血の雨

kurokuro

8話

 
 「あまり驚かないんだな」
 「…まぁな。 なぜだか分からないが、俺も出来る気がしたんだ」

 そう言って俺も掌から炎を出してみた。
 だが、その炎は恒星の赤色の炎とは違って、黒かった。

 「黒か。 この施設にいる中で黒色の炎を出したのは湊君が初めてだね」
 「人によって色は違うものなのか?」
 「そうだよ。 炎は能力者であれば出せるものなんだ。 この炎はその人の心の色を表しており、色によって効果も違うんだよ」
 「シゲさんは何色なんだ?」
 「緑色だよ。 私と詩音ちゃんは同じ効果の炎で効果は【傷を癒やす】こと。 ちなみに、詩音ちゃんの方が傷を癒やす能力は上だよ」
 「能力にも差があるのか」
 「そうだね、炎の能力以外にも使える人達は、炎だけを使える人と比べると劣ってしまうんだ」
 「なるほど。 ちなみにシゲさんのもう一つの能力って何なんだ?」
 「【怪力】だよ。 車や大木でも軽々と持ててしまうんだ」
 
 なるほど、つまり俺も何か別の能力を出せるのかもしれないのか。 
 でも、炎以外の使い方が分からない。
 そう考えていると、恒星が口を開いた。

 「別の能力を今すぐに使うのは無理だぞ。 何かきっかけが無い限り、新しい能力には目覚めないぞ」
 「厨二病みたいなこと言いだしたな」
 「テメェ、感電死したいのか?」
 「ということは恒星の能力は【雷】か?」
 「…はぁ、ホント調子狂うよ」

 恒星には呆れられてしまったが、大体の事は把握出来た。
 これでクリーチャーになってしまった人達に何も出来ずに殺されなくなるな。

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