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異世界に転生したって『あたし、お天気キャスターになるの!』

なつきコイン

第29話 気圧計の材料を探すの。

 出来あがった温度計を見ていたエルダだったが、一通りみて納得したのか、レイニィに聞いてきた。
「それで、次は何を作る気なんだ」
「気圧計が作りたいけど、水銀ってあるの」
「水銀?何かしら」
「私もわからんぞ」
 ミスティもエルダも水銀を知らないようだ。

「液体の金属なの。銀色なの」
「そんなものがあるのか」
「熱くて溶けてる状態じゃないんでしょ」
「普通の状態で液体なの。なければ、重たい液体なら何でもいいの」
「重たい液体ねえ」
「そんなのあるかしら」
 二人は真剣に考える。
 ミスティは、可愛い妹のために。
 エルダは、新しい知識のために。

「あれなんかどうだ、金(ゴルド)スライムや銀(シルバー)スライムは重いぞ。倒し後、ぐずぐずになるし。液体とは少し違うが使えないか」
「そうね。確かにあれは重いわ」
「うーん。見てみないと何とも言えないの。けど、流れる状態なら使えるかもなの」
 レイニィは、まだスライムを見たことがなかった。

「でも、金スライムや銀スライムなんてどこにいるの」
「エルフの里のすぐそばの洞窟で銀スライムを見た奴がいる」
「よし、狩りに行くの」
 さっそく、レイニィには狩りに行く気満々である。

「レイニィ。あなた未だ五歳なのよ。この前もアント狩りで危険な目にあったばかりでしょ」
「でもお姉ちゃん。試練にもスライム討伐があるの」
「それにしたって、未だ早いと思うわ」
 ミスティが心配してレイニィを止める。だが、そこにエルダが助け舟を出す。

「まあまあ。試練となれば協力しないわけにはいかないだろう。それに、魔法も自在に使える様になってきている。それ程心配ないさ」
「そうかしら」
「勿論、護衛はしっかり付けてもらう。私も一緒だから大丈夫さ」
 エルダとしては知識優先だ。もちろん、レイニィに危険がないだろうと考えたうえでの判断だ。

「お父様がいいって言うかしら」
「お父さまにお願いしてくるの」

 父親を説得し、レイニィは、銀(シルバー)スライム狩りに、エルフの里に行く事になった。
 メンバーは、レイニィ、エルダ、侍女のスノウィ、それに護衛がアイスを含めて三人。後は馬車で行くために御者が一人である。
 例によって、アイス以外の二人の護衛は騎乗で馬車を前後で護衛する形だ。

 エルフの里に行くにあたり、先ずはシャイン国の首都シャインを目指し、レイニィ一行は港町ライズを出発した。

 首都シャインまでの行程は何事もなく。のんびりとした旅となった。
 時々、馬車に近付いてきた角兎(ホーンラビット)が、レイニィの魔法の練習台として、炎で丸焼きになっていたのを除けば、であるが。

丸焼きにした角兎は、後ほど、みんなで美味しくいただきました。

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