異世界に転生したって『あたし、お天気キャスターになるの!』
第48話 盗賊団と遭遇するの。
レイニィ達は首都シャインから港町ライズに向けて出発し、一日経った所で盗賊団に遭遇していた。だだっ広い平原の真ん中で遥か彼方に盗賊団が見える。
「こんな所に盗賊団がいるなんてどういうことだ」
アイスが疑問に思いながらも警戒態勢に入る。
「確かに、こんな木も草もろくに生えていない平原の真ん中で、身を隠す所も無いだろうに、何をしているんだ」
エルダも不思議に思って馬車の窓から身を乗り出して様子を確認する。
「何をしているのでしょうね。こんな所で盗賊団が目撃された事はなかったんですが」
実はこの盗賊団、今までは、首都シャインと北の森との街道を縄張りとしていた。だが、レイニィ達が大熊(グレートベア)を倒した事により、隠れ家周辺のクマの動きが活発となり、身の危険を感じる様になってしまった。
そのため、もっと安全な場所を探して移動している最中であった。
「あれは、盗賊団なの」
「まず、間違いないです。武装しているのに、警備隊といった出で立ちではないですし、襲うかどうか、こちらの様子を伺っている様です」
「これは戻って警備隊に知らせた方がいいのではないか」
「そうですね。かなりの人数ですから。襲われたらこちらも無傷というわけにはいきません」
「襲われる前に、捕まえちゃえばいいの」
「お嬢様、そんな簡単に言わないでください」
「そうですよ。お嬢様に殺生させるわけにはいきません」
「でも、警備隊を呼びに行っていたら逃げちゃうの」
「それはそうですが」
「レイニィ、敵を傷付けずに捕まえられるのか」
「エルダ様!」
「まあ、待て。レイニィならあれくらいの盗賊団、一人でも殲滅出来るだろう。だが、アイスはレイニィに人を傷付けてもらいたくない。それは私も同じだ。
一方で、レイニィの言う通り、このまま放っておけば、盗賊団は逃げてしまうだろう。逃げた盗賊団はどこかで人を襲う事になる。被害者は見ず知らずの者かもしれんが、私たちが何もしなかったせいで襲われたとなると、寝覚が悪い」
「何もしない訳ではないでしょう。警備隊に連絡します」
「だがそれだと完全に逃げられるぞ」
「そうかもしれませんが」
「だから、もし、レイニィが無傷で盗賊団を捕らえることが出来ると言うのならば、やらせてみてもいいのではないか」
「そんな方法がありますかね」
「どうだ、レイニィ。無傷で捕まえられるか」
「うーん。やれるの。作戦はこうなの」
結局、レイニィ達は盗賊団を捕まえる事にした。
「それじゃあ、お前達は警備隊を呼んで来てくれ」
「畏まりました」
アイスは護衛を二人とも警備隊を呼びに行かせる。
これにより、明かに盗賊団の戦力が優位となった。様に見える。実際はレイニィ一人の戦力で、盗賊団を大きく上回っているが。
案の定、盗賊団は罠とも知らずに、レイニィ達を襲うために移動し始める。
「計画通りに、盗賊団は襲ってきたが、大丈夫か」
「問題ないの。こんな開けた所で襲ってくるなんて、一網打尽なの」
「無傷で捕らえるんだぞ。力加減を間違えるなよ」
「了解なの」
「お嬢様、盗賊団が目標エリアに入りました」
「わかったの。やるの」
レイニィは盗賊団目掛けて魔法を放つ。
「砂塵嵐(ハブーブ)」
視界ゼロの砂嵐が盗賊団を襲った。
「何だこれは。ペッペ。砂が口に入った」
「親分、先がまるで見えません」
「目、目に砂が」
「アッ」
「キャー」
「どうした。何かあったか」
「ウオッ」
「アレー」
砂嵐で先が見えない中、盗賊達は次々と姿を消していく。
「何があった。報告しろ」
「全く状況が掴めません。エッ」
「おい、誰か返事をしろ。オワッ」
そして盗賊団は誰もいなくなった。
砂塵嵐が晴れると、そこには盗賊団員の数と同じだけの穴が地面に空いていた。
その穴には、盗賊達が落ちていた。割と深い穴で、簡単には這い出て来れそうにない。
「砂塵嵐も凄かったが、よくこれだけの穴を一瞬で掘れたものだな」
「クレーターを埋めるのに比べれば、屁でもないの」
「あー。ははははは」
レイニィは、エルダがメテオインパクトでこさえたクレーターを埋める事により、土魔法が飛躍的に上達していた。落とし穴を作るぐらい朝飯前だ。
一方、エルダは、レイニィが作業している間寝ていたので、ここは笑って誤魔化すしかない。
「お嬢様。やりましたね」
「流石です。お嬢様」
アイスとスノウィがレイニィを褒め称える。
「一様、逃げない様に蓋をしておくけど、アイスは監視、よろしくなの」
「畏まりました。お嬢様」
警備隊が着いたのは、陽が傾いた夕方の事だった。
レイニィ達はそこで野営する事になった。
盗賊達が「出せー。出せー」と煩くため、なかなか寝付けなかった。
