私の世界がなんだかとてもおかしい?件

sono

百二十六話

ついにスマートブレーン社が見えてきた。

100メートル以上あるものすごい大きいインテリジェンスビルディングだ。

「うひゃぁぁぁっぁ、でっかいビルディングですなぁ!?」

「まさかあんなに大きいとは…!?松子ちゃんはどこに…?」

あまりのでかさに、吃驚仰天する二人。

「アンドロイド脳内生体反応スキャンするであります!松子ちゃんは人間だから生体反応が赤のパターンで出るであります!」

そう言うと、晃穂はビル内をくまなく生体反応スキャンし始めた。

澤口松子は人間のはずだから、体熱反応が赤く出るはずだった。ちなみにアンドロイドは大部分が金属なので青く反応する。サイボーグは金属の部分が青、生身の人間の部分は赤で反応するのだ。

しかし、全部赤く反応する個体は見受けられなかった。

多半数は青く反応するアンドロイドばかりだった。残りは青と赤で反応する個体、サイボーグだろう。

スマートブレーン社の社員は生身の人間が全く存在しないのであった。

「おかしいでありますなぁ?生身の人間の反応が全くないであります…?」

「あんたのその機能、ぶっ壊れてるんじゃないの?」

「そんなわけはないであります…」

晃穂は疑問に思った。壊れていればエラー表示が出るはずだ。晃穂の人工眼球を通してだが。


「まぁ、考えていてもしょうがないであります。このままガラスを突き破って、攻め込むであります!」

「攻め込むってどのあたりから行くの!?本当に考えなしの猪突猛進豚野郎なんだから!!」

あまりの言われようにたじろぐ晃穂。

「豚でも野郎でもないでありますよ!?」

「猪突猛進は認めるんだ?って言うか、あんたの腹かなりブヨブヨよ?」

ハッとして、自分の腹の肉をつまんで見る晃穂。確かにお腹の肉がかなりつまめる。

「ほら!やっぱりあんたの腹ブヨブヨじゃない!豚晃穂!!」

「豚じゃないでありますよぉ〜?雲雀さんはいつもひどいであります!」

雲雀の毒舌に涙ぐむ晃穂。

「あんたとバカ話してたらビルの外壁近くまで飛んできちゃったじゃない!?」

「本当であります!?ものすごい数のアンドロイドがひしめき合ってるフロアがあります!守りが厳重と言うことは人質がいると言うことじゃないですか!?この窓を突き破って行きましょうであります!」

晃穂がとある階層の窓を指差した。

「一応、考えるだけの脳みそはついてるのね、あんた」

「一応は余計であります…」

雲雀が呆れ顔で言った。晃穂も苦笑いで返すしかなかった。

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