私の世界がなんだかとてもおかしい?件

sono

三十九話

次の瞬間、沖田さんは消えた。無明剣三段突きを放ったのだろう。

だが、数メートル吹っ飛び倒れたのは沖田さんだった。

な、何が起こったのだ…?

「また、スーパースローで撮ったでござる」

店員さんがまたスマホで撮った動画を見せてくれた。

沖田さんが必殺の突きを晃穂に入れようとしたところに、晃穂は超硬化外骨格状態スーパーアーマーモードになっている腕でガードした。腕に刀が刺さるが刀はへし折れてしまった。

「真昇◯拳!!!」

晃穂はまた言ってはいけない必殺技を叫んだ。ガードした腕でそのまま沖田さんのみぞおちを殴る。見事にみぞおちにめり込んでいる。

次に胸を殴り、最後は沖田さんの顎を捉えた!顎の骨は砕け、沖田さんの歯が折れ砕け散った!

無明剣三段突きが刀の三段突きなら晃穂の真昇龍◯拳はアッパーの三段必殺拳だった。

「沖田殿の無明剣三段突きが敗れ、菊一文字までもが折れてしまったでござるよ!?」

店員さんが叫んだ。近藤さんと土方さんは黙ったまま、沖田さんを見ている。菊一文字本物なんてことないよね?模造刀だよね?

勝負ついたか?しかし、沖田さんはよろよろとだが、立ち上がった!

「沖田、まだやれるか?」

近藤さんの問いに沖田さんは頷く。喋れないのだろう。

「沖田さん!頑張って!晃穂なんてやっつけて!!」

見ると雲雀がいつの間にか来ていた。晃穂相当恨まれているな。

刀がない状況でどうするのか?沖田さんは自らの右手を地面と水平に構えた。

刀がないので右腕で平正眼の構えを取っているのだ。恐るべき執念だった。

顔面蒼白で顎から血が滴りながら構えている姿に全員何も言えなかった。

晃穂だけは余裕な顔でfightingポーズをとっている。

沖田さんが助走をつけ消えた!右腕の手刀で無明剣三段突きをするつもりだ。

晃穂の体はもうオレンジ色に光っていない。超硬化外骨格状態スーパーアーマーモードの効果は消えてしまったらしい。

いつの間にか秋葉原商工会らしい人たちやメイドさん達も来ていた。皆固唾を飲んで見守っている。

晃穂と沖田さんが同時に反対方向に吹っ飛んだ!そのまま両者起き上がらない。

「またまたスーパースローで撮ったでござる」

スマホの画面を見てみる。沖田さんの手刀による必殺の突きが晃穂に迫る。晃穂もパンチをストレートに放った。両者の腕が交差して双方にクリーンヒットした!いわゆるクロスカウンターだ。

二人とも起き上がらない。相当のダメージだったのか?

「勝負あり!両者相討ち!」

近藤さんが叫ぶ。引き分けだが勝負ついたのだ。

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