第7特区

Ananclus

第10話 少女と剣の使い方

 
 「くうう!!」

 この犬っコロ!!真っ先に私に飛び込んできやがった。さっき瞬間的に本試験の記憶が過ぎったのはなんで、、、

 「ナギ大丈夫か!!」

 「私は大丈夫!たかだか犬っコロ一匹にやられてたまるもんですか!」

 とは言っても剣がうまく使いこなせない。フェンリルの時は、パワーフローとか言うの無意識で出来てたのかな?

 逆になんでこんな、意識してリンクを保とうとするのが難しいのよ!全然だめだ。何よりも、剣が重すぎる。

 「この、犬!!」

 私は犬っコロに噛み付かれる前に、重い剣を使って必死に剣を振り回す。けど、全然当たらない。まずい!

 「ああ!!くっコイツ。顎が強い!!」

 右膝を思いっきり噛まれる。私の膝から血が流血して、肉が裂かれるような、痛み。ホログラムとは全然違う!! 

 「やってくれたわね、お前!ぜっ対に許さないんだから!」

 剣が使えないんなら、こう!私は剣を手放して、上空に遠隔で滞空させる。そのまま、両手で犬を噛み付いたところから引き離そうとした。その顎をいい加減離せ、犬!。全集中しろ!私の膝が裂けそうだ。

 「くたばれ!」

今!十分な高さ!そのまま、対空した剣をコイツの胴に思いっきり突き刺す!いつかのバイクのスピードの時と同じぐらい早く!!

 「上からあ!!それしか無いでしょうが!」

突き刺さった剣を思いっきり引き抜いて、何度か串刺しにする。犬っコロのアンドロイドを始末した。こんな犬っコロ1匹にこんなに手間がかかるなんて、、、

 「はあ、はあ。」

 「くそ、悪い!ナギ!!俺はこっちで手一杯だ!!すまない!」

 くそ。私、全然、剣が使えないじゃ無いの。それなのに急にあの本試験の記憶が蘇ってきて、、、

 待った。馬鹿か私は。剣がど素人のクセに、剣を振ろうとしてどうする?私の強みはそこじゃ無い。

 「剣と1つになることだろ!序列5位のランナー兼ストライカー!の久里間 ナギでしょうが!!」

 もっと、フレームの可能性を、私の中で自由に広げろ。そうだ。私には私流の、《《剣の使い方》》があるんだから。フフフッ。もうこれしかないわ。

 「さあ、来なあ犬共。お手をしない子から、駆逐する!」

 


 

 

 

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