第7特区
第21話 少女と日常
 あの合同演習から、2週間が過ぎて、クラスの雰囲気が険しくなっている気がする。
「ねえねえ、マシュー。最近、なんかピリピリしてない?どうしたのみんな?」
私が心掛けていた敬語なエクセレントガールは3日も経たずに消えた。
「はあ?ナギ、全然知らないのか?もう二十日後には選定試験があるだろう。」
「選定試験?って何それ?初耳だけど」
「選定試験っていうのは軍においての自分の役職(ポジション)の選定ですのよ。」
「あっ、ナオミちゃん。」
「実際は、軍の部隊は小隊ずつに分かれていまして、4人1班で構成されます。それを纏めるのが軍団の団長ですが、だいたい団長クラスになるのは士官学校を卒業する貴族階級の人たちなので、私たちは小隊長を筆頭にした小隊として動くことが多いです。」
「ほうほーう。それで、それで!」
「はい、その中でも役割がありまして、ストライカー、ディフェンダー、ランナー、シューター、オペレーター、ヒーラー、この6つになります。4人で構成されるのですが、人一人に対して、最適なポジション+サブポジションという形で補いますの。」
「うっ、うーん。はい。うん。わかるわかる。」
「まあ、お前はわかってなさそうだから、簡単に。」
マシュー私の事わかってきたなあ。
「ストライカーってのは攻撃の要だ。敵を粉砕する。とりあえず攻めまくる。
: ディフェンダーってのは敵の注意を引き付けて、相手から味方を守る防御の要。
: ランナーは敵の懐に潜り込んで攻撃したり、偵察したりする。要は機動性重視。
: シューターは遠距離から敵を攻撃する。狙撃の要だ。
: オペレーターは戦況を把握し、各員に状況を伝える。伝達の要。隊長に適役。
: ヒーラーは負傷者を応急処置したり、味方を支援するまあ、病院屋さんだ。」
「なるほど、なるほど。なんかイメージが湧いてきたような、湧いてこないような、、」
「フフフッ、それを今度の選定試験で決められますのよ。」
「ふーん。なるほどねえ。でっマシューは何になるの?」
「俺はもう決まってる。ストライカーとシューターの兼用のポジションだよ。決まってんだろ。」
ほうほう、それってつまり、近くで攻撃もするし、遠距離からも敵を仕留めるってこと?でもこの前みたいな不意打ちができたら、なれるのかね?
「私は、ヒーラーですわね。戦闘自体はそれほど、得意ではないので、後衛のポジションがいいですわね。」
うんうん!ナオミちゃんがヒーラーってすごく似合うなあ。
あれだけ極端に犬っコロを吹っ飛ばしてたし、戦闘も行けそう。
でも何だろう。さっきから、昨日の保健室のエロいお姉さんのイメージがすごくチラつくのは、、、
「そういう、ナギは?」
「えっ、私い?私は、、うーん。まだ決まってないかも?アハハ、アハハハハッ!!」
「まっ、そんなところだろうとは思ったけど。しっかり決めとけよ。今後の人生に関わるからな、その選定試験までに、自分の能力を最大限伸ばす。」
そっかあ、ていうか最初私は全然クラスで浮いている感じだったけど、なんか空き時間にこうやってお喋りしてるって、なんかいいなあ。私の居場所が出来てきた気がする。
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