第7特区

Ananclus

第6話 少女とお国

 
「この国では、6歳から15歳まで、軍の養成学校に入ることになる。そこでも、使えないものにはこの国では家畜と一緒だ。
くれぐれも肝に命じておくようにな、名前はナギだったか?」

 「はっ、はい。」

 カリーナさんは本当に私に色々と教えてくれた。この国に迷い込んでから次の日には住民登録のために、左手の甲の所にものすごく小さい液晶板みたいなものを注射される。
 
 どうやら、私は14歳だから学校に行かなきゃいけないらしい。しかも、その学校で最上級の学年だとかどうとか。

学校はこの、デカイ地下帝国の地下12階にある。
昨日は、色んな事が起こりすぎて完全に頭が真っ白で、景色とかが入って来なかった。

そりゃそうだ。あんだけ死にそうになった経験は、小さい時に興味本位で花火を目に突っ込んだ時以来なんだから、

 今は頭が平常運転に戻ってきて、なんとなくこの薄暗い、地下の遺跡みたいな国の構造が頭に入ってきた。

 私が住んでる、地下4層から6層までは下民居住区と呼ばれていて、巨大な1っぽん道の左右にテントがズラーと並ぶ。

 正直、敷き詰めなぐらいにズラーっと。だからテントとテントの間の間隔が無い、、、私のプライバシーが、年頃の女の子の生活が丸見えだ。

 18層から上は私よりも ”上の階級” の人たちが住むとか言ってたけど、正直そう言うの、わからない。
 
 この国のすごい所は、全ての層が中央の巨大なエレベーターでつながっている事。一言では表すのは、なんて言うか難しい。

とんでもなくデカくて、透明のガラスで覆われているエレベーターがある。
全部で4つ。どれも30人は簡単に入ると思う。

それと地下12階にある学校は、その層が丸々、学校の施設になっていて、校舎とどでかいグラウンド、それに、森とか山とか、他にも廃れた街みたいなのがある。

学校にはシャワー室がある。といっても冷たい水しか出ない、、、でも身体は一応洗えるから、一応ね。うん。匂いは平気だと思う。イチ髪のシャンプーとか流石にないよねえ、

そう。私はいまここ、12階層にいる。ここと管理局のあった階の天井には太陽みたいにキラキラしてる丸い電球?があって日光浴ならぬ電球浴ができそうな。

なんて言うか変だ。層ごとに違う ”まち” があるような、そんな感じ。

 「後は、教官方に話を通してある。とりあえず困ったら、そのチップが埋め込まれた箇所の、左手の甲を強く押すと空中に液晶がディスプレイされる。そこから、私に連絡出来るわ。」

 「はい、あり、ありがとうございます。カリーナさん。」

 カリーナさんははっきり言って美人だ。品があって、頼もしいお姉さんってかんじ。瞳は青くて、透き通っている。髪が茶髪。凛々しい。


でも、私は昨日のことを未だに引き摺っていた。くじくじしてる。こんな状況になって、親友の杏がすごい不安でたまらない…

 「そう、暗い顔をするな。隊長が死んだのはお前さんのせいじゃないよ。それは本人の責任だし、悪いのは敵のアンドロイドだ。気にするな。」

 そう言って、カリーナさんは私の頭を優しく撫でてくれた。でも、少し悲しそうな表情だった。

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