第7特区

Ananclus

第2話 抹殺者

 
「いいか、今回の作戦の要件だけ、手短にもう一度確認する。今作戦における最重要任務は敵、人型アンドロイドの殲滅、第3階層の奪還である。
これ以上、地下に奴らを進入させてはならない。各隊の検討を祈る。神々の慈悲を、人類に栄光あれ。」

 「はっ!敬礼!!」

軍服に腕を通して、白色の軍用手袋を身に着ける。この地下帝国、通称

”輪の国(リンドレーム)”の軍隊、第一軍 α小隊に俺は身を置いている。第一軍は中央司令部お抱えの兵団で、他の兵団とは違い、"特機戦力" と呼ばれる、精鋭しか入団を許されない。

敵のアンドロイドを1人で各個撃破出来る強さがあり、その特機戦力で組まれる小隊、それが第一軍、α小隊だ。

 何層にも重なって出来ている巨大な地下帝国は地下1階から地下29階までになる。だが、現在は西側の第3防衛ラインが突破されてから自由に行き来できるのは地下階層4階から29階までだ。

 「全く、お前がいるだけで安心するぜ。抹殺者イレイザー

 「ん?ああ。」

 無線で他の部隊からの通信が入る。いつものことだ。作戦にあたり、先の見えない戦いに身を投じる。俺の居場所だ。

 「こちら第8小隊。目標地点の地下第3階層に到達。現在、敵兵の姿は視認できない。そちらは?」

 「こちら、チームα。敵、人型アンドロイドを視認。戦闘を開始、目標を駆逐する。」

俺たち、α隊は先行部隊として、地下の第2階層へと到達していた。
地下の第3階層を完全に掌握するため、2層と3層の間のゲートを閉じるためだ。

ここは、”あいつ” の影響で物凄い数のアンドロイドが徘徊している。
早速か。10時の方向から、随分と軽装だな。人型か?

フレームとの ”フルコンセントレイト” で俺の頭の中に、全体の街の様子、敵の数と配置。全てが立体のモデルとして流れ込んでくる。

アンドロイドには核と呼ばれる人間で言う心臓が存在する。

大体は胸の左側、もしくは頭だ。アンドロイドがこちらに気付き、射撃用のアームでこちらに標準を合わせてくる。だが、

 「遅い。」

敵の懐に潜り込む。後は線をなぞるように手持ちの翡翠色の剣型フレームで斬る。

ガシャンッ!という機会が壊れる音と共に、それはバラバラになり、動かなくった。

これで5体目か。まだ、ここに着いてから3分と経ってないぞ。いくら人型だからと言っても、キリがないな。

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