私の世界がなんだかとてもおかしい?件

sono

百二十一話

「ふへへ!なかなかの上玉じゃねぇか…!!」

「姐さんからお許しもでたし、この女どうしてくれようか!?」

ドクターマリの元にアイドルテロリストのマリア・タチバナの親衛隊がにじり寄ってくる。

「きゃーーーーーーーーー!!こ、来ないで…!」

「ひひひ、かわいい悲鳴だな!興奮してしまうぜ!」

ドクターマリの悲鳴は、マリア・タチバナの親衛隊の興奮を煽るだけであった…。

「待てい!悪党どもよ!ドクターマリには指一本触れさせないでござるよ!」

マリア・タチバナの親衛隊の前に立ちはだかったのは、なんとフィギュア屋さんの店員さんだった。

「なんだこのキモオタデブ、今俺らのことなんて言った?」

「悪党どもと言ったでござるよ?アイドルテロリストの手先なんだから悪党どもでござるな?」

マリア・タチバナの親衛隊の問いに、平然と答える店員さん。

「俺たちが悪党だと!?俺たちは選ばれた戦士なんだよ!てめぇ!ぶっ殺してやる!」

親衛隊たちが、店員さんに襲い掛かる!

店員さんはその時不思議な踊りを踊った!

腰を低くし、手足を大きく振り、左右に大きく緩やかなステップを踏んでいる。

サンバのステップに酷似していた。

「なんだ?その変な踊りは?オタ芸か?構わねぇ!やっちまおうぜ!」

数人の親衛隊が、店員さん目掛け殺到した。

店員さんは道路に手を突き、逆立ちの要領で足を大きく天に向け振りかぶった。

そのまま親衛隊の後頭部に足を振り下ろす!

後頭部をしたたかに打った、親衛隊は倒れこみそのまま動かなかった。

振り下ろした足をまた振りかぶり、目にも止まらぬスピードで横薙ぎに足を払った。

横にいた親衛隊の側頭部にクリーンヒットし、その親衛隊も倒れ、動かなくなった。

「なんだ、あいつ、めちゃくちゃ強いぞ!?しかもなんなんだあの動きは!?」

親衛隊達が恐れ慄き、後ずさりを始めた。

「某のファイティングスタイルはカポエイラでござるよ!オタ芸からブレイクダンスを習得し、似た要素のあるカポエイラも習得したでござるよ!」

「すごい!店員さん!ただのキモオタデブじゃなかったのね!尊敬しちゃう!」

ドクターマリが店員さんを褒めてるのか貶してるのかわからない褒め方をした。

「助けてもらったついでに、これを沖田さんに渡してくれないかしら?」

ドクターマリから手渡されたのは、一本の日本刀だった。

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