私の世界がなんだかとてもおかしい?件

sono

百十三話

真撰組で晃穂たちが話し込んでいる時より少しだけ遡った時刻、スマートブレーン社でリリーたちも作戦会議をしていた。

「晃穂と沖田、両者はかなり脅威よ。2人一緒に相手するのは避けたいわ」

リリーが眉根を顰めて言った。

「俺は2人一緒に相手しても構わないぜ。何より沖田とは絶対に勝負したい!」

マリアは拳と平手を思い切り合わせた。

「ダメよ!マコちゃんを人質にしたから晃穂は絶対に、こちらに来るわ。マリアあなたは秋葉原に行って、沖田の相手を頼むわよ」

リリーがやる気のマリアを窘める。

「沖田とやりあえるなら、まぁいいが。俺がいなくてもそっちは平気なのかよ?」

「平気よ。晃穂オルタナティブがいるし、それに…いるんでしょ?入って」

リリーは部屋の外に呼びかけた。まだ、誰かいるのだろうか?

「失礼します…」

入って来たのは、瑠美さんだった。

「瑠美さん!?なんでここに!?」

私は思わず瑠美さんに声をかけていた。

「ごきげんよう、松子さん。あら?椅子に縛られてごきげんよろしくはないですか?私が何故ここにいるかですって?それはパパがここの社長になったからですわ」

瑠美さんが誇らしげに言う

「パパって瑠美さんのお父さんはそんなに偉い人なんですか?」

「瑠美を作ったのは四つ星重工の御曹司四津星彰人よ。今は私とこのスマートブレーン社を経営してるわ」

リリーが私の問いに答えた。

「しかし、見たところ、瑠美とやらは戦闘用アンドロイドではないみたいだが?大丈夫なのか?」

マリアが心配そうな顔をしている。

「瑠美は確かに戦闘用アンドロイドではないわ。でも、常人の数倍強いし、それに…」

『失礼します…』

瑠美さんの声が何重にも重なって聞こえた。

なんと、瑠美さんが数人に増えて部屋に入って来た。

「私たち瑠美シリーズは量産体制に入っていますすの。以後お見知りおきを…」

全く同じ姿の瑠美さんが、横一列に並んで優雅にスカートの裾をつまんで会釈した。

全く同じ姿の美少女が、横一列に並んでいるのは美しいと言うより、少し薄気味悪かった。

「なんだよ、数人しかいないじゃないか?頼りにならないな」

マリアが悪態をつく。

「数人どころではないわ。今100人以上量産されてるわよ。彼女たちにはここの警備を頼んでいるわ」

「100人以上もいるのかよ!?なら少しは安心かもな…」

100人以上も瑠美さんがいるのか?いたるところに瑠美さんがいるのを想像して、私は身震いした。

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