ここは会社なので求愛禁止です! 素直になれないアラサー女子は年下部下にトロトロに溺愛されてます。
ハッキリさせたほうがいいんです⑵
十二時になったので松田と一緒に会社を出て今日もまた中華料理店に行く事にした。
二人でランチに会社に出ても上司と部下の関係だからか誰一人と不思議に思う人はいないのだろう。特に何も言われる事なく会社を出た。
「久しぶりにこの店来ましたね、初めて来た日は俺が入社二日目とかでしたもんね」
「そうね」
メニューを開きながら何にしようか悩む。今日は麻婆セットに決め、松田も「俺も麻婆豆腐にしようと思ってました!」と言うので二人とも麻婆豆腐セットを頼んだ。
私はこのランチ時間で松田に聞きたい事があってランチに誘ったのだ。誠の事、誠に対してどのように思っているのか松田の気持ちを知りたい。家族のように大切に思っているのは分かっているが、もっと踏み込んだ所まで知りたい。
「そういえば松田君と誠さん、家族みたいな存在って言ってたけど、本当に大学までずっと一緒だったんだね」
「ですね、てか誠が勝手に同じ学校をいつも受験してるんですよね、それで社会人になるまでずっと一緒でした」
「本当にずっと一緒だ、大切で特別な関係だね」
「まぁ最初の頃は金魚のフンみたいにくっついてきて正直ウザいと思った事もありましたけど、でもやっぱり今までずっと一人だったから一緒に居てくれる人がいるってのは内心嬉しかったですね、誠にはなんだかんだ救われて来ましたよ」
二人の良い関係性を目の当たりにして目の奥がツンとなる。
もしかするとだが松田は誠が自分を恋愛対象として好きな事を全く気づいていないのかもしれない。勝手に同じ学校って、国立なんて大変だし生半可な気持ちじゃついていけないよね……
「例えばどんな事で救われたの?」
「ん~小学生の時とか、俺と誠がずっと一緒にいるからキモいとか親が居ないとか可哀想ってやっぱり虐められてて、俺はなんとも思わなかったんだけど、誠はグッと食いしばって我慢してたんです、それなのに俺だけに突っかかってきた男の子がいて、そしたらずっと食いしばってた誠がその男の子に殴りかかって大雅の事を悪く言う奴は許さない! って泣きながら叫んでましたね、まぁ言うまで間も無く施設の人を呼び出しで校長室で大怒られですよ」
「そりゃ怒られるわよね、小学生だもの」
「でもその時嬉しかったんです、俺本当に感性に欠けてたんですけどその時は本当に嬉しいと思いましたね、ずっと我慢してたのに誠が俺の為にって、その事件があってからは俺らの事とやかく言う子は殆どいなくなりましたよ」
「そうなんだ、じゃあその事件が起きたお陰だね!」
「だから俺も誠の事はできる限り守ってやりたいと思いました、同じ境遇だからこそ分かり合えるものがあったのかな。でも俺は親に捨てられたから悲しいとかは思った事ないですけどね」
松田は明るく言っている言っているが眼鏡の奥の瞳が少し澱んでいるように見えた。本当は悲しいのに上手く言えないだけなのかもしれない。だからこそ松田と誠は本当に支え合って生きてきたんだな、その支えの中に私も入れたらな……。でも二人の関係性を確かめる事ができて良かった。
だからこそ、誠ときちんと話したいと思った。
お待たせしました~と熱々の麻婆豆腐セットが運ばれてきてからは二人ともフーフー息で冷ましながら食べ進めた。
二人でランチに会社に出ても上司と部下の関係だからか誰一人と不思議に思う人はいないのだろう。特に何も言われる事なく会社を出た。
「久しぶりにこの店来ましたね、初めて来た日は俺が入社二日目とかでしたもんね」
「そうね」
メニューを開きながら何にしようか悩む。今日は麻婆セットに決め、松田も「俺も麻婆豆腐にしようと思ってました!」と言うので二人とも麻婆豆腐セットを頼んだ。
私はこのランチ時間で松田に聞きたい事があってランチに誘ったのだ。誠の事、誠に対してどのように思っているのか松田の気持ちを知りたい。家族のように大切に思っているのは分かっているが、もっと踏み込んだ所まで知りたい。
「そういえば松田君と誠さん、家族みたいな存在って言ってたけど、本当に大学までずっと一緒だったんだね」
「ですね、てか誠が勝手に同じ学校をいつも受験してるんですよね、それで社会人になるまでずっと一緒でした」
「本当にずっと一緒だ、大切で特別な関係だね」
「まぁ最初の頃は金魚のフンみたいにくっついてきて正直ウザいと思った事もありましたけど、でもやっぱり今までずっと一人だったから一緒に居てくれる人がいるってのは内心嬉しかったですね、誠にはなんだかんだ救われて来ましたよ」
二人の良い関係性を目の当たりにして目の奥がツンとなる。
もしかするとだが松田は誠が自分を恋愛対象として好きな事を全く気づいていないのかもしれない。勝手に同じ学校って、国立なんて大変だし生半可な気持ちじゃついていけないよね……
「例えばどんな事で救われたの?」
「ん~小学生の時とか、俺と誠がずっと一緒にいるからキモいとか親が居ないとか可哀想ってやっぱり虐められてて、俺はなんとも思わなかったんだけど、誠はグッと食いしばって我慢してたんです、それなのに俺だけに突っかかってきた男の子がいて、そしたらずっと食いしばってた誠がその男の子に殴りかかって大雅の事を悪く言う奴は許さない! って泣きながら叫んでましたね、まぁ言うまで間も無く施設の人を呼び出しで校長室で大怒られですよ」
「そりゃ怒られるわよね、小学生だもの」
「でもその時嬉しかったんです、俺本当に感性に欠けてたんですけどその時は本当に嬉しいと思いましたね、ずっと我慢してたのに誠が俺の為にって、その事件があってからは俺らの事とやかく言う子は殆どいなくなりましたよ」
「そうなんだ、じゃあその事件が起きたお陰だね!」
「だから俺も誠の事はできる限り守ってやりたいと思いました、同じ境遇だからこそ分かり合えるものがあったのかな。でも俺は親に捨てられたから悲しいとかは思った事ないですけどね」
松田は明るく言っている言っているが眼鏡の奥の瞳が少し澱んでいるように見えた。本当は悲しいのに上手く言えないだけなのかもしれない。だからこそ松田と誠は本当に支え合って生きてきたんだな、その支えの中に私も入れたらな……。でも二人の関係性を確かめる事ができて良かった。
だからこそ、誠ときちんと話したいと思った。
お待たせしました~と熱々の麻婆豆腐セットが運ばれてきてからは二人ともフーフー息で冷ましながら食べ進めた。
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