私の世界がなんだかとてもおかしい?件

sono

百九話

「あのう、お話中すみませんが、お二人はどう言う関係で?」

私はリリーとマリアにおずおずと、聞いて見た。

「マリアはターニャの親友よ。学生時代からの親友らしいけど、パラリンピックで再会したらしいの」

「そして、ターニャと俺の義足を作ってくれたのが、リリーってわけだ。世話になったが、あまりに速い義足作ってくれたもんで、パラリンピック出場は白紙に。俺は8割機械の体だから政府や実行委員会にお前は人間じゃないとまで言われて、逆上した俺はサイボーグ仲間とテロリストになったわけだ。今思い出してもはらわたが煮えくり返るぜ!」

マリアにはそんな過去があったなんて。人間じゃないとは言いすぎだろう。

「マリアをサイボーグにしたのも私だけどね。いい?マコちゃん、アンドロイドや私たちサイボーグはまだマイノリティーなの。世界の人口からすればすごい少数派よ。そして未知の少数派を多数派の人間たちは叩く風潮があるわ。私はそんな世界許せない。だったら私は少数派を多数派に変える革命を起こしたいの」

少数派を多数派に?リリーの話は少し難しい。

「リリーのやり方は生易しいんじゃねぇか?今いる人間を無理やりサイボーグにするんだろ?そんなんじゃターニャは浮かばれないぜ。ターニャの恨みは暴力で返さないとな!」

マリアはテロリストだけあって、やる気満々だった。

「暴力だけでは何も解決しないわ。私が愛を持ってアンドロイドに改造してあげるの。抵抗ある人もいるだろうけど、後でみんな私に感謝すると思うわ」

テロも怖いが、怪しい電波信号で操られ、勝手にサイボーグに改造されるのもかなり恐怖だろう。

どちらの人物も、私にとっては恐怖の対象でしかなかった。

「怖がらないでマコちゃん。別に私たちはマコちゃんに危害を加えるつもりはないわ。ただオリジナルの晃穂をおびき寄せる人質になってもらいたいの。あと、もう一つ…」

もう一つなんだろう?

「感動のサプライズを用意したわ。ほらこの子見覚えあるでしょ?マリア?」

私を指差し問いかけるリリー。

「さっきから見覚えあると思ったんだよなぁ…?あぁ!?10年前のテロやった時…」

「そう秋葉原の中央通りでマリア、あなたは2人の少女を間違えてテロの巻き添えにしたわね」

マリアはとても済まなそうな顔をしていた。リリーは何か含んでいるような微妙な顔をしていた。

まさか10年前のあの日、雲雀を焼き殺したテロリストがマリアだと言うのか。

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