僕の姉的存在の幼馴染が、あきらかに僕に好意を持っている件〜
第八話・7
みんなが寝たのを確認すると、僕は香奈姉ちゃんを起こさないようにそっとベッドから起き上がり、部屋を後にした。
いまさら、自分の家に戻りたいっていう気はない。
だからといって、香奈姉ちゃんの部屋にいるのもなんとなく落ち着かなかったので、居間にあるソファーで寝ようと思ったのである。
「眠れないの?」
香奈姉ちゃんの部屋を出てしばらくしないうちに声をかけられた。
全員が寝息を立てていたから、みんな眠っているかと思ったんだけど。
どうやら、彼女だけは起きていたらしい。
声をかけてきたのは、香奈姉ちゃんだった。
香奈姉ちゃんは、みんなを起こさないように静かに自分の部屋から出てきて、僕に近寄ってくる。
あきらかに心配そうな表情を浮かべているので、僕が自分の家に戻るのではないかと思っているんだろうな。
「うん。なんだか落ち着かなくてさ……」
僕は、そう答えた。
香奈姉ちゃんだけならまだしも、他の女の子たちが寝ている空間で、男である僕が寝る勇気はない。
香奈姉ちゃんは、それをよく理解しているのか微苦笑して言う。
「やっぱり女性恐怖症の楓には、パジャマパーティーは無理があったかな?」
「ごめん……」
僕は、謝ることしかできなかった。
たしかに香奈姉ちゃんの言うとおりだ。
女性恐怖症気味の僕にとっては、女の子四人が寝ている香奈姉ちゃんの部屋で寝るのはハードルが高い。
「だったらさ。私が楓に抱きついて寝るっていうのはどうかな?」
「え ︎ …それって?」
香奈姉ちゃんのいきなりの提案に、僕は驚いてしまう。
「だから、私が楓に抱きついて寝るの。一緒に寝るんだから、そのくらいの方が自然じゃない?」
「香奈姉ちゃんが、僕を? それはさすがにまずいんじゃ……」
「何がまずいのかな? 楓も落ち着いて寝れると思うから、いろんな意味でプラスになるかと思うんだけど」
「落ち着いて寝れるとは思えないんだけど……」
そんなことされたら、逆に緊張して眠れない気がしるんだが。
それに、香奈姉ちゃんが言ういろんな意味でプラスになるっていうのは、一体何のことだろうか。
僕は、そっちの方が気になるんだけど。
「少なくとも私は、安心して寝ることができるかな」
「そうなんだ」
僕は、ひきつった表情でそう言った。
香奈姉ちゃんが安心して寝ることができても、僕が寝れないと意味がないんだけどな。
「何よ、その顔は?」
「いや……。別に……」
「『別に』って、何かあるんでしょ? はっきりと言いなさいよ!」
「なんでもないよ。ホントに眠れないだけだよ」
さらに言えば、香奈姉ちゃんの家にいるのは落ち着かない。
さすがにそれは、はっきりとは言えないけどさ。
「眠れないならさ。こうすればいいんだよ」
「え……」
僕は、香奈姉ちゃんがとった行動に思わず呆然となる。
香奈姉ちゃんは、いきなり僕をギュッと抱きしめてきたのだ。
その瞬間、香奈姉ちゃんからいい匂いが漂ってくる。
そういえば、寝る少し前にシャワーを浴びに行ったから、その時に石鹸の香りが残っていたのかもしれない。
あまりのことに僕は何も言えず、ただドキドキしていた。
こういう時は、どうすればいいのかな?
