私の世界がなんだかとてもおかしい?件

sono

七十八話

「じゃあ、私達も帰るとするでありますか…」

「そうだね…」

晃穂と私は帰ろうとした。

ところが、そこにアンドロイド搬送用のワゴン車が乗り付け、晃穂を無理やり乗せようとした。

「私は今回は怪我してないであります。少し人工皮膚が取れただけであります」

「いや、だいぶ取れてしまってます。縫合手術が必要です!さぁ、乗ってください」

ワゴン車に乗っていた白衣を着た人達が、晃穂のキャストオフした人口皮膚を集めていた。

「マコちゃんからもこの人達に何か言ってであります…」

「いいじゃない。縫合手術してもらえば」

体が骨のままでは、しょうがない。

晃穂は、渋々ワゴン車に乗った。



ワゴン車は秋葉原の街中を走り抜け、雑居ビルの駐車場に入った。

松子と晃穂がよく行くフィギュア屋がある雑居ビルだ。

晃穂は担架に乗せられ、ビルの最上階に行った。

「バイタル正常。脳波正常。コアブロック正常。全て異常なし」

担架を押してる白衣の人が早口で言う。

「そりゃ、何も異常はないでありますよ!私は至って健康であります!」

「しかし、全身の骨が見えてしまっている。あまりに悲惨な状況だ」

「私はアンドロイドであります!これが普通なのであります!」

「我々では、手の施しようがない。ドクターマリを呼んできてくれ!」

言われた白衣の人は走って行ってしまった。

「おおーい!話を聞いてくれー!」

晃穂は呆れてしまった。

晃穂はそのまま、アンドロイド手術室と書かれた部屋に入れられた。

「ドクターマリ!急患です!お願いします!」

「しょうがないわねぇ。って、またあなたなの!?」

ドクターマリと呼ばれた白衣の女性が、晃穂を見て驚いている。

少し赤毛のショートボブな髪型に、勝ち気な釣り目をした美人な女性だ。

「?どこかでお会いしましたでありますか?あなたのような美人は一度見れば忘れないであります」

「お世辞はいいの!そういえばあなた、いつも運ばれてくるとき意識がなかったわね」

「もしかしたら、いつも私が戦った後、応急処置をしてくれているお医者さんでありますか?」

「そうよ!でも応急処置なんてとんでもない。全て治してしまうわよ!何せ私は天才ドクターマリだもの!」

「自分で自分のこと天才ドクターって言ってしまうのでありますね」

晃穂は、はぁと、ため息をついた。

「ドクターマリ、早くオペを始めてください!」

白衣の人に急かされるドクターマリ。

「やーい、怒られたであります。自称天才ドクターマリさん。ぷぷぷ」

晃穂はすごい見下した顔で笑った。

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