第7特区

Ananclus

第25話 少女と選定

 
 遂にこの日がやってきた。なんと言うこの、この、緊張感のなさ。

 というか私、何も準備してないし!適当にやるつもりはないけど、技量の高めかたとかまったく分かんないし、笑えないなあ。全く笑えんっす。

 「それでは、これより選定試験を行う。試験内容だが、それぞれ別のフィールドで、任務を遂行してもらう。各員には監査役として私と同じ、教官が君たちの行動をくまなくチェックし、スコアをつける。
 そのスコアに基づき、君たちの今後のポジションを決める。以上だ。では各自任務に取り掛かれ。」

私たちは、広大な土地に放り出された。
廃ビル群のエリア、山岳地帯、それと自然が生い茂ってる森エリアにホログラムで敵アンドロイド及び、何らかの


障害物が放たれたらしい。

 目標は、さっき私たちが渡された、丸型のチップ?を集めること。各フィールドに散らばっているこの10円玉のようなチップを5枚集めるか、人型のホログラム(人形)の救助、及び戦線から無傷で離脱すること。

 今回は完全に1人で行うワンマンのオペレーション。

 なんか、さっきまで、緊張の”き”の字もなかったけど、すごい緊張してきたあ。監査役で、無口の教官に連れて来られて、こえーよ、なんか喋りなさいよ。
こんな場所… トイレ、行きたい。トイレ!
 
森がすんごい、もりもりしてるもの。富士の樹海かよ。ここまじどこ!無駄に広いわ!!

 「では、始め!!」

 それぞれが、監査役の教官と共にスタート地点に立って、開始の合図がチップからなった。
 「よっ、よろしくお願いします。教官殿。」

 ってもう居ないし!!

 私は今、深い森の中に居ます。

 それにしても、すごいなあ。地下にこんな本当の樹海みたいなのを作っちゃうなんて、私の居た世界じゃあ信じられない。

 とりあえず、この10円玉?集めましょうかなっと!

 「よお!ナギちゃん!だっけ?」

 人の声?ていうか私の名前を、

 「ええ?どこ?」

 周りは私の身長を超える林やら、大木で人の姿が完璧に見えない。

 「ここだよ、ここ。」

 と言いながら彼は林から飛び出してきた。

 「あっ、そんな所に!えーと名前は、何だっけ?」

 深い森の中、生い茂る林の影から赤いドレッドヘアーの不良が現れた。

 「サビだよ!サビ!」

 声がデカいな。私、基本的に声がデカい人は苦手だ。耳がきーーんとなる。

 「あっ、ああえーと3人グループの。」

 サビとかいう見た目不良は、クラスの中でも一番身長が高い。その印象的な髪型と目つきの悪さから、私の学園生活ではほとんど視界に入らなかった。私の学園生活はレインちゃんと、マシューと、ナオミちゃんと時々ゾローグ君なのだ。

 この前の図書室での勉強は良かったなあ、内容がすっかり入ってないんだけど、ただただ、あの2人キリの空間に酔ってた。あーやんばい。ヨダレが、、えくぼが出ちゃう。

 そんなんだから、この人は眼中に無い。いつも3人で仲良く、確か、小太りの人と、もう一人の坊主君、名前はカドだっけなあ?と一緒に行動している。

 私の学校にもあー言う感じのは居たけど、まず見た目がダサかった。
 小5の時は中学のサル共を葬り去ったしなあ。みんな上下、黒金のジャージだったのよね。まーじださかったわあ。

 でも、こっちの学生服とかビリビリに破いたら教官からビンタを食らうんだろうなあ。私服が見てみたい、、

 「せっかく出会ったんだし、一緒に行動しようや。別にチームを作っちゃダメ。なんてルールはないだろう。」

 それはありがたい!意外といい奴なのか!!
 エリートな私でも土地勘は皆無なのだ。こんな深い森なんか一生同じところ歩き回っちゃう。

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