【変態ゴレてん】変態少年が異世界に転生してゴーレムになったから魔改造を施したけれど変態は治りませんでした。追伸、ゴーレムでも変態でも女の子にモテたいです。
第8話【秘密の基地】
『なあ、クレア。秘密基地とやらはまだか?』
「もう少しよ」
「さっきから、そればかりだな』
俺が振り返ると森の向こうで空が赤く揺らいでいた。
崩れたマリアンヌの館が派手に燃えているんだな。
確かにあれだけ派手に燃えていれば、村人だって見に来るだろうさ。
そこで、『あっ、ゴーレムだ!」とか「ダークエルフだ!!」って騒ぎになるのを避けるために俺たちはクレアの秘密基地に向かっているのだ。
まあ、モンスターの定めだね。
本当は人間なのにさ……。
それにしてもクレアの歩みが遅くなってる。
荷物が重たくって疲れてきたのかな。
森の中だし、足場も悪いしね。
『なあ、クレア』
「なに……?」
クレアは振り返らず、歩みも止めずに返答を返した。
『重いなら、荷物を持とうか?』
『えっ……』
クレアが足を止めた。
意外な言葉だったのか、振り返ってから俺の顔を見詰める。
『ほら、俺ってば、体力無限じゃん、筋力も18だしさ。荷物は俺が持つよ』
「いいのか?」
『いいぞ』
クレアはバックパックを下ろす。
そして、近くに横倒しになった樹木に腰かけた。
「少し休憩もいいか。足が疲れてな……」
俺はバックパックを背負いながら言う。
『そんなに疲れたのか?』
木に腰かけたクレアはメイド服のロングスカートを捲って足を擦りだす。
おおっ、しなやかな細い足だな!!
『あれっ……』
俺はクレアの足に異変を見付けた。
それは、クレアが擦っている右足が膝下から木製なのだ。
『義足、なのか……?』
クレアは義足の繋ぎ目を擦りながら言う。
「私は150年程前の戦争で、産まれたばかりで両親を喪い、孤児だったのをマリアンヌ様に拾われて、弟子としてそだったの。その時から右足は義足よ」
『事故か、病気か?』
「知らないわ。マリアンヌ様に拾われた時には片足がなかったって話なの。だから、私にはゴーレムの技術をマリアンヌ様から学んで義足を維持するしかなかったのよ。体の成長に合わせて義足も交換しないといけなかったからね」
『そうなんだ……』
「だから、あんまり長いこと歩いたり走ったりしていると、義足の付け根が地肌と擦れて痛くなるのよ」
俺はバックパックを下ろすとしゃがんでから言った。
『おぶってやるぞ』
俺は少し照れ臭そうに言った。
するとクレアが立ち上がる。
「ありがとう、アナベル。それじゃあ……」
そう述べるとクレアが俺に近付いて来た。
これは、マジかっ!!
おんぶで密着だ!!
即ち、俺は背中でクレアのオッパイと接触するのだ!!
あっ!!
忘れてた!!
俺は感触無効なんだ!!
ここはボーナスポイントを使って感触追加を取っちまうか!!
そんな感じで俺がハラハラしていると、クレアが俺の肩に股がった。
「えっ、なんで?」
そのまま俺の首を足で挟むように股がり肩車の体勢になる。
『なにっ、そっちか。肩車なのか!!』
「えっ、何か可笑しいか?」
『可笑しいけれど、これはこれで有りだ!!』
俺はこっそり念じた。
感触追加スキルを取ります!!
【感触追加を習得しました】
アナウンスも入るのかよ。
そして、俺の首筋に温かい感触が甦ってきた。
これが、クレアの温もり!!
これが、女性の秘密の温もりか!!
なけなしのボーナスポイントを浪費して獲得したかいがあったってもんだぜ!!
超感激だ!!
超感触だ!!
超極楽だ!!
