私の世界がなんだかとてもおかしい?件

sono

百二十話

「じゃぁ、今度はこちらから行こうか!!沖田、お前を煉獄の炎で焼き尽くしてやるぜ!」

アイドルテロリストのマリア・タチバナは沖田司の腕を掴み、力を入れた。

「普通のサイボーグは機械の熱を冷却する装置があるが、俺の体は敢えてそれを付けてないぜ。俺の体に触れた者は俺の体の熱で燃え尽きてしまうんだぜ!!」

マリア・タチバナがそう言うと、沖田の真撰組の羽織が突然発火した。

あっという間に燃え尽きる羽織。その熱は沖田の腕をも燃やそうとした。

咄嗟に逃げようとする沖田。だが、マリア・タチバナは沖田の腕を掴み上げ逃がそうとはしなかった。

「ぐあぁぁぁぁ!!」

沖田の腕の人工皮膚が焼け爛れ、あたりに異臭がした。

「ふはははは!!そうだ!その顔、その表情が見たかったんだ!日本に舞い戻って来た甲斐があったぜ!」

マリアが狂気の笑い声を上げた。沖田の苦痛に歪む顔を見ると、心底嬉しそうだ。

「俺の炎は復讐の炎だ。俺の機械の身体を蔑み人間じゃないと言った者への復讐の炎!そして、ターニャを見殺しにした国家への復讐の炎だ!どうだ?熱いだろう?だがターニャが感じた絶望と痛みはこんなものじゃないぜ!」

マリアは沖田の腕を燃やしながら、復讐の怨みを説明した。

「さっきまでの威勢はどうした?沖田よ?熱さで声も出ないか?昔のお前の強さはこんなものじゃなかったぜ?昔のお前は国家権力の犬だったが、戦闘の気概は尊敬に値したぜ!」

苦痛に歪む沖田の耳元で、囁くマリア・タチバナ。

「沖田さん!!そんな奴に負けないで!!」

突然女性の声がした。沖田がそちらを見ると、なんとドクターマリがいた。

ドクターマリの声に反応して、マリア・タチバナの親衛隊がドクターマリを取り囲みつつあった。

「ドクターマリ !?なんでここに!?早く逃げてください!」

沖田がドクターマリを心配して叫んだ。

「あの女はお前の知り合いか?ちょうどいい。親衛隊よ!その女好きにしていいぞ!くくく、沖田どうする?」

「やめてください!彼女は関係ないです!彼女に手を出さないでください!」

ドクターマリに迫るマリア・タチバナ親衛隊の魔の手!どうする沖田司!?

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