私の世界がなんだかとてもおかしい?件

sono

十六話

振り向くと、私の親友、北乃雲雀きたのひばりが立っていた。毎朝登校は一緒にしているのだ。

髪の色はベージュというか薄いシルバー。フワフワの巻き髪だ。

声もフワフワ。行動もフワフワ。ぷわぷわな可愛らしい女の子だ。子供のころからの幼なじみだった。

「その子はだぁれ?」と雲雀が質問した。

「私は鳴宮晃穂であります!マコちゃんと相思相愛の仲であります!よろしくお願いいたしますであります!」

私が紹介するより先に晃穂が自己紹介した。その口調はどうにかならんのか?

「相思相愛だと?」

ドスのきいた低い声がした。誰の声だ?こんな怖い声の知り合いはいない。

「松子ちゃん、今日もかわいいね!学校いこ?」

雲雀はそういうと、私と腕を組んできた。雲雀も胸を押し付けてくる。晃穂に対抗しているのだろうか?

「マコちゃんって松子っていうんだ。超だせぇ!っていうか、マツコ・デ…?」

晃穂がすごい馬鹿にしてきた。

「松子ちゃんのこと、馬鹿にしてるんじゃねえぞ。ぶっ殺すぞ?」

また、ドスのきいた低い声が聞こえてきた。誰だ?まさか、雲雀が出してるのか?いつもぷわぷわで、かわいい声の雲雀が…。

「雲雀ちゃん、なんかいつもと違うような?」

私は聞いてみた。

「私はいつも一緒だよ。松子ちゃんの親友、雲雀だよ」

ぷわぷわな声で返事する雲雀。ついでに胸もぎゅむと押し付けてくる。晃穂よりでかそうだ。



私は頭がクラクラした。女の子らしい私と正反対な雲雀が、あんな声を出すなんて。初めてあんな声聞いた。

悩んでいてもしょうがない。学校に行こう。

私達の通う学校は私立秋葉学園という学校だ。秋葉原に突然できた。秋葉原の学校で秋葉学園。身も蓋もない名称だ。

最近の学校は勉強がない。脳内にあるマイクロチップのおかげでなんでもわかるからだ。

小学生の基本的な勉強はするが、中学生の後半ぐらいから自分の好きな学問をする。

秋葉学園も生徒の自主制を重要視していた。私はオタク学をまなんでいる。

なんだその学問は?という声が聞こえてきそうだが、過去に流行っていたオタクブームを学ぶ学問だ。

漫画にアニメ、フィギュア。過去の資料は見てるだけで楽しい。

最近でもオタクブームはあるが、紙媒体はほとんどない。アニメもバーチャルだ。フィギュアもバーチャルでキャラに触れるので下火になっていた。

ここ、秋葉原は過去のオタクグッズがたくさんあるので、フィールドワークにもうってつけだ。

プレミアがついて高額なので、私は滅多に買えないが。主に見るだけだった。

私が特に専攻しているのが、フィギュア。美少女フィギュアだ。私は美少女が好きだ。

あの造形はたまらない。美術品にも劣らない価値があるだろう。いい仕事をしてますねぇ。

現実の美少女も好きだ。雲雀も小学生の頃から好きだし。晃穂のことも好きだ。レズなのか?私は?



ちなみに雲雀はお菓子づくりを専攻している。パティシエになりたいそうだ。学ぶことまでかわいいとは…。

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