異世界で魔王の配下になった件
すごろく勝負
「すごろくだって……!?」
「そうだわさ」
「生きるか死ぬかって大事なことをすごろくで決めるのか?」
「そうだわさ。別に嫌ならやらなくてもいいんだわさ。お主は生き返れないだけだわさ」
「う~、やるよ。それしか生き返る方法はないんだろ」
「それでいいわさ」
幼女が満足気に首を縦に振る。
「ルールを説明するわさ」
「いいよ、別に。すごろくくらい知ってるから」
「ふーん。じゃあ早速始めるわさ」
「先攻は譲ってやるわさ」
サイコロを二つ俺によこしてくる。
「おう、サンキュ」
俺は二個同時にサイコロを振った。
すると突然、
ビービー!
と警報のような音が部屋中に鳴り響く。
「おい、なんだこの音」
「不正をした時の警告音だわさ」
笑みを浮かべながら言う。
「不正ってなんだよ。俺は不正なんてしてないぞ」
「お主はサイコロを二つ振ったわさ」
「だからなんだって言うんだ」
「このすごろくはサイコロ一つでやるものだわさ」
幼女がにやり。
「お前がサイコロ二つ渡してきたんだろうがっ」
「二つ振れとは言ってないわさ」
「卑怯だぞ。そんなこと俺は知らなかったんだから……」
「お主が説明はいらないって言ったんだわさ」
「それは普通のすごろくだと思ったからだよ。違うなら違うって言えよっ」
「もう遅いわさ」
警告音はビービーとまだ鳴っている。
「おい、この音どうやったら止まるんだよ」
「お主がうちに1000ゴールド払えば止まるわさ」
「1000ゴールドってなんだ?」
「所持金だわさ。どっちかがゴールした時に所持金をたくさん持ってた方が勝ちなんだわさ」
「くそっ、そうなのか……で、俺は今いくら持ってるんだ?」
「1000ゴールドだわさ」
楽しそうに言う幼女。
「全額じゃねぇか!」
「ほら、さっさと払うわさ。耳が痛くて堪らないわさ」
片手で耳を塞ぎ、もう片方の手でお金を催促する。
「ちっ……これで文無しだ」
「ちなみに言っておくとマイナスになった瞬間負け決定だから注意するわさ」
なんだと!?
もう俺の所持金は0だぞ。
「そういうことは先に言っとけ」
「ふふ~んだわさ」
俺はサイコロを一つ持って振った。
「よし、六だ!」
出た目は六。
俺は駒を動かそうとして、
「駒はどこにあるんだ?」
駒がないことに気付く。
「ふふ~ん、駒はお主だわさ」
幼女はどーんと俺をいきおいよく指差した。
その瞬間俺は小さくなりすごろくの駒になってしまった。
「このガキ、どういうつもりだ!」
小さくなっているので俺の声は幼女には届かない。
「早く六マス進むわさ」
淡々と言う幼女。
「くそ」
俺は渋々ボードの上を六マス分歩く。
ボードゲームは好きだが、まさか自分がすごろくの駒になるとは思わなかった。
だが最高の目が出たんだ。気分を切り替えよう。
「ほら、六マス歩いたぞ」
「じゃあ下に貼ってあるシールをめくるわさ」
「はいはい」
俺は六マス目のシールを小さい体ではがした。
そしてマスを見る。
そこに書いてあったのは【五マス戻る】の文字。
「なんだこりゃ」
「ほらほら、早く戻るわさ」
「なんだ、このクソゲーは」
俺は五マス戻った。
ちくしょう、実質一マスしか進めなかったじゃないか。
「次はうちの番だわさ。ほいっ」
サイコロを振る。
出た目は五。
「はい、じゃあうちも小さくなって……と」
そう言いながら小さくなっていく幼女。
「五マス進むわさ」
五マス歩いた。
そしてマス目のシールをめくる。
【五マス進む】
の文字。
「お前、いかさましてるだろっ」
「そんなことしてないわさ。でもうちは神だから運がめちゃくちゃいいんだわさ」
反則すれすれのきたない体質かよ。
ボードゲームでは有利すぎるだろ。
「五マス進むわさ。ほいほいほいっと」
なんだこれは……しょっぱなから九マスも差をつけられてしまった。
早く追いつかなくては。
俺は天に祈ってサイコロを振った。
すると出た目はまたも六。
「よっし。ついてるぞ」
俺は足を弾ませ六マス進んだ。
「シールをめくるぞ」
「どうぞだわさ」
マス目に書かれていたのは【相手から1000ゴールドもらう】の文字。
「よっしゃ、やったー! くれっ。千ゴールド早くくれっ」
「うるさいわさ。ちゃんとやるわさ」
「へっ。これでイーブンだぜ。運がいいっていっても所詮こんなもんだな」
「はいはい、次いくわさ」
そう言ってサイコロを投げる幼女。
出た目は一。
「ほら見ろ、めちゃくちゃ運がいいなんて言った割には大したことないじゃねぇか、えぇ?」
「お主、人が変わったようだが大丈夫だわさ?」
「へへへ、ゲームは人を変えるんだぜぇ」
幼女は一マス分歩いて進んだ。
そこのマスのシールをめくる。
そこに書かれてあった文字は、
【相手から50000ゴールドもらう】
「なんだこの無理ゲーはっ!」
「ほっほ。お主の所持金はマイナス四万九千ゴールドだわさ。ということでうちの勝ちだわさ」
「いんちきだ。いかさまだ。こんなのあり得ないだろっ」
「往生際が悪いわさ。そんなんじゃ女子にモテないわさ」
「生きるか死ぬかの時にそんなこと気にしてる余裕ないわっ」
「そうだわさ」
「生きるか死ぬかって大事なことをすごろくで決めるのか?」
「そうだわさ。別に嫌ならやらなくてもいいんだわさ。お主は生き返れないだけだわさ」
「う~、やるよ。それしか生き返る方法はないんだろ」
「それでいいわさ」
幼女が満足気に首を縦に振る。
「ルールを説明するわさ」
「いいよ、別に。すごろくくらい知ってるから」
「ふーん。じゃあ早速始めるわさ」
「先攻は譲ってやるわさ」
サイコロを二つ俺によこしてくる。
「おう、サンキュ」
俺は二個同時にサイコロを振った。
すると突然、
ビービー!