香奈姉ちゃんは、僕を抱きしめたままじっとしているし。
このまま、じっとしていてもダメか。
僕は、香奈姉ちゃんの身体を優しく抱きしめる。
すると香奈姉ちゃんは、安心したかのようにこう聞いてきた。
「──どうかな? 少しは落ち着いたかな?」
「まだちょっと、ドキドキしてる」
「そんなこと言われたら、私もドキドキしてるよ」
「そうなんだ」
「うん」
どのくらいそうしていただろうか。
僕には、わからない。
香奈姉ちゃんは僕をギュッと抱きしめたっきり、次のアクションをとろうとしなかった。
う~ん……。
こういうときは、仕方ない。奥の手だ。
「香奈姉ちゃん」
「ん? どうしたの、楓?」
「みんな寝てるんだしさ。そろそろ僕たちも寝ようよ」
「眠れそう?」
「うん。大分、落ち着いてきたから、もう寝れそうだよ」
「そう。それなら良かったよ」
そう言って香奈姉ちゃんは、パッと僕から離れる。
やっと離れてくれたよ。
僕から離れようとすると何を言われるかわからないので、眠いことを伝えて離れてもらうしかないと判断したのだけど──。作戦はうまくいったようだ。
うまくいったはずなんだけど……。
香奈姉ちゃんは、僕の顔を見てなぜか嬉しそうな表情になる。
「そういうことなら、なにも問題ないよね。私と一緒に寝よう」
「え…でも……。僕は、ここで……」
「聞こえなかったかな? 楓は、私と一緒に寝るの。拒否権はないんだからね」
そう言うと、香奈姉ちゃんは僕の腕を掴む。
「ちょっ……。待ってよ」
僕は、困ったような表情を浮かべてそう言った。
「待ちません」
香奈姉ちゃんは、問答無用と言わんばかりに僕を引っ張っていく。
どこに向かっているかというと、香奈姉ちゃんの部屋だ。
こうなると、もう何を言っても無駄である。
結局、僕は香奈姉ちゃんの部屋に連れ戻され、香奈姉ちゃんのベッドに寝かされてしまう。
香奈姉ちゃんは、僕の上に乗り、完全に騎乗位になる。
「ちょっと……。香奈姉ちゃん?」
僕は、みんなを起こさないように小声で囁くように言った。
香奈姉ちゃんは、何を思ったのかパジャマを脱いだ。
パジャマの下はノーブラだったためか、完全におっぱいを晒している。
香奈姉ちゃんは、微笑を浮かべて
「今日は気分が良いから、遠慮なく揉んでみてもいいんだよ」
と、そう言った。
「そんなこと言われたら……」
香奈姉ちゃんのその言葉に、僕の手は本能的に胸の方に行く。
たしかに、香奈姉ちゃんのおっぱいは、少し大きめで形も良い。
そんな風に見せられたら、触りたくもなる。
次の瞬間、フニュっと柔らかい感触が僕の手から伝わった。
「あ……。もうちょっと下の方を触ってみて──」
「え……」
香奈姉ちゃんのおっぱいを触っていた僕は、香奈姉ちゃんにそう言われて思案げな顔になる。
なぜなら、香奈姉ちゃんが示した箇所は、おっぱいの先端になる箇所だったのだ。
僕は、香奈姉ちゃんの言うとおりにおっぱいの先端の方に指を触れると、その箇所だけ妙に固くなっている。
香奈姉ちゃんは、気持ちよさそうな表情を浮かべて僕に言う。
「そうそう……。良い気持ちだよ。楓──」
「………」
柔らかい……。先端は少し固いけど。
僕は、あまりの感触の良さにすっかりやみつきになり、香奈姉ちゃんのおっぱいを触り続けていた。
──さて。
どうしようかな、これは……。
奈緒さんたちも同じ部屋で寝てるんだけど。
今の香奈姉ちゃんは、それすら気にしていない様子だし。
そろそろ香奈姉ちゃんのおっぱいを触るのをやめたいんだけど、やめどきがわからない。
「あ…あ……」
香奈姉ちゃんの方は、あまりの気持ち良さに、息遣いが少し荒くなってきている。
その証拠に、口元を手で押さえているし。
このままだと完全にイッてしまい、声を上げてしまいそうな感じだ。
香奈姉ちゃんって、こんなに激しいのが好みなのか。
知らなかったな。
このまま続けるのもいけない気がしてきた僕は、思わずこう言った。
「ねぇ、そろそろやめない?」
「どうして?」
「香奈姉ちゃんのおっぱいが…その……」
「私の胸がどうしたの?」
「いや……。なんて言うか……」
はっきりと言えばいいんだけど、どうしてもその先が説明できない。
女の子の胸に触ることなんて、絶対にないのだから。
「楓らしくないよ。はっきりと言いなさいよ」
僕に胸を触られている香奈姉ちゃんには、何のことか理解してたんだと思う。
彼女は、僕に微笑を浮かべていた。
わかっているんなら、こんなことはもうやめてほしいな。
「香奈姉ちゃんの胸の先端が、固くなっているんだけど……。これは?」
「ん……。別に心配するようなことは何もないよ。ただ敏感になっているだけだよ」
「敏感って、まさか──」
「うん。言葉どおりの意味だよ」
香奈姉ちゃんはそう言って頬を染め、真っ直ぐに僕の顔を見てくる。
──ああ、もう。
どうして、そんな顔ができるんだよ。
僕のことを信頼しているし信用もしているっていう、その顔を……。
僕のことが好きだから、盲目的になっているんじゃないのか。
