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魔王様、復活のお時間です‼︎

二葉 夏雨

【16時間目】魔王様、コントのお時間です‼︎


「はいどうもこんにちわ〜〜メイベル'sですよろしくお願いします〜〜まずは自己紹介をしたいと思います!」


ここは私立黒瀬川学園会議室に設置された漫談まんだん席である。
今宵こよい、この会議室において『魔王様、復活のお時間です ︎』に登場するキャラの中で漫才師No. 1が決まるのだ。
無論、漫才一発目は我らが主人公、躑躅森 逢魔とその幼馴染、躑躅森 聖良のビックコンビから始まる。


「ボケ担当のコロナです」


ボケはもちろん聖良。そして─────


「ツッコミ担当の…って君コロナにかかってるの!?」


ツッコミは逢魔である。
いざ、この2人がりなすカオスワールドを御"笑"覧あれ─────


「いえ熱いガスの層です、逢魔様」


「ん、ああ太陽コロナの方ね」


出だしはこの二人の夫婦めおと漫才特有の────連想ゲームだ。


「いえおいしいパンです」

「それはコロネだろ」

「最近あったかいからよく寝てます」

「それはごろ寝」

「コロッケ食べるナリよ〜」

「コ◯助」


 軽快けいかいに進んでいくボケとツッコミの連鎖れんさに先程まで静まり返っていた会議室にすずめの涙ほどだが───笑い声が漏れる。
いい。この調子で行けば優勝は我々、メイベル'sである事は火を見るよりも明らかだ。


「…本当はみなさんが飲まれてるお酒です」

「ああコ◯ナビール…」

「まあ私未成年なんですけど」

「未成年飲酒。ダメ。ゼッタイ」


実を話すと───いや、前回から読んでいただいてる皆さんなら分かると思うが────このコント、逢魔と聖良の即興そっきょうである。
まるでジャ◯ジャルの様な適応力ではあるが、これは二人が幼少期からずっと共にあった証拠である。
そう、もはや二人にとって即興でコントをするなど、朝飯前、否、夜飯前なのだ。


「この前無免で飲み行った後車で帰りました」

「お巡りさんこっちぃ〜〜」

「それは置いといて、私ちょっとコロナで辟易へきえきしてる人たちを励ます為に俳句を考えてきたんですけど聞いてもらえますか?」


わははっ。
ついに大きな声で笑い出すものが現れた。
ついに、ついにこの会場につどう100人強の聴衆ちょうしゅうが───聴衆の心が彼らにかれて止まない。これがこの二人の魅力みりょくであり、そして最大の武器でもあるのだ。


「いや君が置かれるべきは拘置所こうちしょだよ、置くだけにってかぁ!?………ごほん、まあ一応聞こうかな」




「ありがとうございます。では。

"展翅てんしされてる クジャクヤママユ 盗んだ僕は 「そんなやつ」"

どうでしょうか?」

「いやそれ俳句じゃないくて都々逸どどいつだろ。あとそれはどこのどいつの事言ってるのよ?」


都々逸。
江戸末期に初代の都々逸坊とどいつぼう 扇歌せんかによって作られた、七・七・七・五の音数律に従う口語の定型詩だ。


「『少年の日の思い出』の主人公です」

「それはヘルマン・ヘッセの名著だろ。てか都々逸だけにどこの独逸どいつってか。いやうるさいわ!」

「まあ私はビールですからね」

「…ああ、ドイツだけに。いやいらん伏線を回収すなぁ!もうちゃんとやってよ!みんなコロナで参ってるんだから!」


───さすがである。
この都々逸とドイツをかける、これを即興でやってしまうのだ。
このアドリブ力。もはやこの会場にいる聴衆誰しもが彼らの優勝を確信した事は言うまでもない。


「すみませんでした……では気を取り直して。

"ベット下 気づかず過ごす 同居人"