と警報のような音が部屋中に鳴り響く。
「おい、なんだこの音」
「不正をした時の警告音だわさ」
笑みを浮かべながら言う。
「不正ってなんだよ。俺は不正なんてしてないぞ」
「お主はサイコロを二つ振ったわさ」
「だからなんだって言うんだ」
「このすごろくはサイコロ一つでやるものだわさ」
幼女がにやり。
「お前がサイコロ二つ渡してきたんだろうがっ」
「二つ振れとは言ってないわさ」
「卑怯だぞ。そんなこと俺は知らなかったんだから……」
「お主が説明はいらないって言ったんだわさ」
「それは普通のすごろくだと思ったからだよ。違うなら違うって言えよっ」
「もう遅いわさ」
警告音はビービーとまだ鳴っている。
「おい、この音どうやったら止まるんだよ」
「お主がうちに1000ゴールド払えば止まるわさ」
「1000ゴールドってなんだ?」
「所持金だわさ。どっちかがゴールした時に所持金をたくさん持ってた方が勝ちなんだわさ」
「くそっ、そうなのか……で、俺は今いくら持ってるんだ?」
「1000ゴールドだわさ」
楽しそうに言う幼女。
「全額じゃねぇか!」
「ほら、さっさと払うわさ。耳が痛くて堪らないわさ」
片手で耳を塞ぎ、もう片方の手でお金を催促する。
「ちっ……これで文無しだ」
「ちなみに言っておくとマイナスになった瞬間負け決定だから注意するわさ」
なんだと!?
もう俺の所持金は0だぞ。
「そういうことは先に言っとけ」
「ふふ~んだわさ」
俺はサイコロを一つ持って振った。
「よし、六だ!」
出た目は六。
俺は駒を動かそうとして、
「駒はどこにあるんだ?」
駒がないことに気付く。
「ふふ~ん、駒はお主だわさ」
幼女はどーんと俺をいきおいよく指差した。
その瞬間俺は小さくなりすごろくの駒になってしまった。
「このガキ、どういうつもりだ!」
小さくなっているので俺の声は幼女には届かない。
「早く六マス進むわさ」
淡々と言う幼女。
「くそ」
俺は渋々ボードの上を六マス分歩く。
ボードゲームは好きだが、まさか自分がすごろくの駒になるとは思わなかった。
だが最高の目が出たんだ。気分を切り替えよう。
「ほら、六マス歩いたぞ」
「じゃあ下に貼ってあるシールをめくるわさ」
「はいはい」
俺は六マス目のシールを小さい体ではがした。
そしてマスを見る。
そこに書いてあったのは【五マス戻る】の文字。
「なんだこりゃ」
「ほらほら、早く戻るわさ」
「なんだ、このクソゲーは」
俺は五マス戻った。
ちくしょう、実質一マスしか進めなかったじゃないか。
「次はうちの番だわさ。ほいっ」
サイコロを振る。
出た目は五。
「はい、じゃあうちも小さくなって……と」
そう言いながら小さくなっていく幼女。
「五マス進むわさ」
五マス歩いた。
そしてマス目のシールをめくる。
【五マス進む】
の文字。
「お前、いかさましてるだろっ」
「そんなことしてないわさ。でもうちは神だから運がめちゃくちゃいいんだわさ」
反則すれすれのきたない体質かよ。
ボードゲームでは有利すぎるだろ。
「五マス進むわさ。ほいほいほいっと」
なんだこれは……しょっぱなから九マスも差をつけられてしまった。
早く追いつかなくては。
俺は天に祈ってサイコロを振った。
すると出た目はまたも六。
「よっし。ついてるぞ」
俺は足を弾ませ六マス進んだ。
「シールをめくるぞ」
「どうぞだわさ」
マス目に書かれていたのは【相手から1000ゴールドもらう】の文字。
「よっしゃ、やったー! くれっ。千ゴールド早くくれっ」
「うるさいわさ。ちゃんとやるわさ」
「へっ。これでイーブンだぜ。運がいいっていっても所詮こんなもんだな」
「はいはい、次いくわさ」
そう言ってサイコロを投げる幼女。
出た目は一。
「ほら見ろ、めちゃくちゃ運がいいなんて言った割には大したことないじゃねぇか、えぇ?」
「お主、人が変わったようだが大丈夫だわさ?」
「へへへ、ゲームは人を変えるんだぜぇ」
幼女は一マス分歩いて進んだ。
そこのマスのシールをめくる。
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「なんだこの無理ゲーはっ!」
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