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【変態ゴレてん】変態少年が異世界に転生してゴーレムになったから魔改造を施したけれど変態は治りませんでした。追伸、ゴーレムでも変態でも女の子にモテたいです。

ヒィッツカラルド

第22話【夜明の朝日】

俺は倒した冒険者五人を引き摺ってきて、庭の木にロープで全員を縛り付けた。

五人は全員気絶している。

『これで良しっと~』

俺は手を叩きながら振り返った。

すると洞窟ハウスの前にクレアが立っている。

だが、しかし、クレアはグフザクに破かれた衣類を着替えていた。

もう既に重々しい両胸を抱えてもいない。

『あ、あれれ、クレアさん、着替えてきたの……』

クレアは当然のように答えた。

「ああ、はだけたところに夜風が当たると寒かったからな」

『じゃあ、ブラは……』

「紐が切れてたから、替えてきたぞ」

『じゃあ、ご褒美は……』

「なんの話だ?」

クレアが首を傾げた。

それと同時に俺の膝が崩れ落ちる。

俺は地面を叩きながら悔しさを口に出した。

『せっかく勝ったのに、なんでだ、なんでだよ!!』

お預けなのか!?

お預けですか!?

「それよりアナベル。そいつらの体をチェックしろ。武器を隠しているかも知れないからな」

不貞腐れた俺はクレアに反抗した。

『嫌だ!』

「何故だ?」

『勝ったご褒美に好きなブラを選んで付けさせてくれるって言ったじゃんか!!』

俺が駄々っ子のように不貞腐れるとクレアが冒険者たちのほうに歩み寄る。

そして気絶している冒険者たちの懐を漁りながら俺に言った。

「仕方無いヤツだな。ならば好きなブラを選ぶが良い」

『えっ、本当に!!』

「ただし、一着だけだぞ」

『本当に本当か!?』

「好きなだけ自分で着こなせばいいぞ。貴様に私のブラが合うか合わないかは知らんがな」

『えっ……、俺がブラを装着するのかよ!!』

「んん?」

クレアが不思議そうな顔で再び首を傾げた。

この天然ボケ女は、また何か勘違いしてやがるな……。

何故に俺がブラを装着せんとならないのだ。

いや──。

『まあ、それもそれでありかな……。俺もブラなんて着けた事ないし』

ブラの装着──。

少しドキドキするな。

何せクレアのデカパイブラだぞ。

それはそれでワクワクするぜ。

俺が妄想に耽っていると冒険者たちの身体チェックをしているクレアが冒険者たちの体から予備の武器を見つけだして奪い取る。

クレアに胸元を漁られた魔法使いが気絶しているのに「あんっ♡」と色っぽく声を漏らした。

『このおっさん、何を感じていやがるんだ……』

俺も想像してみた。

クレアに懐をまさぐられる──。

それはそれでありだな。

優しく丹念にまさぐられたら堪らないだろうさ。

ちょっと羨ましいぞ。

そしてクレアが冒険者から予備武器を回収し終わる。

『それで、クレア。こいつらどうするよ?』

「んん~、そうだな……」

クレアは腕を組んで考え込んだ。

俺はクレアの考えに従うつもりだ。

自分で判断するのも面倒臭い話だしね。

そしてクレアが結論を出す。

「じゃあ、こいつらは殺して埋めるか」

『マジかよ!!』

「冗談だ」

俺はホッと胸を撫で下ろした。

今はゴーレムだが、俺だって人間だ。

無抵抗の同族を殺すのには抵抗がある。

それにこいつらは善人なのか悪人なのかも分からない。

まあ、死んだほうが世のためになるような悪党ならば殺すけれどね。

俺とて、そこまで甘ちゃんじゃない。

木に縛られた冒険者たちを見下ろしながらクレアが言う。

「まあ、話ぐらいは聞いてやろうじゃあないか。こいつらは私たちが野盗だと思ってやって来たのだ。誤解が解ければ話し合いも成立するだろう」

『うんだな~』

クレアが踵を返す。

「まあ、話は明日だ。明るくなってからするぞ」

そう言ってクレアは洞窟ハウスに入っていった。

家の中から声が飛んでくる。

「アナベル。朝までそいつらの見張りを頼むぞ。私は寝るから」

『了解~』

俺は返事をすると冒険者たちの前に胡座をかいて座った。

そして、自分の体にアーティファクトリペアの魔法を施す。

俺の掌が魔法の効果で淡く輝いた。

小さな傷を消すのに時間はかからなかったが、ウォーハンマーで傷付いた罅割れを直すのにはかなりの時間が掛かってしまう。

これがクレアの魔法ならば一瞬なのだろう。

でも、クレアが俺の傷を知りながらも治して行かなかったのは、自分で自分を治して魔法を鍛えろってことなのだろうさ。

彼女は優しいな。

いつも俺のことをちゃんと考えて行動してくれる。

うんうん、これは愛だ。

絶対に愛情だな。

『うふっ♡』

兎に角、魔法の熟練度を訓練で上げるしかない。

なので俺は見張りをしながら朝までダラダラと魔法で自分の体を癒した。

『んん~、癒す……。違うな。修理が正しいのかな?』

治す、ではなく、直すが正しいのか?

やがて森の遠くに見えてた山のてっぺんから朝日が昇ってきた。

夜明けである。

『ああ、朝だ……』

何時間過ぎたか分からないが、俺の傷もだいぶ直っていた。

木に縛られている冒険者たちも順々に目を覚ました。

冒険者たちは気絶から目を覚ますと、自分が拘束されていることに最初は驚くが直ぐに状況判断が出来たのか大人しくなる。

全員が縛られているっていう現実から諦めが付いたのだろう。

それに俺も『殺しはしないから、しばらく大人しくしていてね』っと伝えると、彼らも諦めて大人しく待ってくれていた。

あとはクレアが起きてくるのを待つのみだ。

そして、縛られているグフザクが俺に訊いてきた。

「なあ、ゴーレム……」

『アナベルだ』

「じゃあ、アナベル」

『なんだよ、リーゼント?』

「グフザクだ」

『じゃあ、なんだよ、グフザク?』

「俺たちを倒したあとに、ダークエルフの彼女に、ブラを装着してやったのか……」

他の四人が何を言い出すのかと言う目で仲間と俺を見ていた。

俺は俯きながら答える。

『それがあの女、俺たちが必死に戦っている間に着替えてきやがってよ……』

「な、なんだよ、それ……。俺たちの戦いをなんだと思ってやがるんだ。俺たちはブラのために戦ったんだぞ!!」

『ひでぇ話だろ……』

「酷いな……」

他の四人がコソコソと話す。

「俺たちはブラのために戦ったのか……?」

「違うだろ……」

俺は他の連中の言葉を無視して爽やかに述べた。

『でも、後で彼女のブラから好きなブラを選んで俺が自分に装着していいって約束してくれたんだぜ。ドッキドキだろ~』

「マジでっ……」

羨ましそうに驚いているのはグフザクだけだった。

残りの冒険者たち四人は冷めた眼差しで俺を見ている。

その眼差しから「キモい」って言葉がはっきりと感じ取られた。

おそらく俺の気のせいではないだろう。

グフザクとは友達になれそうだけど、残りの連中とは無理だな。



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