……どうでしょう?」

「ク◯ちゃんさんの企画かな?」

「いえ、大きい嘘つきひげダルマおっさんではなく小さいおっさんの方です」

「その悪口はク◯ちゃんさんのツイートのリプ欄だろ。てかそれ小人じゃない?ああCOVID−19(小人俳句)って事?」




「ああ〜〜〜………」

「いや僕が恥かいただけだろこれ」


会場がれた。
もちろん地震ではない。聴衆の笑い声で、だ。

会議室のボルテージはMAX。
彼らのアドバンテージもさることながらMAXだ。
そして笑いのタックスを徴収ちょうしゅう───一気にCLIMAXだ。


「for Y◯U。良い曲ですよね」

「いやそれはハ◯→さんの名曲だろ。てかそこ伏字にしても意味ないから」

「ミル◯クラウン・オン・ソーネチカも良い曲ですよね」

「そっちはユ◯ーpさんの名曲だろ。てか曲関係はJAS◯ACに怒られるからやめてください」

「AF◯AC↑(裏声)」

「それは保険会社のアヒルだろ」

「ボク他の子とは違うんだ…」

「それはみにくいアヒルの子」

「このアヒル超カワイ〜〜フォトショで盛っちゃお☆」

「それは見えにくくなるからやめろ」

「私実はスター性ありますよね?」

「自分が見えてないだけだよ」


怒涛どとうのボケとツッコミ。
まるでぷよ◯よの様に連鎖し、螺旋らせんとなって繰り出されるその神業の如くコントはもう誰にも止められない。
そう、神様だって仏様だって───逢魔たちに様代わりする聴衆の心は止められない。


「どうもコロナウイルスです」

「確かに肉眼じゃ見えないけどね!てかここにきてその伏線回収はうますぎだろ」

「実は人類を滅ぼす力があります……!」

「見え見えな見栄だろそれは。てか例え人類を滅ぼす力があっても僕ら人類は絶対負けねぇから!!」

「まぁ毛は無くなりますけどね」

「毛だけに上手いことオチたなおい!」

「どうもありがとうございました!!!!」


わあああっっ。
止まらぬ拍手と賛美の声に思わず逢魔の目頭に涙が浮かぶ。

確信した。
逢魔は──逢魔自身で、おのれが最強だと───最強の漫才師であると。

それと同時に変心した。
もう自分たちの都合でいたいけな少女たちの心をもてあそび、恋仲になり、あわよくばその能力を返してもらおうなどと人の心をいじくる様な事を辞めようと。

今の僕らは────最強なのだから。


ふと目先の──演壇えんだんに立っている生徒会長の顔が目に入る。
その表情はまるで、心温まる動物たちの、涙あふれるハートフルストーリーを見た後かの様な赤く上気した顔だった。

その表情のまま、マイクに手をやる。
来る。生徒会長様から直々の称賛しょうさんの言葉が────僕は胸に手を当てた。ほこり高き僕らにコントに対する敬意と、生徒会長から来る言葉を噛み締めるタメだ。


ピィィィン。
マイクのスイッチが入る。
Heilハイル!僕らのコント───────


「会議の邪魔なので退室してくれますか?」


☆ですよねーーーーーーーー!!!!────────


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【登場人物紹介】

●躑躅森 逢魔

魔王の息子で主人公。
今までの話の中でこの回が一番気持ちよかったらしい。よかったね。
でもコント内容に既視感を感じる様な気がする。


●躑躅森 聖良

逢魔の幼馴染でお付きのメイドさん。
多分、今までの回で一番ボケたと思っている。よかったね。
でもコント内容に既視感を感じる様な気がする。
あれ?これ作者がゲr(自主規制)


●ヘルマン・ヘッセ

世界的に有名な作家ではあるけど特段、日本人ならみんなが知ってる人。
なんでかって言うとまさに『少年の日の思い出』のエーミールのセリフ「そうかそうか(以下略)」の下りがネタにされてるから。


●ク◯ちゃんさん

トリオ芸人、安◯大サーカスの一人。
容姿と合わない声の高さで人気。
最近は水◯ウで畜生な一面が発掘されある意味人気に。個人的には起きない選手権の胎動するベットの下りがお気に入り。


● ハ◯→さん、ユ◯ーPさん

両者天才の音楽家。
個人的に作者が好きであったがためにこんなクソみたいなコントに名前を使われてしまった。誠に申し訳ありませんでした。
みんなもお二人の音楽は最高なので聴いてみてね。


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