私の世界がなんだかとてもおかしい?件

sono

九十話

「おいしかったであります。ご馳走さまであります」

晃穂はスパゲッティーを食べ終えた。おかわりまでしてしまった。

「ちょっとは、遠慮しなさいよ。食べ過ぎよ」

「いいんですよ。ちょっと作りすぎてしまったので」

ドクターマリは怒っているが、田端さんは意に介していないようだ。

「さて、晃穂。あとはお風呂入ってちょうだい。入るでしょ?」

「いいんでありますか?一番に入ってしまって?」

「いいのよ。一応あなたお客様だし」

ドクターマリにそう言われ、晃穂はお風呂に入ることにした。

「お風呂はどこでありますか?」

「ご案内致します」

田端さんが風呂場まで、案内してくれることになった。

食堂を出て、廊下を歩いていく。

「晃穂さんでしたか?お嬢様のこと何卒よろしくお願いいたします」

「なんのことでありますか?」

田端さんに急に言われ、晃穂は戸惑った。

「お嬢様は昔からご友人があまりいません。できたらご友人になってほしいのです」

「…友達でありますか?いいでありますよ」

一瞬、間が空いたのはドクターマリが、クレイジーサディストサイコレズだからだ。

友達なら大丈夫だろう。

「ありがとうございます。お嬢様も喜ぶと思いますよ」

田端さんは笑顔でそう言った。


そんなやり取りをしているうちに、風呂場についた。

「また、普通サイズの風呂場でありますな」

「大浴場もありますが、お嬢様はこれぐらいがちょうどいいと仰いまして」

またまた、庶民的なドクターマリであった。

「それでは、ごゆっくり」

「ありがとうであります…」

風呂場のドアを開けると、少し広めの脱衣場が目に入った。

晃穂は脱衣場で制服を脱いだ。よく考えたら制服も破けてしまったはずなのに、ちゃんと綺麗な制服になっていた。

誰かが持ってきてくれたのだろうか?

風呂場に入った。普通より広いお風呂だった。

電気の照明はなく、すべて蝋燭の光のみだ。

すごくいい匂いがするので、アロマキャンドルかもしれない。

湯船には薔薇の花びらが振り撒かれていた。

「お金持ちは本当に豪勢ですなぁ」

綺麗だとかより、晃穂はあきれてしまった。

お湯をかけ流してから、湯船に入る。

薔薇の花びらに囲まれ、アロマキャンドルの香りが濃厚になる。

案外こういうのも、悪くはなかった。

温まったあとは、湯船から出て、体を洗った。

まさか、ドクターマリが風呂場に入ってくるかなと、身構えていたがそんな様子はなかった。

とりあえず、安心する晃穂であった。

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