「どうして──」
僕の口からは、自然とその言葉が漏れる。
香奈姉ちゃんは、僕が言いたいことを理解しているのか、はっきりと言った。
「どうしてもなにも──。私は、楓のことが好きだからだよ。…こんなことをするのもね。楓には、他の女の子を好きになってほしくないからなんだよ」
「他の女の子って……。それは、奈緒さんや美沙先輩も含まれてるよね」
「もちろん!」
香奈姉ちゃんの返答に、僕は思わず近くで寝ている奈緒さんたちに視線を向ける。
奈緒さんたちは、スースーと寝息を立てて眠っていた。
起きる気配は、まずないだろう。
たしかに、僕には香奈姉ちゃん以外で好きな人はいない。
奈緒さんや美沙さんからアプローチを受けることもあるが、彼女たち自身は、半分冗談みたいなノリでやっているから、本気で恋はしていないんだろうな。
「兄のことは、いいの? …兄は、香奈姉ちゃんのことが好きみたいだしさ」
「私の答えは変わらないよ。私は、楓以外の男の子と付き合う気はないし、ましてや隆一さんのことを好きになることはない。それに、楓の良いところは、私がたくさん知っているから──」
香奈姉ちゃんは、そう言って僕の手を握ってくる。
僕の手は、香奈姉ちゃんのおっぱいを触っていたので、香奈姉ちゃんが手を握ってきたことで、さらに押しつけたみたいな感じだ。
「香奈姉ちゃん……」
そう言ってじっとしている僕に、香奈姉ちゃんはさらに言った。
「これでわかったかな? 私が好きになるべき男の子は、楓なんだってことが──」
そこまで言われてしまうと、僕も覚悟を決めなきゃいけないんだろうな。
僕が恋する相手は、香奈姉ちゃんだってことに──。
だからこそ僕は、香奈姉ちゃんに言った。
「僕も……。香奈姉ちゃんのことが…大好きだよ」
たぶん、この時の僕の顔は真っ赤になってたと思う。
「楓……。ありがとう」
香奈姉ちゃんは、感極まったのかそのまま抱きついてきた。
上半身裸の状態で──。
頼むからパジャマの上を着てほしいな。
いまさら、自分の家に戻りたいっていう気はない。
だからといって、香奈姉ちゃんの部屋にいるのもなんとなく落ち着かなかったので、居間にあるソファーで寝ようと思ったのである。
「眠れないの?」
香奈姉ちゃんの部屋を出てしばらくしないうちに声をかけられた。
全員が寝息を立てていたから、みんな眠っているかと思ったんだけど。
どうやら、彼女だけは起きていたらしい。
声をかけてきたのは、香奈姉ちゃんだった。
香奈姉ちゃんは、みんなを起こさないように静かに自分の部屋から出てきて、僕に近寄ってくる。
あきらかに心配そうな表情を浮かべているので、僕が自分の家に戻るのではないかと思っているんだろうな。
「うん。なんだか落ち着かなくてさ……」
僕は、そう答えた。
香奈姉ちゃんだけならまだしも、他の女の子たちが寝ている空間で、男である僕が寝る勇気はない。
香奈姉ちゃんは、それをよく理解しているのか微苦笑して言う。
「やっぱり女性恐怖症の楓には、パジャマパーティーは無理があったかな?」
「ごめん……」
僕は、謝ることしかできなかった。
たしかに香奈姉ちゃんの言うとおりだ。
女性恐怖症気味の僕にとっては、女の子四人が寝ている香奈姉ちゃんの部屋で寝るのはハードルが高い。
「だったらさ。私が楓に抱きついて寝るっていうのはどうかな?」
「え ︎ …それって?」
香奈姉ちゃんのいきなりの提案に、僕は驚いてしまう。
「だから、私が楓に抱きついて寝るの。一緒に寝るんだから、そのくらいの方が自然じゃない?」
「香奈姉ちゃんが、僕を? それはさすがにまずいんじゃ……」
「何がまずいのかな? 楓も落ち着いて寝れると思うから、いろんな意味でプラスになるかと思うんだけど」
「落ち着いて寝れるとは思えないんだけど……」
そんなことされたら、逆に緊張して眠れない気がしるんだが。
それに、香奈姉ちゃんが言ういろんな意味でプラスになるっていうのは、一体何のことだろうか。
僕は、そっちの方が気になるんだけど。
「少なくとも私は、安心して寝ることができるかな」
「そうなんだ」
僕は、ひきつった表情でそう言った。
香奈姉ちゃんが安心して寝ることができても、僕が寝れないと意味がないんだけどな。
「何よ、その顔は?」
「いや……。別に……」
「『別に』って、何かあるんでしょ? はっきりと言いなさいよ!」
「なんでもないよ。ホントに眠れないだけだよ」
さらに言えば、香奈姉ちゃんの家にいるのは落ち着かない。
さすがにそれは、はっきりとは言えないけどさ。
「眠れないならさ。こうすればいいんだよ」
「え……」
僕は、香奈姉ちゃんがとった行動に思わず呆然となる。
香奈姉ちゃんは、いきなり僕をギュッと抱きしめてきたのだ。
その瞬間、香奈姉ちゃんからいい匂いが漂ってくる。
そういえば、寝る少し前にシャワーを浴びに行ったから、その時に石鹸の香りが残っていたのかもしれない。
あまりのことに僕は何も言えず、ただドキドキしていた。
こういう時は、どうすればいいのかな?
