カゲロウ
夫婦
  女親は、近所の友達の家に寄り込んで、一日を過ごし、俺が学校から帰っても居なかった。
 夕方近所から戻って来ると、近くの畑へ草の手入れに出掛けた。
  (親父が会社から帰って来る時間を、見計らっている気がした)  
 「おっ母は、裏の畑に居るぜ」
 と俺が言うと、後を追い駆ける様出掛けて畑仕事を手伝った。
 顔中汗だくの女親を視ると
「可愛そうに」
 と言いながら、一生懸命に草の手入れをしていた。 
  「今迄ナー、おっ母は遊んで居たんだぜ」
と言うと、嫌な空気が流れ、親父に睨まれたが、親父が可哀想に思えただけだった。
 (この時俺は、夫婦の気持ちと言うのを知らなかった
 「男は告げ口をするんじゃネー」
 と親父が言った。
 夕方近所から戻って来ると、近くの畑へ草の手入れに出掛けた。
  (親父が会社から帰って来る時間を、見計らっている気がした)  
 「おっ母は、裏の畑に居るぜ」
 と俺が言うと、後を追い駆ける様出掛けて畑仕事を手伝った。
 顔中汗だくの女親を視ると
「可愛そうに」
 と言いながら、一生懸命に草の手入れをしていた。 
  「今迄ナー、おっ母は遊んで居たんだぜ」
と言うと、嫌な空気が流れ、親父に睨まれたが、親父が可哀想に思えただけだった。
 (この時俺は、夫婦の気持ちと言うのを知らなかった
 「男は告げ口をするんじゃネー」
 と親父が言った。
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