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魔王様、復活のお時間です‼︎

二葉 夏雨

【14時間目】魔王様、委員会委員会合のお時間です‼︎


放課後。
僕らはと言うとここ、私立黒瀬川学園にいくつも点在てんざいする会議室の一つに来ていた。

目的はもちろん、水原さんに欠席した委員の代わり(あの奈賀井さん)参加して欲しいと言われた委員会委員会合に参加するためだ。


「やはり、と言ってはなんですけどこの会議室もこの学園の御多分ごたぶんれずクソ広いですね」


聖良が辺りを見回しながらそう耳打ちしてくる。

確かにそうだ。
"会議室"だと銘打めいうってはいるがこの広さ、さっぽろ雪まつりぐらいに出展される雪像せつぞうが何体か置けそうなぐらいだ。
あるいは雪だけにホワ◯トベースぐらいはあるだろうか。


「いちいち例えが分かりにくいですよ。せめてターミナ◯ドグマぐらいですよ」


いやそっちも分かりにくいでしょ。
エ◯ーの新しい映画やってるからってその人気に便乗しなくていいから。ちなみに僕はまだ観に行ってません。やっぱりこんだけ待ち時間がすごい長かったから見るのもちょっとらしたくなっちゃうタイプなんですよね。

それはさておき、委員会委員会合にはやはりと言うか、前回水原さんに言われた通り外国出身であろう生徒がちらほら見受けられる。
(再三言って申し訳ないけど)僕らのクラスは日本人ばかりなので余計それが新鮮に感じられてある意味、今回の欠員(奈賀井さん)の代打だいだとしてこの会議に出席する事はこの学園を知るにはちょうどいい機会だったのかもしれない。


「あ、逢魔様。入学式で演説していた生徒会長がお見えになりましたよ」


聖良が僕のそでを引っ張り会議室の前方、演壇えんだんがある方を指差す。
そこには入学式のあの日、爆笑面白スピーチをしてくれたあの生徒会長様とその他生徒会員(2名しか見えないんだけど他に居ないんですかね?)が挨拶あいさつのため登壇とうだんしていた。
さすが生徒会長様と言ったところか、始まりの時間ぴったりだ。


「ご機嫌よう、みなさん。まずは今回の生徒会主導の委員会委員会合につどっていただいた事に対して礼を申し上げたい」


まるで人形の様な容姿の生徒会長様であるがその声もまた、カリスマ性が声帯せいたいを得たような───そんな上手く形容しがたい───そんな"良い声"をしていた。
自然とこの会議室に集まった100人強の人間がほぼ全員、静かにその一言一句いちごんいっく傾聴けいちょうし始めた。

さすがだ。
あの入学式の(クソみたいな)スピーチとは打って変わって今度の生徒会長様のスピーチは『the・生徒会長』という感じだ。


「この会合は委員会に新一年が加わるこの時期に毎回開催かいさいされるのだが────」


ごくごく普通の当たりさわりのないスピーチだ。
だがあの容姿の、あの声の、生徒会長様がしゃべると一風変わって荘厳そうごんな、そんな感覚におちいる気がする。


「さすがこの学校の生徒会長と言ったところね」


気づくと水原さんが僕らの隣の席に座っていた。
そのひたいにはうっすらと汗がにじんでいた。
恐らくここに来るまでも何か仕事があったのだろう。お疲れ様です。ほんと。


「うん、そうだね。なんだか人じゃないような───いや、人なんだけどまるでカリスマの神様が人としてこの世に現れたような、そんな雰囲気だよね。声だけで言ったら聖良の声とそう相違無いような────」


「逢魔様!」急に聖良が慌てたような声で僕の脇腹わきばらつついた。

いてて。一体なんだっていうんだ。
僕は脇腹をさすりながら聖良の方を向くと、やけに耳に慣れた、それでいて僕にとっては、僕らにとっては吉兆きっちょうの訪れである───あの音が聖良のかたわらにあるかばんから静かに鳴り響いていた。


「え、嘘でしょ。そんな事ある?」


素のトーンで僕が驚嘆きょうたんの声を静かに上げると聖良は「いえ、本当です」とこれまた静かに返した。

この中に───この会議室の中に能力持ちの少女がいる………!

え?それ水原さんに反応しているんじゃないかって?だ、大丈夫。このドラゴ◯レーダーは一度登録した能力持ちの人には反応しない様になっている(はず)から………!


「い、いやマジか……!でもこんなタイミングで、それとこんな人数の中どうやって特定すんのさ……!」


 僕が少し(いやかなり)焦《あせ》っているとなんで聖良はそんな冷静なんだよ水原さんが心配した様子で「ど、どうしたのよ?」とこっそり聞いてきた。


「水原さん。この会議室に5人目の───5人目の能力持ちの子が居るっぽいんだ。どうにかして探し出せないかな?」


「は、はぁ!?このタイミングで!?無理よそんなの!逆にどうやればこのタイミングで特定できるのよ!」


ですよね……!
でも今この瞬間を逃したら次に能力持ちの少女が見つかる可能性は保証できない……!(まあ奈賀井さんみたいにちゃっかりぽっこり見つかることもあるとは思うけどね)


「逢魔様。ここは一旦、あの生徒会長のスピーチが終わるまで待ちましょう。あのスピーチが終わってから─────っ?」


聖良が途中で言葉を詰まらせた。
何か妙案みょうあんが思い付いたのだろうか。いやそれともこのタイミングで仕掛けるとか─────


「ちょっと待ってください………このドラゴン◯ーダーの音、あの生徒会長が喋るタイミングで鳴ってません……?」


え?

僕と水原さんは今度は閉口へいこうし、静かに聖良の鞄のなかから断続的に流れてくる独特な音と、耳触りが気持ち良い、あの生徒会長のスピーチのくらべを始めた。

ドラゴン◯ーダーの音。生徒会長の声。ドラゴン◯ーダーの音。生徒会長の声……………。


「あぁこれ生徒会長が能力持ちだわ(確信)」


☆だんだんと雑になってくる能力持ち少女探索回────────


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【登場人物紹介】

●躑躅森 逢魔

魔王の息子で主人公。
なんだか最近平和回が多くて安心感とこの先の不安感のディレンマに挟まれるまともに夜寝られないらしい。その度聖良がひっついてくるのも(色んな意味で)不眠症の素か。


●躑躅森 聖良

逢魔の幼馴染でお付きのメイドさん。
なんだか最近平和回が多くて不満が溜まっている。その発散のために夜寝る時は逢魔にひっついている。逢魔の(ある意味)ストレスの素。


●水原 さくら子

2人目の能力持ちツンデレ貧相クラス委員少女。
やっぱりと言うか、なんと言うか、思った通り出番が多めになってしまっている。
出番が多いと言うことはキャストとしては嬉しいはずだが本人としては心労が増えるためやめて欲しいと思っている。

???「わ、私の出番は……!?!?」


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