私の世界がなんだかとてもおかしい?件

sono

百三十七話

「鳴宮百合子!あんたの冷却放射攻撃見切って見せるわよ!!」

雲雀は偉そうに胸を反らして言った。

「そこまで言うなら凍らせてあげるからね!後で命乞いしても聞かないわよ!」

鳴宮百合子は雲雀のいる辺りを凝視した。そこにどんなものでも凍らせる冷却放射攻撃を打ち出すのだろう。

雲雀はいつの間にか生えた銀色に輝く翼を広げ、横に飛び、回避した。

雲雀は凍ることもなく、何事もなかったように優雅に着地した。

「体内の生態回路を回し、銀色の翼をまた生やしたの!地面を這いつくばる虫のような他のアンドロイドには、できない芸当でしょ?」

雲雀は顎を上げ、百合子を見下したように言った。側で半分凍りついている晃穂にも、チラリと一瞥する。

優越感に浸っているのだろう、ふふんと鼻で笑った。

「私の冷却放射攻撃を避けるとはやるわね。でも、あなた勘違いしてるわ。私の冷却放射攻撃が直線的な攻撃だと思ってるでしょ?これならどう?」

百合子はまた、雲雀のいる辺りを凝視した。雲雀もまた予測して横に避ける。

だが、雲雀の銀色に輝く翼が、凍りつきより一層白く輝き羽ばたきを止めてしまった。

たまらず、床に落ちてしまう雲雀。翼が動きを止めたため、飛べなくなったのだ。

「ぐぬぬ、こんなはずでは…」

「私の冷却放射攻撃は読んで字のごとく、放射攻撃よ。飛んで避けても避けきれるものではないわ。飛べないアンドロイドはただのアンドロイドよ。観念しなさい…!」

床に這いつくばり、動けない雲雀に百合子は容赦なく言った。

「さっきあなたはこう言ったわね。地面に這いつくばる虫のようなアンドロイドって。今のあなたがまさにそれじゃない!まさにこれを滑稽と呼ばずになんと言えばいいの!?」

鳴宮百合子はそう言うと、高らかにおほほほほと笑った。

「悔しいーーーーーー!!確かにその通りだから余計に悔しいーーーーーー!!」

雲雀は床に転がり、頭を抱えて叫んだ。

「あなたたちみたいな出来損ないのアンドロイドが何人束になっても、私に勝ち目はないわ!よく覚えておくことね!」

鳴宮百合子は口元に手を置き、また高らかに笑った。彼女は今まで椅子から立ち上がってもいない。

晃穂と雲雀は、百合子に勝てるのだろうか?

「私の世界がなんだかとてもおかしい?件」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「SF」の人気作品

コメント

コメントを書く