私の世界がなんだかとてもおかしい?件

sono

八十二話

「もし、協力してくれないというなら、晃穂さんは敵だと認識することになります…」

沖田さんは顔をしかめながら言った。

「それは、困るであります。沖田さんは私のライバル。敵ではないでありますよ」

「晃穂さんにそう言ってもらえると、ありがたいですね。では、一緒に戦っていただけますか?」

「いいでありますが…。私の修理やメンテナンスは?」

「それは、この天才ドクターマリにおまかせよ!」

ドクターマリが、どや顔で言った。

「ドクターマリは性格があれですが、腕は確かでござるよ」

「誰の性格が何ですって!?」

「いや、何でもないでござる…」


「戦うとして、リリーと戦うでありますか?彼女は普通の人間でありますよ?」

晃穂が店員さんに質問した。

「鳴宮百合子はただの人間ではないでござる。肉体の9割をサイボーグ化した化物でござるよ。もはや、人間ではないでござる。だから、晃穂殿の攻撃対象にも入るはずでござる」

「リリーはサイボーグだったでありますか!?全然わからなかったであります!」

「サイボーグ技術は義手や義足の開発から発展したらしいでござる。今では人工皮膚や人工筋肉、人工骨格も作られ人間の体と変わらないでござるよ。リリー、鳴宮百合子はサイボーグ技術の開発団体に昔いたらしいでござるよ」

リリーがサイボーグ技術の開発団体にいたとは…!?晃穂は少なからず動揺した。

「人工骨格に人工筋肉、人工皮膚。そして人工知能。これらは後にアンドロイド技術に応用されたでござる。

サイボーグ技術もアンドロイド技術も世界で初めて開発できたのは、鳴宮百合子の開発団体らしいでござるよ」

「リリーは実はすごいでありますか?今じゃ小さな研究所に一人でいるだけでありますが…」

「そこなんでござるよ。何故かサイボーグ技術開発団体から鳴宮百合子は追放され、今では一人で研究所をやっている。そして何故か国家に恨みがある。彼女に何があったのか…?」

「何があったにせよ、危険分子には変わらないです。国家に仇なす輩は粛清するしかないのです!」

沖田さんが後を引き取り、物騒なことを言う。

「鳴宮百合子は研究所でアンドロイドを安価で簡単に作れる研究を重ね、大分アンドロイドも増えてきたでござるよ。あと、脳内チップも彼女が開発したらしいでござるよ」

「安価アンドロイドも脳内チップも四つ星重工の御曹司の資金援助で完成したらしいです。そんな爛れた関係は粛清あるのみです!」

沖田さんはそう叫んだ。ただ、粛清と言いたいだけなんじゃないか?

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