香奈姉ちゃんは、僕を抱きしめたままじっとしているし。
このまま、じっとしていてもダメか。
僕は、香奈姉ちゃんの身体を優しく抱きしめる。
すると香奈姉ちゃんは、安心したかのようにこう聞いてきた。
「──どうかな? 少しは落ち着いたかな?」
「まだちょっと、ドキドキしてる」
「そんなこと言われたら、私もドキドキしてるよ」
「そうなんだ」
「うん」
どのくらいそうしていただろうか。
僕には、わからない。
香奈姉ちゃんは僕をギュッと抱きしめたっきり、次のアクションをとろうとしなかった。
う~ん……。
こういうときは、仕方ない。奥の手だ。
「香奈姉ちゃん」
「ん? どうしたの、楓?」
「みんな寝てるんだしさ。そろそろ僕たちも寝ようよ」
「眠れそう?」
「うん。大分、落ち着いてきたから、もう寝れそうだよ」
「そう。それなら良かったよ」
そう言って香奈姉ちゃんは、パッと僕から離れる。
やっと離れてくれたよ。
僕から離れようとすると何を言われるかわからないので、眠いことを伝えて離れてもらうしかないと判断したのだけど──。作戦はうまくいったようだ。
うまくいったはずなんだけど……。
香奈姉ちゃんは、僕の顔を見てなぜか嬉しそうな表情になる。
「そういうことなら、なにも問題ないよね。私と一緒に寝よう」
「え…でも……。僕は、ここで……」
「聞こえなかったかな? 楓は、私と一緒に寝るの。拒否権はないんだからね」
そう言うと、香奈姉ちゃんは僕の腕を掴む。
「ちょっ……。待ってよ」
僕は、困ったような表情を浮かべてそう言った。
「待ちません」
香奈姉ちゃんは、問答無用と言わんばかりに僕を引っ張っていく。
どこに向かっているかというと、香奈姉ちゃんの部屋だ。
こうなると、もう何を言っても無駄である。
結局、僕は香奈姉ちゃんの部屋に連れ戻され、香奈姉ちゃんのベッドに寝かされてしまう。
香奈姉ちゃんは、僕の上に乗り、完全に騎乗位になる。
「ちょっと……。香奈姉ちゃん?」
僕は、みんなを起こさないように小声で囁くように言った。
香奈姉ちゃんは、何を思ったのかパジャマを脱いだ。
パジャマの下はノーブラだったためか、完全におっぱいを晒している。
香奈姉ちゃんは、微笑を浮かべて
「今日は気分が良いから、遠慮なく揉んでみてもいいんだよ」
と、そう言った。
「そんなこと言われたら……」
香奈姉ちゃんのその言葉に、僕の手は本能的に胸の方に行く。
たしかに、香奈姉ちゃんのおっぱいは、少し大きめで形も良い。
そんな風に見せられたら、触りたくもなる。
次の瞬間、フニュっと柔らかい感触が僕の手から伝わった。
「あ……。もうちょっと下の方を触ってみて──」
「え……」
香奈姉ちゃんのおっぱいを触っていた僕は、香奈姉ちゃんにそう言われて思案げな顔になる。
なぜなら、香奈姉ちゃんが示した箇所は、おっぱいの先端になる箇所だったのだ。
僕は、香奈姉ちゃんの言うとおりにおっぱいの先端の方に指を触れると、その箇所だけ妙に固くなっている。
香奈姉ちゃんは、気持ちよさそうな表情を浮かべて僕に言う。
「そうそう……。良い気持ちだよ。楓──」
「………」
柔らかい……。先端は少し固いけど。
僕は、あまりの感触の良さにすっかりやみつきになり、香奈姉ちゃんのおっぱいを触り続けていた。
──さて。
どうしようかな、これは……。
奈緒さんたちも同じ部屋で寝てるんだけど。
今の香奈姉ちゃんは、それすら気にしていない様子だし。
そろそろ香奈姉ちゃんのおっぱいを触るのをやめたいんだけど、やめどきがわからない。
