カゲロウ

大和大河

パチンコ店

    (1)  
パチンコが流行ったり(この時は、ターバンを巻いた経営者がいたが、向こうの金持ちが日本に来て始めたのだろう) 
 日本人は働き過ぎと、政府の政策で土日は休み、子供と一緒に過ごす時間を作れとか、
 イルミネーションを点けない様にとか、町の灯が消され、24時でテレビが消えたり         
  一晩中働いていた者達に取っては、気が抜けた様だった。
  遙斗の誘いで、一寸二人でパチンコに行ってみた。
 離れていた遙斗が、カウンターの近くで男 に謝っていた。 
 何事かと思い、怒っている男に近づくと
 「この人の精算機の中に、玉を入れてしまった」
と遙斗が言う。
 俺の顔を視るなり 
「何でも無いです。
レシートの半分分けで行きましょう」
  と男が言う。
 後で遙斗の方が少なかったと聞いた。
  (2)
 別の日、別の店で余りにも、玉が出ないので俺は、天井のカメラに向かって睨んだ。 
そして、残った玉を床へバラ撒いて、店を出た。
 この時期、パチンコ店では、玄関のガラスを割られたり、床に客の落としたタバコで、火事に成ったり、台を叩かれガラスが割れたり、と新聞を賑わしていた。
  (3)
 ある日、遙斗とスロットを覚えたので、別の店で遊戯していた。
告知と言うのが無かった時で、目が入ったが当たらない。
ムッと成り、一直線に、
*関係者以外出入禁止*
  と書いて有る部屋の中へ入って行った。
 宇宙戦艦大和に出てくる、艦内の操縦席に居るような光景が目に映った。
 幹部が
 「お客様、台に目が入って直ぐに廻したでしょう、ゆっくり打って下さい」
と言った。
 ここは、一旦引き下がり、部屋から出た。 遊戯をしている連中を横目で視ながら、外に出た。
   遙斗は先に、慌てて逃げる様に店を出て、外で震えながら待っていた。
「どうしたかと思った」
と言った。

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