そのままクレアを肩車したまま俺は森を進んだ。
「こら、アナベル。枝に気をつけろ」
『ああ、ごめんごめん』
俺はゆっくり進んだ。
この天国を堪能するために──。
少しでも長く堪能するために、俺はゆっくり歩いた。
すると坂道で唐突にクレアが言った。
「アナベル、到着したわよ。おろしてちょうだい」
『えっ?』
そこは何もない森の中である。
見えるのは緩やかな斜面に繁る木々や草木だけだった。
『ここが秘密基地なのか?』
「いいから下ろして」
『いや、下ろさない』
「何故……?」
だってまだまだ天国の温かさを堪能したいんだもの。
俺は駄々を捏ねる。
『秘密基地はどこだ。秘密基地を見るまで下ろさないからな』
「分かったわよ」
俺に肩車されたクレアが呪文を唱え始める。
クレアは俺の頭の上で、何やらぶつくさと呪文を唱えていた。
すると、眼前の坂に繁っていた草木がモコモコと動物のように動き出した。
そして、草木が退くと、斜面に古びた木製の扉がひとつ現れる。
『本当にあったんだ……』
「ここが秘密基地の入り口よ。さあ、下ろしてちょうだい」
仕方ないので俺はクレアを下ろしてやった。
名残惜しい……。
そして、クレアは扉に近付くと鍵を開けた。
ガチャリと鍵の音が鳴る。
「マリアンヌ様が屋敷を隠すのに使っていた結界魔法よりはレベルが低いけれど、森の中ですもの、隠蔽魔法でも、そうそう見付からないわ」
『隠蔽魔法か……。なるほどね……』
魔法にもいろいろあるんだな。
『さあ、入りましょう」
そう言い残すとクレアは扉を開いて中に入って行った。
俺が扉の奥を覗き込むと、薄暗い階段だった。
木で作られた粗末な階段だ。
壁も天井も土が剥き出しだった。
所々植物の根っ子が生え出ている。
『穴熊の巣だな、まるで』
『文句を言わないで、兎に角入ってよ」
俺はクレアに続いて階段を下りようとした。
その時である。
俺の背後で音が鳴った。
誰かが枯れ枝を踏み折る音だった。
『誰か居る……』
俺は振り返ると森の闇を見回した。
人影が何体か居る。
引き返したクレアが戻ってきて言う。
『追い付かれたわ……。私の歩みが遅かったからね……」
『村人に追い付かれたのか?』
「村人じゃあないわよ」
『じゃあ、何さ?』
「マリオネットゴーストよ。この森の亡霊ね」
「もう少しよ」
「さっきから、そればかりだな』
俺が振り返ると森の向こうで空が赤く揺らいでいた。
崩れたマリアンヌの館が派手に燃えているんだな。
確かにあれだけ派手に燃えていれば、村人だって見に来るだろうさ。
そこで、『あっ、ゴーレムだ!」とか「ダークエルフだ!!」って騒ぎになるのを避けるために俺たちはクレアの秘密基地に向かっているのだ。
まあ、モンスターの定めだね。
本当は人間なのにさ……。
それにしてもクレアの歩みが遅くなってる。
荷物が重たくって疲れてきたのかな。
森の中だし、足場も悪いしね。
『なあ、クレア』
「なに……?」
クレアは振り返らず、歩みも止めずに返答を返した。
『重いなら、荷物を持とうか?』
『えっ……』
クレアが足を止めた。
意外な言葉だったのか、振り返ってから俺の顔を見詰める。
『ほら、俺ってば、体力無限じゃん、筋力も18だしさ。荷物は俺が持つよ』
「いいのか?」
『いいぞ』
クレアはバックパックを下ろす。
そして、近くに横倒しになった樹木に腰かけた。
「少し休憩もいいか。足が疲れてな……」
俺はバックパックを背負いながら言う。
『そんなに疲れたのか?』
木に腰かけたクレアはメイド服のロングスカートを捲って足を擦りだす。
おおっ、しなやかな細い足だな!!