「あ…あ……」
香奈姉ちゃんの方は、あまりの気持ち良さに、息遣いが少し荒くなってきている。
その証拠に、口元を手で押さえているし。
このままだと完全にイッてしまい、声を上げてしまいそうな感じだ。
香奈姉ちゃんって、こんなに激しいのが好みなのか。
知らなかったな。
このまま続けるのもいけない気がしてきた僕は、思わずこう言った。
「ねぇ、そろそろやめない?」
「どうして?」
「香奈姉ちゃんのおっぱいが…その……」
「私の胸がどうしたの?」
「いや……。なんて言うか……」
はっきりと言えばいいんだけど、どうしてもその先が説明できない。
女の子の胸に触ることなんて、絶対にないのだから。
「楓らしくないよ。はっきりと言いなさいよ」
僕に胸を触られている香奈姉ちゃんには、何のことか理解してたんだと思う。
彼女は、僕に微笑を浮かべていた。
わかっているんなら、こんなことはもうやめてほしいな。
「香奈姉ちゃんの胸の先端が、固くなっているんだけど……。これは?」
「ん……。別に心配するようなことは何もないよ。ただ敏感になっているだけだよ」
「敏感って、まさか──」
「うん。言葉どおりの意味だよ」
香奈姉ちゃんはそう言って頬を染め、真っ直ぐに僕の顔を見てくる。
──ああ、もう。
どうして、そんな顔ができるんだよ。
僕のことを信頼しているし信用もしているっていう、その顔を……。
僕のことが好きだから、盲目的になっているんじゃないのか。
「どうして──」
僕の口からは、自然とその言葉が漏れる。
香奈姉ちゃんは、僕が言いたいことを理解しているのか、はっきりと言った。
「どうしてもなにも──。私は、楓のことが好きだからだよ。…こんなことをするのもね。楓には、他の女の子を好きになってほしくないからなんだよ」
「他の女の子って……。それは、奈緒さんや美沙先輩も含まれてるよね」
「もちろん!」
香奈姉ちゃんの返答に、僕は思わず近くで寝ている奈緒さんたちに視線を向ける。
奈緒さんたちは、スースーと寝息を立てて眠っていた。
起きる気配は、まずないだろう。
たしかに、僕には香奈姉ちゃん以外で好きな人はいない。
奈緒さんや美沙さんからアプローチを受けることもあるが、彼女たち自身は、半分冗談みたいなノリでやっているから、本気で恋はしていないんだろうな。
「兄のことは、いいの? …兄は、香奈姉ちゃんのことが好きみたいだしさ」
「私の答えは変わらないよ。私は、楓以外の男の子と付き合う気はないし、ましてや隆一さんのことを好きになることはない。それに、楓の良いところは、私がたくさん知っているから──」
香奈姉ちゃんは、そう言って僕の手を握ってくる。
僕の手は、香奈姉ちゃんのおっぱいを触っていたので、香奈姉ちゃんが手を握ってきたことで、さらに押しつけたみたいな感じだ。
「香奈姉ちゃん……」
そう言ってじっとしている僕に、香奈姉ちゃんはさらに言った。
「これでわかったかな? 私が好きになるべき男の子は、楓なんだってことが──」
そこまで言われてしまうと、僕も覚悟を決めなきゃいけないんだろうな。
僕が恋する相手は、香奈姉ちゃんだってことに──。
だからこそ僕は、香奈姉ちゃんに言った。
「僕も……。香奈姉ちゃんのことが…大好きだよ」
たぶん、この時の僕の顔は真っ赤になってたと思う。
「楓……。ありがとう」
香奈姉ちゃんは、感極まったのかそのまま抱きついてきた。
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