カゲロウ

大和大河

町工場

 俺は、ラーメン屋に成りたい訳では無いので町工場を探した。
 色々勉強したくて、幾種類もの工場で仕事を経験した。 
   「 着古した背広を着て、暑い夏は、隣に流れている川で、足を冷やしながら仕事をして会社を伸ばした」
と言った社長も居れば、
    「此の工場を任せる」
と言った社長も居た。
  当時は、長屋みたいな工場が有り、幾つもの会社が入っていて、暇な時は何処もシーンと成っていて、電話が鳴ると隣迄聞こえた。
 漸く一ヶ所に落ち着き仕事を覚えた。
家に仕送りしていたので、金が無くなり給料日前には飯が食えず、腹が減って仕方が無かった。

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