ある日、あの夏、あの場所で〜天ヶ瀬優人の記憶〜

月島悠時

世界の真相を知るために

2030年8月2日、今日も干枯らびるような夏の猛暑が続いていた。
「夏休みなのに、することひとつもねえなぁ」
俺が住んでいる場所は都心からとても離れた遊ぶ場所が何もないド田舎だ。
「暇すぎるし山にでも登ってこようかなぁ」
ターコイズブルーのリュックにスポーツドリンクとスマホを入れて玄関に向かった。「母さん、俺ちょっと山に行ってくる」
「暗くなる前に帰ってきなさいよ」
「もう俺、小学生じゃないんだから言われなくても分かってる」「じゃあ、行ってきます。」俺は足早に山へとむかった。
「はぁ、はぁもう疲れた歩けねぇ」
そして山の中腹あたりまで辿り着いた。
「なんだこれ?」銀色のさびついた大きな扉を見つけた。かなり重そうな重厚な扉だ。
「試しに開けてみるか」
「全然開かねぇ、俺体力には自信あるのに」
思いっきり引っ張るとやっと扉が開いた。扉から眩い光が溢れ出て、俺はその扉に吸い込まれた。
「うわぁぁー、助けてぇー」情けない声が出てしまった。目を覚ますととてつもなく透き通った海の中だった。まるで昔見たアニメの海の色のようだ。
「ごぼごぼ」(何で、海中に!俺、泳げないんですけどぉー。やべぇ俺このまま死んでしまうのか?ああ、もう息ができない)意識がそこで途切れてしまった。
「君、大丈夫」
「ねぇ、目を覚まして」
可愛らしい女性の声が聞こえる。(誰の声だ?)その瞬間俺の意識が完全に戻ってきた。
「ここはどこだ?」
「うわぁ、びっくりしたぁ。意識戻ったんだ。ここは神風町」
少女が答えてくれた。
「どこ?聞いたことないんだけど」
俺はのちに理解することになる。この世界の秘密を。

コメント

コメントを書く

「現代ドラマ」の人気作品

書籍化作品