私の世界がなんだかとてもおかしい?件

sono

百四話

私は薄暗い広い部屋で目覚めた。

「あら?お目覚めかな?マコちゃん。よく眠れただろう?ジュースに睡眠薬を入れておいたのさ」

「なんでこんなことを…」

私はまだ眠気が覚めない頭で尋ねた。

「マコちゃんには人質になってもらおうと思ってね。晃穂をおび寄せる餌ってわけさ」

私は椅子に縄で縛られていた。全然動けない。

「晃穂をおび寄せてどうするつもりですか?」

「私の世界征服の計画に参加してもらおうと思ってね。だけど、あの子多分私の計画には参加しないわね。

脳内にいくら信号を送っても全然反応しないんだもの。やっぱりあの子は失敗作だった。デリートすればよかった」

「そんなこと言わないでください!晃穂はいい子なんです!私の大事な人なんです!」

「マコちゃん、そんなこと言って恥ずかしくないの…?」

言われてみればすごい恥ずかしい。

「まぁ、そんなことよりマコちゃん、脳内チップ入ってるよね。あれは元々私が開発した物。私はあれを世界で100%シェアにしたいの」

「はぁ?それが世界征服なんですか?」

リリー、鳴宮百合子の世界征服計画は意外と小物っぽかった。

「いや、それは最初の足がかりよ。100%シェアにしたらそのあと一斉に脳内チップにある信号を送る。

その信号を受けた人々は何の躊躇いもなくサイボーグ手術を受け、私の言うことだけを聞く機械の兵士になるわ」

世界中の人々が一斉にサイボーグになりリリーの奴隷になると言うことか。

「確かに実現すれば世界征服できると思いますが、そんなにうまくいくのですか?」

「もちろん!と言いたいところだけど、元々機械の体のアンドロイドには効かないのかしらね?晃穂にいくら信号送っても効かないし。それに…」

それに?何だろう?

「それに、マコちゃん、あなたに信号送ってるんだけど全然反応しないわ。どういうことかしら?あなたを最初にサイボーグにしてあげようと思ったのに!」

わ、私をサイボーグにしようと思ってたのか…?

「ちょっと失礼…」

リリーはそう言うと、リリーの目からレーザーのようなものが、私の体に照射された。

ま、まさか殺人ビーム的な何か!?

「大丈夫。体にそんなに害はないわ。これはレントゲンよ」

「レントゲン…?」

私の頭の天辺から爪先までレントゲンの光?が照射される。

「ふーん、なるほどね。マコちゃんがまさかのこちら側の人間だったとは…」

感慨深くリリーは、しきりに頷いている。

こちら側の人間とはどういうことだろうか?

「私の世界がなんだかとてもおかしい?件」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「SF」の人気作品

コメント

コメントを書く