『あれっ……』
俺はクレアの足に異変を見付けた。
それは、クレアが擦っている右足が膝下から木製なのだ。
『義足、なのか……?』
クレアは義足の繋ぎ目を擦りながら言う。
「私は150年程前の戦争で、産まれたばかりで両親を喪い、孤児だったのをマリアンヌ様に拾われて、弟子としてそだったの。その時から右足は義足よ」
『事故か、病気か?』
「知らないわ。マリアンヌ様に拾われた時には片足がなかったって話なの。だから、私にはゴーレムの技術をマリアンヌ様から学んで義足を維持するしかなかったのよ。体の成長に合わせて義足も交換しないといけなかったからね」
『そうなんだ……』
「だから、あんまり長いこと歩いたり走ったりしていると、義足の付け根が地肌と擦れて痛くなるのよ」
俺はバックパックを下ろすとしゃがんでから言った。
『おぶってやるぞ』
俺は少し照れ臭そうに言った。
するとクレアが立ち上がる。
「ありがとう、アナベル。それじゃあ……」
そう述べるとクレアが俺に近付いて来た。
これは、マジかっ!!
おんぶで密着だ!!
即ち、俺は背中でクレアのオッパイと接触するのだ!!
あっ!!
忘れてた!!
俺は感触無効なんだ!!
ここはボーナスポイントを使って感触追加を取っちまうか!!
そんな感じで俺がハラハラしていると、クレアが俺の肩に股がった。
「えっ、なんで?」
そのまま俺の首を足で挟むように股がり肩車の体勢になる。
『なにっ、そっちか。肩車なのか!!』
「えっ、何か可笑しいか?」
『可笑しいけれど、これはこれで有りだ!!』
俺はこっそり念じた。
感触追加スキルを取ります!!
【感触追加を習得しました】
アナウンスも入るのかよ。
そして、俺の首筋に温かい感触が甦ってきた。
これが、クレアの温もり!!
これが、女性の秘密の温もりか!!
なけなしのボーナスポイントを浪費して獲得したかいがあったってもんだぜ!!
超感激だ!!
超感触だ!!
超極楽だ!!
そのままクレアを肩車したまま俺は森を進んだ。
「こら、アナベル。枝に気をつけろ」
『ああ、ごめんごめん』
俺はゆっくり進んだ。
この天国を堪能するために──。
少しでも長く堪能するために、俺はゆっくり歩いた。
すると坂道で唐突にクレアが言った。
「アナベル、到着したわよ。おろしてちょうだい」
『えっ?』
そこは何もない森の中である。
見えるのは緩やかな斜面に繁る木々や草木だけだった。
『ここが秘密基地なのか?』
「いいから下ろして」
『いや、下ろさない』
「何故……?」
だってまだまだ天国の温かさを堪能したいんだもの。
俺は駄々を捏ねる。
『秘密基地はどこだ。秘密基地を見るまで下ろさないからな』
「分かったわよ」
俺に肩車されたクレアが呪文を唱え始める。
クレアは俺の頭の上で、何やらぶつくさと呪文を唱えていた。
すると、眼前の坂に繁っていた草木がモコモコと動物のように動き出した。
そして、草木が退くと、斜面に古びた木製の扉がひとつ現れる。
『本当にあったんだ……』
「ここが秘密基地の入り口よ。さあ、下ろしてちょうだい」
仕方ないので俺はクレアを下ろしてやった。
名残惜しい……。
そして、クレアは扉に近付くと鍵を開けた。
ガチャリと鍵の音が鳴る。
「マリアンヌ様が屋敷を隠すのに使っていた結界魔法よりはレベルが低いけれど、森の中ですもの、隠蔽魔法でも、そうそう見付からないわ」
『隠蔽魔法か……。なるほどね……』
魔法にもいろいろあるんだな。
『さあ、入りましょう」
そう言い残すとクレアは扉を開いて中に入って行った。
俺が扉の奥を覗き込むと、薄暗い階段だった。
木で作られた粗末な階段だ。
壁も天井も土が剥き出しだった。
所々植物の根っ子が生え出ている。
『穴熊の巣だな、まるで』
『文句を言わないで、兎に角入ってよ」
俺はクレアに続いて階段を下りようとした。
その時である。
俺の背後で音が鳴った。
誰かが枯れ枝を踏み折る音だった。
『誰か居る……』
俺は振り返ると森の闇を見回した。
人影が何体か居る。
引き返したクレアが戻ってきて言う。
『追い付かれたわ……。私の歩みが遅かったからね……」
『村人に追い付かれたのか?』
「村人じゃあないわよ」
『じゃあ、何さ?』
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