私の世界がなんだかとてもおかしい?件

sono

百八話

そのとき、ドアが乱暴に開いた。

「おう、呼ばれて来てやったのに迎えもないとはどういうことだよ!」

開かれたドアにはベリーショートの銀髪にサングラスの長身の女性が立っていた。

大層ご立腹なようだった。

「あら?マリアもう日本に着いたの?早かったわね…」

リリーとマリアと呼ばれた女性は知己の仲らしかった。

「!?しかしまた大層な絵面だな…」

私は椅子に縛られたままだった。

「紹介するわ。この子は新しく作ったアンドロイドの晃穂オルタナティブ。椅子に縛られた子は人質のマコちゃん」

人質として紹介されるなんてそうそうないと思う。人生なにがあるかわからない。

「マコ…、松子です。以後お見知りおきを」

私は紹介されたので一応、自己紹介をした。

「マコちゃんかよろしく!俺はアイドルテロリストのマリア・タチバナだ!でもアイドルじゃないからな、そこんとこよろしく!」

この人がアイドルテロリスト…。想像とは違って気さくな人っぽいが、キレたら怖そうな人だった。

「おう、マコちゃん、あんたどこかであった気がするが…。まぁいいか」

マリアがいきなり私の顔を覗き込んで言った。

「いきなりナンパはダメよ。マリア…!」

「ちげぇよ!そんなんじゃねぇよ!ただ結構昔にあったことあるような気がしただけだ」

リリーの勘違いに、照れて本気でキレるマリア。

「それより前に作ったアンドロイドはどうしたんだよ?あれも晃穂とか名前じゃなかったか?」

「前の晃穂は戦闘能力は申し分ないけど、私の言うこと何も聞かないので、デリートしようと思ってるの」

「あんだよ、前には私の作ったアンドロイドは我が子と一緒よ。とか言ってたのに、残酷な親だな」

マリアの問いに冷淡に答えるリリー。やはり晃穂はデリートされるのか。

「でも、晃穂は真撰組に入ってしまったわ。沖田…あなたには零号機と言った方がいいかもだけど。零号機が今所属してる組織よ。ここ秋葉原の自警団だけど零号機と晃穂がいるので侮れないわよ」

「!?零号いるのかよ!またあいつとやりあえるなんて夢のようだな。テンション上がって来たぜ!超法規的処置だかなんだか知らないが、10年外国でくすぶっててつまんなかったところだったんだ」

2人は沖田さんまで知ってるのか?2人の関係が私は気になり始めた。

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