寝不足はお肌の大敵。お天気キャスターは見た目も重要。レイニィには、盗賊団よりお肌が荒れる方が怖かった。
「こんな所に盗賊団がいるなんてどういうことだ」
アイスが疑問に思いながらも警戒態勢に入る。
「確かに、こんな木も草もろくに生えていない平原の真ん中で、身を隠す所も無いだろうに、何をしているんだ」
エルダも不思議に思って馬車の窓から身を乗り出して様子を確認する。
「何をしているのでしょうね。こんな所で盗賊団が目撃された事はなかったんですが」
実はこの盗賊団、今までは、首都シャインと北の森との街道を縄張りとしていた。だが、レイニィ達が大熊(グレートベア)を倒した事により、隠れ家周辺のクマの動きが活発となり、身の危険を感じる様になってしまった。
そのため、もっと安全な場所を探して移動している最中であった。
「あれは、盗賊団なの」
「まず、間違いないです。武装しているのに、警備隊といった出で立ちではないですし、襲うかどうか、こちらの様子を伺っている様です」
「これは戻って警備隊に知らせた方がいいのではないか」
「そうですね。かなりの人数ですから。襲われたらこちらも無傷というわけにはいきません」
「襲われる前に、捕まえちゃえばいいの」
「お嬢様、そんな簡単に言わないでください」
「そうですよ。お嬢様に殺生させるわけにはいきません」
「でも、警備隊を呼びに行っていたら逃げちゃうの」
「それはそうですが」
「レイニィ、敵を傷付けずに捕まえられるのか」
「エルダ様!」
「まあ、待て。レイニィならあれくらいの盗賊団、一人でも殲滅出来るだろう。だが、アイスはレイニィに人を傷付けてもらいたくない。それは私も同じだ。
一方で、レイニィの言う通り、このまま放っておけば、盗賊団は逃げてしまうだろう。逃げた盗賊団はどこかで人を襲う事になる。被害者は見ず知らずの者かもしれんが、私たちが何もしなかったせいで襲われたとなると、寝覚が悪い」
「何もしない訳ではないでしょう。警備隊に連絡します」
「だがそれだと完全に逃げられるぞ」
「そうかもしれませんが」
「だから、もし、レイニィが無傷で盗賊団を捕らえることが出来ると言うのならば、やらせてみてもいいのではないか」
「そんな方法がありますかね」
「どうだ、レイニィ。無傷で捕まえられるか」
「うーん。やれるの。作戦はこうなの」
結局、レイニィ達は盗賊団を捕まえる事にした。
「それじゃあ、お前達は警備隊を呼んで来てくれ」
「畏まりました」
アイスは護衛を二人とも警備隊を呼びに行かせる。
これにより、明かに盗賊団の戦力が優位となった。様に見える。実際はレイニィ一人の戦力で、盗賊団を大きく上回っているが。
案の定、盗賊団は罠とも知らずに、レイニィ達を襲うために移動し始める。
「計画通りに、盗賊団は襲ってきたが、大丈夫か」
「問題ないの。こんな開けた所で襲ってくるなんて、一網打尽なの」
「無傷で捕らえるんだぞ。力加減を間違えるなよ」
「了解なの」
「お嬢様、盗賊団が目標エリアに入りました」
「わかったの。やるの」
レイニィは盗賊団目掛けて魔法を放つ。
「砂塵嵐(ハブーブ)」
視界ゼロの砂嵐が盗賊団を襲った。
「何だこれは。ペッペ。砂が口に入った」
「親分、先がまるで見えません」
「目、目に砂が」
「アッ」
「キャー」
「どうした。何かあったか」
「ウオッ」
「アレー」
砂嵐で先が見えない中、盗賊達は次々と姿を消していく。
「何があった。報告しろ」
「全く状況が掴めません。エッ」
「おい、誰か返事をしろ。オワッ」
そして盗賊団は誰もいなくなった。
砂塵嵐が晴れると、そこには盗賊団員の数と同じだけの穴が地面に空いていた。
その穴には、盗賊達が落ちていた。割と深い穴で、簡単には這い出て来れそうにない。
「砂塵嵐も凄かったが、よくこれだけの穴を一瞬で掘れたものだな」
「クレーターを埋めるのに比べれば、屁でもないの」
「あー。ははははは」
レイニィは、エルダがメテオインパクトでこさえたクレーターを埋める事により、土魔法が飛躍的に上達していた。落とし穴を作るぐらい朝飯前だ。
一方、エルダは、レイニィが作業している間寝ていたので、ここは笑って誤魔化すしかない。
「お嬢様。やりましたね」
「流石です。お嬢様」
アイスとスノウィがレイニィを褒め称える。
「一様、逃げない様に蓋をしておくけど、アイスは監視、よろしくなの」
「畏まりました。お嬢様」
警備隊が着いたのは、陽が傾いた夕方の事だった。
レイニィ達はそこで野営する事になった。
盗賊達が「出せー。出せー」と煩くため、なかなか寝付けなかった。
寝不足はお肌の大敵。お天気キャスターは見た目も重要。レイニィには、盗賊団よりお肌が荒れる方が怖かった。
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