私の世界がなんだかとてもおかしい?件

sono

百十六話

沖田司が、秋葉原中央通りに駆け出ると、そこにはアイドルテロリストマリア・タチバナの親衛隊だらけであった…。

「すごい数ですね…」

思わず独り言を言ってしまう沖田。

ものすごい数の群衆が、雄叫びをあげたり鉄パイプなどを振り上げ、今にも暴れだしそうであった。

多分、土方さんが隊士を連れてくるのに、数分かかるだろう。

仮にも真撰組一番隊隊長、自分の活路は自分で切り開かないでどうする?

沖田は自問自答した。

しかし、アンドロイドは人間を傷つけることはできない。アイドルテロリストのマリア親衛隊を倒す術を、沖田は持っていなかった。

『沖田さん聞こえる?私、ドクターマリよ』

突如、脳内にドクターマリの声が響いた。脳内チャットなのだろう。

『アイドルテロリストの親衛隊は大体がサイボーグよ。サイボーグは身体をサイバネティックアーツで改造しているわ。改造された場所は、沖田さん達アンドロイドと同様に機械の身体になっているわ。そこを狙って攻撃すれば対処できるわよ」

アイドルテロリストの親衛隊は改造されて、機械の身体になっているらしい。全身ではないみたいだがそこを狙って攻撃すればいいらしい。

『ドクターマリ、了解です!でも親衛隊たちは、見た目普通の人間にしか見えないのですが』

アイドルテロリスト親衛隊は、見た目普通のアイドルオタクにしか見えなかった。

『沖田さん達アンドロイドの人工眼球には、機械の身体を透視できるのよ。そこを狙えばいいのよ!」

ドクターマリは最後の方は興奮気味で言ったので、声が上ずっていた。

『そんな機能が私の人工眼球にあるとは!?まさに目から鱗ですね!』

沖田も心なしか、興奮気味で言った。


そうこうしてるうちに、沖田に気づいたアイドルテロリスト親衛隊が数人襲いかかってきた。

沖田は相手の身体に集中して、視線を向けると親衛隊達の身体の一部が赤く発光して見えた。

そこを沖田は刀を鞘から抜刀すると、神速の突きで眼にも止まらぬ速さで突いた!

見事親衛隊の機械の身体の部分に当たり、ショートした。親衛隊達はうめき、崩れ落ちた。

「やったか…」

沖田は言葉とは裏腹に、初めて一部が機械の身体とはいえ、人間を傷つけたことに少し慄いた。

しかし、一瞬表情が翳りが差しただけで、また次の瞬間には精悍な表情に戻った。

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