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異世界に転生したって『あたし、お天気キャスターになるの!』

なつきコイン

第66話 雪景色なの。

 新年になり、二週間経ったところで初めて雪が降った。薄っすらと積もる程度であったが、日頃雪に慣れていない港町ライズでは、あっちこっちでトラブルが発生していた。

 そんなことお構いなしにレイニィは雪を堪能していた。といっても、レイニィの楽しみ方は、雪だるまを作ったり、雪合戦をしたりというものではない。勿論、スキーやソリでも、かまくらでまったりでもなかった。

「レイニィ様、この雪の中、何をされているのですか。早くお部屋にお戻りください」
 スノウィが雪の中、外に出ているレイニィに注意する。

「今、積雪の深さを計っているところだから少し待って。あと、降雪量も調べないと」
「そんなことしていると身体が冷えてしまいますよ」
「そうだわ。着雪の状況も調べないと」
 雪を前にしたレイニィにとっては、スノウィの心配などどこ吹く風である。

「いい加減にしてください。さあ、部屋の中に戻りますよ」
 レイニィはスノウィに強制連行されてしまった。

「こんな雪の日は炬燵ミカンよね」
「何です、それは」
「炬燵でミカンを食べながらのんびりすることよ。そういえば、ミカンはあるけど、炬燵はないわね」
「コタツですか。どんなものです」
「魔法を使えばできるかしら。試しに作ってみましょう」

 レイニィは部屋に炬燵を作ることにした。
「掘り炬燵は難しいだろうから、床に置くタイプね。
 日本のように玄関で靴を脱ぐ習慣はないから、床に直接というのは気になるけど、お試しだし、まあいいか。
 スノウィ、ここに敷き布団を敷いて」
「床にですか」
「少し汚れちゃうかもだけど、気にしないで」
「気にしないでって、後で綺麗にするのは私なのに」
 スノウィはぶつぶつ言いながらも敷き布団を敷いた。

「次に、ここに足の短いテーブルを乗せる。ソファーのテーブルでいいわね」
 スノウィと二人でテーブルを移動する。

「本当は、ここで熱源を用意しなければならないところなんだけど、今回は私の魔法で済ませることにして、このテーブルに掛け布団を掛ける。
 後は天板を乗せれば完成だけど。何か適当な物はないかしら」
「上に乗せる板を用意すればよろしいのですか」
「そうよ。これと同じサイズがいいわ」
「でしたらミスティ様の所からもらってきます」
「そう。じゃあお願いね。あ、ミカンも忘れないでね」
「畏まりました」

 スノウィは炬燵の天板になりそうなものをもらいにミスティの所に向かった。レイニィはその間、炬燵に入って、魔法で炬燵の中を温める。
「あー。ほっとするな」
 天板はなくても、入るだけなら問題ない。レイニィは既に寛ぎモードである

「レイニィ様、戻りました。こんなものでどうでしょう」
「ああ、いいんじゃない。適当に乗せておいて」
「レイニィ。今度は何を作ったの。ていうか、なにだらけてるの」
「お姉ちゃん。来たの。炬燵なの。お姉ちゃんもスノウィも入るの」

 二人は少し考えていたが、レイニィが余りにも心地良さそうなので、試しに入ってみることにした。
「座って、足を入れればいいのね」
「失礼します」
「暖かいね」
「今は、魔法で暖めてるの。本当は暖める道具が必要なの」
「そうなのね。はあー。今はそんなことどうでもいいわ」
「何か気が抜けてしまいますね」
「寛ぐわー」
「そうだ、レイニィ様、ミカンをどうぞ。ミスティ様もいかがですか」
「ありがとうなの。まったりなの」

 雪が降るなか、三人はのんびり過ごすのであった。

 後でエルダに話したら、なぜ誘わなかったと怒られたのだった。


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