第7特区

Ananclus

第12話 少女とフレーム

「って言うことがあったんですよ〜!カリーナさーん!」

「ハハハッ、それは容赦ないな。さぞシチュー臭くなっただろう。ナギの学服も、にしても、その少年も模擬訓練でそれとは。双剣使いか、珍しいな。」

 私は地下14階層の軍人が生活している軍施設部の居住区画に来ている。正直言って、私の家がある層とはガラリと変わってる。

ちょっと鉄くさいって言うか、強面の教官が石で出来ているタイルを忙しそうに、何往復もしている階層。いろいろな施設とかあって、私にはまだよくわからないことばかり。

 前から思ってたけど、やっぱりこの地下帝国?は上から下の層になるに連れて、街が発展していると言うか、差がある気がする。
と言ってもどの層も中世のヨーロッパ風が多いんだけど、、

どこかにフリルのスカートとか売ってませんかねー。可愛いステッキとかさあ、シルクハットとか、お姫様とかおらんのかねえええ。レインちゃんとかに着させたい…

 「そんなに珍しいんですか、双剣使いの、、えーとフレーム?」

 「ああ、軍人でもフレームを同時に2種類も使えるのはそうはいないさ。
 それは自分の思考や、集中力を並列させないといけないからな。

 片方のリンクが途切れてもダメだし、分散によって1つ1つの性能が落ちたりもする。扱いはむずかしいと思うぞ。だが、その分メリットもある。

まずは、身体強化をしながら、フレームを分断させ、敵を攻撃できる。
 例えば、一つは自分を完全に防御しつつもう一つで相手を攻め入る、要は攻防一体が遠隔と近接で行える点。」

 カリーナは本当になんでも知ってる。それにこのハスキーボイスが、彼女の魅力を引き立てている、たまらんっす。

「うーん、何だかよくわからないし、難しい。」

「そうだな、ゆっくり時間をかけて学んでいけばいいさ。大事なことだ。」

そう私はまだこっちに来て日が浅いのだ。わからないことが多すぎる。

「だがデメリットの方が大きい。
フレームは自分の意思や思考を用いて遠隔で攻撃できる武器だが、リンクしてる状態で、フレーム自身が破壊されると、持ち主は神経を介してその痛みを伴う。
最悪、ショック死、もしくは感情に欠如が起きる。
だから、皆1つに絞りそれを大事に扱うんだよ。言わば、もう一人の自分な訳だ。」

 「もう一人の、自分。。。」

 「ところで、ナギ。」

 「はっ、はい!」

 「フレーム持ってないんだって?」

 「あっ、そう言えば、はい。持ってないです。」

 そうだ〜私、元々フレーム持ってないし、そもそもどこでゲット出来るのかわからないのよねえ

 「じゃあ、見つけにいくか。」

 「はい。」

 ん?

 「えっ、今、なんて!?」

 「ああ、お前のフレームだよ。無いと流石に困るだろう。うっ、何だその神に忠誠を誓うかのような目は、やめてくれ、てっ照れるだろう。」

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