私の世界がなんだかとてもおかしい?件

sono

百十七話

「沖田!待たせたな!隊士達を連れてきたぞ!」

土方さんが、隊士達を連れて駆けつけた。

「親衛隊達の相手は任せてください!」

真撰組の羽織を着た隊士達が言った。

真撰組は秋葉原の街を守る自警団だ。その隊士はほとんどが秋葉原商工会等からの志願した若者達である。

いわば、義勇兵だ。

隊士達が、アイドルテロリストの親衛隊に勇敢に立ち向かっていく。

だがしかし、アイドルテロリストの親衛隊は機械の身体のサイボーグが多かった。

生身の人間の真撰組の隊士達では、歯が立たないことが多い。

それに、アイドルテロリスト、マリア・タチバナは親衛隊の殿に位置している。かなり奥まで攻め込まないと沖田はマリア・タチバナまで到達できなかった。

「致し方ありませんね…」

沖田は一歩踏み込むと、神速の突きで側にいる親衛隊を倒した。

「沖田!沖田が攻め込む活路を俺が開いてやる!」

土方さんが大声で怒鳴った。

土方さんは、聞くところによると手足をサイバネティックアーツで改造されたサイボーグであるらしい。

「大丈夫です!自分の活路は自分で開きます!」

沖田も負けじと大声で答えた。

「その意気やよし!しかし俺にも活躍させてくれ!」

そう言うや否や、土方さんは愛刀和泉守兼定を上段に構え、振り下ろした!

遠慮のない太刀筋に親衛隊は肩から腹にかけ、切り裂かれた。

人間の血とは微かに違うオイルを撒き散らし、親衛隊はどっと倒れた。

次の瞬間には、刀を中段に構え横薙ぎに斬り放った。

別の親衛隊は、腹を斬り裂かれ人工臓器が溢れ悶絶した。

土方さんは鬼神の如き強さであった。

「なんだあいつは化け物か!?」

「あんな強いやついるなんて聞いてないぞ!?」

アイドルテロリストの親衛隊達が、蜘蛛の子を散らすように逃げて行く。

沖田も時には直線に時にはジグザグに、刀の突きを放ち親衛隊達を倒して行く。

ついには周りの親衛隊達の数が徐々に減っていった。

だがしかし、親衛隊の減った数は1割にも満たないかもしれなかった。

「どれだけ親衛隊はいるのですかね?」

「さぁな、数えたくもねぇよ…」

いつしか沖田と土方さんは背中合わせに寄り添っていた。

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