第7特区

Ananclus

第23話 少女と放課後

 
 私の頭の中は訳のわからない数学と演算と論理式とやらでもうパンク寸前だった。いや、パンクしている。
だってこの前からストレスでデコニキビが消えない。

「はああ、全くわかんないよお。この敵のアンドロイドの攻撃方法とかさあ、難しすぎて、むりいいい」

「なんでだよ、、下級生でもわかるぞこんなの。お前本当にどこからきたんだよ。」

 「うーん、だって、こんなの勉強したことないしー、物理苦手だし、何このf(x)みたいなやつ、fって何だよー。」

 「fは速度だろ?速度が上がるにつれて、敵との距離とか時間とかの立体的に求める計算式だろうが、初歩的すぎるぞ。」

 マシューが手振りで分かりやすく説明してくれるけど、その説明が私の頭の中に届かないんよねえ。目とか耳から入った情報が、次の瞬間には頭を介さずに抜けていくって言うか、、

 「それよりさあ、遊びたいよおお!もう私の脳みそがさあ、脳汁垂れ流してんの、甘いものが、楽しいことが足りないってすんごい嘆いてるよ、どうするコレ、」

 おねだりのポーズをかましながら、私はマシューにねだる。

 「はあ、仕方ないな。息抜きも必要だし、俺も選定試験前で少しピリピリしてた。10階層へ行くか。」

 「いやっほう!!」

 「えっ、マシューとナギちゃん10階層へ行くんですか?私もちょうど行こうと思ってたところなんですの。」

 ナオミちゃん。ノリいいい!さっすが、お母さん!

 「僕も行こうかな。久しぶりにあれがしたいしね。」

 「あっ、ゾローグ君も。」

 「ちょっ、俺は別にそんな、、」

 「まあまあ、いいじゃないですかあ、隊長!みんなでいきましょうよー!」

 「参ったな、全く。」
 
 そうだ、マシューは私の頼みに弱いのだよ。ハハハハハッ!
 「あっそうだ、レインちゃんも誘おうよ。」

 「レイン?あいつは忙しいからな、来ないと思うぞ。って居ないし、あいつこういう時はすげー早いのな」

 「フフフッ、ナギちゃんらしいですわ。」

 あっいた居た!今日もその凛とした表情!可愛いいいい!!百合だよねえ百合!!

 「おーーーーい、レインちゃん!なーにしてんのこんなところで?」

 「そんなに急に私の前に現れて、、、あなたには関係ないでしょう。本を読んでるの。」

 「へええーそれよりさあ、みんなで10階層に行くからレインちゃんも来ない?」

 「10階層へ?何をしに行くの?」

 「決まってんじゃん!!あそこと言ったら、ショッピングでしょ!!」

 「。。。はあ。私はいいわ。忙しいの。あなたたちに付き合ってる暇はないわ。」

 「そっかあ、残念だなあ。珍しい本が置いてあったのになああ、どうしようかなあ」

 「!!!」

 ホホーウ。食いついてきたか。

 「いや、でも私は行かないわ。じゃあね。」

 そんなあ、そこまでいうなら仕方ないかあ。まあいざ、気を取り直して。

 私たちは10階層にやって来ました!!10階層はどうやら庶民の交流の階というか私的には1番賑わっているところ。
 
食料品店とか、洋服屋さんとか、本屋さんとか、他にも色々ある。活気があって、一番国の中の街っぽい階層。

 それと、この1から3番ブロックまでが大きな街みたいになってて、4番から6番が農業エリア。川も流れてて、湖とか田んぼとかあって、天井には太陽?みたいな電球もついている。正直、この階層に住みたい…

 とりあえず今日はこの階層を堪能しまくる!

 「やっぱり、ここのパイは美味しいですわあ。」

 「ナオミちゃんたべすぎ!!って言ってる私も4つ目だけども!」

 そして、ここのパン屋さんのパイが最高に美味しい。

 「私、ここのリンゴを使ったパイが大好物ですの。正直言って、学校の食事よりも何倍も美味しいですもの!!」

 「うんうん、わかるよ!!外はカリッと、中はフワフワしてて、リンゴが丸々一個使われてて、おいぴーーーー!!」

 「確かにうまいな、初めて食べたぞ。」

 「えええー!マシューまじか!いつも何食べてるの!」

 「まあ、肉とか、シチューとかパン?」

 うううっ。それって学校の食事じゃない。

 「てか、ゾローグはどっか行っちゃったし!?」

 気がついたら、ゾローグがいない。とう言うか、私達がパイに夢中になりすぎているのか、

 「あっ、私も少し用事あるから、あとで川で合流しよう!!」

そう言って私は一旦みんなと別れた。

 この後はみんなで川に魚を釣りに行くのだ。その前に私の用事を済ませる。

 あとで、ナオミたんのボディーチェックもしなければ!!

***

 数十分後に私たちは川辺に合流した。
 
 「おっまたーー!」

 「お待たせーー」

 ゾローグ君が完全にどこかの少年ににしか見えない。短パンに半袖、それに虫取りあみ、みたいなやつをぶら下げている。

 「これは、ヒ、ミ、ツ。ですよ。」

 この子意外と面白いわ。

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