異世界に転生したって『あたし、お天気キャスターになるの!』
第15話 クィーンアントと戦うの。
レイニィ達はアントの巣穴に滑り落ちてしまった。
「あいたたた。レイニィ大丈夫か。大丈夫なら俺の上から退いてくれ」
「大丈夫なの。滑り台、面白かったの」
「レイニィ様は肝が据わってますね」
「アイス、灯りはあるか」
「はい、今つけます」
アイスが灯りをつけると、そこは少し広い部屋になっていた。滑り落ちて来た穴の他に、横穴が二本あった。
そして、部屋の隅に十数個の丸い物が転がっていた。
「お兄ちゃん、これ卵なの」
「そうみたいだな。動いているのがあるぞ、もうすぐ孵るのか」
そう話している間に卵の殻にひびが入った。
「ラッキー。これで透明なアントの脚が手に入る」とレイニィが思っていると、殻が割れて、卵の中からアントの幼虫が這い出してきた。異世界だからといって、いきなり卵から成虫は出てこないようだ。成虫が出てくることを期待していたレイニィは肩すかしを喰らってしまった。
「げ、芋虫なの」
虫が嫌いではないレイニィも、幼虫は苦手だった。
「これどうします」
「放っておけばいいだろう。暫くすれば成虫になるだろうから、そうなったらまた狩に来ればいい」
「そうですね。それでは戻りますか」
「そうしよう」
落ちて来た穴を登って戻ろうとしたところで、レイニィはドライの裾を引っ張った。
「ねえ、あっちの穴から音がするの」
横穴の一つから音が近付いてくる。
三人が固唾を呑んで見守ると、横穴から巨大なアントが顔を出した。
「でかいな、女王蟻(クィーンアント)か」
「でかすぎますよ。逃げましょう」
レイニィ達に気付いたクィーンアントは、ガチガチと顎を鳴らして威嚇する。
レイニィ達は穴を登って逃げようとするが、焦っているため、穴が崩れて上手く登れない。
そんなレイニィに向かって、アントが口から何か吹きかけた。咄嗟にアイスがレイニィを庇う。
「ツッ」
アイスが痛みに顔を歪める。
「え、何」
「蟻酸だ。触れると火傷するぞ」
(火傷・・・。お天気キャスターにとって顔は命。火傷なんてもってのほか。それは)
「ダメーーー!」
ピカッ。バリバリ。ドッカーン。
レイニィの拒否をする様に差し出された手から、雷のようなものが発せられ、巨大クィーンアントに直撃した。部屋の中は焼け焦げたような匂いに満たされた。
「何が起こった」
「これは魔法か」
「・・・」
自分がしでかしたことに呆然とするレイニィ。
気を取り直したアイスが、警戒しながら動かなくなったクィーンアントに近付く。
巨大なクィーンアントは既に絶命していた。
これからどうしたものかと思案に暮れていると、ロープを使って、残っていた護衛の一人が降りて来た。
アイスの火傷を水で洗い流し、応急処置を済ませると、レイニィはロープを伝って穴の外に出た。
残った者達で、クィーンアントを解体し、手分けをして穴の外に運び出した。
巨大なクィーンアントンを見てスノウィが腰を抜かしていた。
「あいたたた。レイニィ大丈夫か。大丈夫なら俺の上から退いてくれ」
「大丈夫なの。滑り台、面白かったの」
「レイニィ様は肝が据わってますね」
「アイス、灯りはあるか」
「はい、今つけます」
アイスが灯りをつけると、そこは少し広い部屋になっていた。滑り落ちて来た穴の他に、横穴が二本あった。
そして、部屋の隅に十数個の丸い物が転がっていた。
「お兄ちゃん、これ卵なの」
「そうみたいだな。動いているのがあるぞ、もうすぐ孵るのか」
そう話している間に卵の殻にひびが入った。
「ラッキー。これで透明なアントの脚が手に入る」とレイニィが思っていると、殻が割れて、卵の中からアントの幼虫が這い出してきた。異世界だからといって、いきなり卵から成虫は出てこないようだ。成虫が出てくることを期待していたレイニィは肩すかしを喰らってしまった。
「げ、芋虫なの」
虫が嫌いではないレイニィも、幼虫は苦手だった。
「これどうします」
「放っておけばいいだろう。暫くすれば成虫になるだろうから、そうなったらまた狩に来ればいい」
「そうですね。それでは戻りますか」
「そうしよう」
落ちて来た穴を登って戻ろうとしたところで、レイニィはドライの裾を引っ張った。
「ねえ、あっちの穴から音がするの」
横穴の一つから音が近付いてくる。
三人が固唾を呑んで見守ると、横穴から巨大なアントが顔を出した。
「でかいな、女王蟻(クィーンアント)か」
「でかすぎますよ。逃げましょう」
レイニィ達に気付いたクィーンアントは、ガチガチと顎を鳴らして威嚇する。
レイニィ達は穴を登って逃げようとするが、焦っているため、穴が崩れて上手く登れない。
そんなレイニィに向かって、アントが口から何か吹きかけた。咄嗟にアイスがレイニィを庇う。
「ツッ」
アイスが痛みに顔を歪める。
「え、何」
「蟻酸だ。触れると火傷するぞ」
(火傷・・・。お天気キャスターにとって顔は命。火傷なんてもってのほか。それは)
「ダメーーー!」
ピカッ。バリバリ。ドッカーン。
レイニィの拒否をする様に差し出された手から、雷のようなものが発せられ、巨大クィーンアントに直撃した。部屋の中は焼け焦げたような匂いに満たされた。
「何が起こった」
「これは魔法か」
「・・・」
自分がしでかしたことに呆然とするレイニィ。
気を取り直したアイスが、警戒しながら動かなくなったクィーンアントに近付く。
巨大なクィーンアントは既に絶命していた。
これからどうしたものかと思案に暮れていると、ロープを使って、残っていた護衛の一人が降りて来た。
アイスの火傷を水で洗い流し、応急処置を済ませると、レイニィはロープを伝って穴の外に出た。
残った者達で、クィーンアントを解体し、手分けをして穴の外に運び出した。
巨大なクィーンアントンを見てスノウィが腰を抜かしていた。
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