないぞ」
老人は洞窟ハウス前の庭に踏み込むと、俺たちに恐る恐る話し掛けてきた。
「す、すまぬが、ここに傀儡の魔女様が住んでいると聞いてきたのじゃが……」
なるほどね。
グフザクが約束を果たしているのだろう。
俺はクレアを指差しながら答える。
『傀儡の魔女は彼女だ。二代目だけどね』
老人は肩に下げていた鞄から紙袋を出すと、それをこちらに差し出しながら言う。
「これは我が家で育てている豚から作ったベーコンですだ。これと傷薬を交換してもらえませんかのぉ……」
『物々交換かよ』
するとクレアが言う。
「傷薬が欲しいのか。何故だ?」
老人は怯えながらも答えた。
「孫息子が馬に牽かれて足の骨を折りましてのぉ……」
「いつの話だ?」
「昨日の話でございます……」
「熱は出ているか?」
「はい、出ていますだ……」
「少し待っておれ」
そして、クレアが踵を返して洞窟ハウスに戻って行った。
俺はクレアの後ろに続いて訊いてみる。
『どうする。薬をくれてやるのか?』
「いや、村まで出向く」
『えっ、本当か?』
「貴様も私の護衛について来い。だからローブを纏い姿を隠せ。ゴーレムだと知れたら五月蝿いからな」
『了解だ……。でもお前は?』
ゴーレムの姿が怖がられるのは理解出来るが、同じようにダークエルフもヤバいだろう。
「私は隠蔽魔法で姿を変える」
『隠蔽魔法って便利だな……。ズルい』
俺がフード付きのローブを頭から被るとクレアが皮の鞄を俺に投げてきた。
「診察道具だ。荷物持ちを頼んだぞ」
『診察するのか?』
「子供が足を骨折しているのだ。場合によっては切断しないとならないかも知れない。早く処置しないと命が危ないかも知れないのだぞ」
俺が居た前の世界では、足を折ったぐらいでは、なかなか人は死なない。
それは抗生物質が発達しているからだ。
でも、抗生物質が開発されるまえは、少しの切り傷や骨折で人が死ぬケースは珍しくなかったと聞く。
この異世界では抗生物質なんていう万能薬はないのだろう。
足を骨折しただけで、ほっとけば人は死ぬのだ。
それが子供であれば尚の事ながら危険である。
クレアが洞窟ハウスを出る前に爪先をコンコンと岩の床に突く。
その音は木材の硬い音だった。
義足の音だ。
クレアが言う。
「子供なのに、足を失い自由にかけっこも出来なくなったら可哀想だろ。さあ、急ぐぞアナベル」
クレアは洞窟ハウスを飛び出して行った。
『なるほどね~』
クレアも子供のころは、かけっこで遊びたかったんだろう。
『いつもは冷たい氷の美女だが、本当はおっぱいのように温かい女なんだろうな~』
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