異世界で魔王の配下になった件
モレロ
中庭にある闘技場には既に沢山の魔族たちが集まっていた。
蟻をはじめとして虫と人間が合わさったような者や鳥と人間が合わさったような者など多種多様な魔族がいた。
みんな我こそが新たな幹部と息巻いている。
それはミケも同じでおれの隣で鼻息を荒くしていた。
「なあミケ、よく考えてみろよ。お前は幹部になりたいんだよな、でも幹部になれるのは一人だけだろ。もし俺が、仮にだぞ、幹部に選ばれたとしたらお前は幹部になれないんだぞ」
「ニャ?」
「だから俺は参加しない方がお前にとってもいいことなんだぞ」
「……ニャ?」
バカなのかこいつは。
「よくわからないですがクルル様が幹部になったらボクは嬉しいですニャ」
「う~ん、あのなぁ……」
そうこうしていると半魚人みたいな奴と一緒にヨミが城から出てきた。
「モレロ様だ」
「あの人間と一緒だぞ」
「しっ。静かにしろっ」
会場がざわつく。
「あれは幹部のモレロ様ですニャ。カッコイイですニャ~」
とミケは言うが、俺には不気味な半魚人にしか見えない。
ヨミからメガホンを手渡されたモレロが闘技場の中央に立つ。
「城内放送でも言ったがこの中から新たな幹部を選びたいと思う。今からオレがお前たちに向かって魔力を放出するから最後までこの闘技場に立っていられた者が新幹部だ。では用意はいいか?」
すると、
「モレロ様の魔力をくらうのかよ!?」
「聞いてないぜっ」
「ま、待ってください、棄権しますっ」
「お、おれもっ」
「オレもやっぱりやめるっ」
次々と闘技場から下りていく魔族たち。
チャンス!
俺もこの流れで闘技場から下りてしまおう。
そう思ったが、時すでに遅く、
「いくぞ、はっ!」
モレロが全方位に魔力を放った。
ブルの時と同じで黄色く輝く魔力の衝撃波が襲ってくる。
俺は瞬間的に腕で顔を覆ってこれをガードしたが周りにいた魔族たちはモレロの魔力を体に受け場外に吹っ飛ぶ。
……あれ?
大して圧を感じない。
「ほう。オレの魔力に耐えられる者が三体もいるのか」
見ると俺の隣のミケと闘技場の反対側にいた蛙の顔をしたこじゃれた恰好をした魔族もそれぞれモレロの魔力に押し出されないでいた。
「ク、クルル様。この前のブル様の魔力攻撃に比べればこれはなんとか耐えられますニャ」
モレロの魔力を受けながら少し苦しそうにミケが言う。
俺は正直全然余裕なのだが。
向こう側にいる蛙人間も俺と同じで澄ました顔をしていた。
「ではもっと魔力を上げるぞ。はっ!」
言うとモレロの体から発せられる魔力が一段と強くなる。
「ぐニャニャ!? こ、これは結構やばいですニャ」
黒い体毛をたなびかせながら必死に耐えるミケ。
「ゲコッ……」
蛙人間のマフラーもすごい勢いでたなびいている。
「まだまだいくぞ。はっ!」
モレロはさらに魔力を強めた。
すると、
「ニャー!?」
「ゲコココ……ゲコー」
ミケと蛙人間は圧に耐えきれずに場外に吹っ飛ばされ、闘技場に残っているのは俺だけになった。
モレロは魔力を発するのをやめ俺をねめつける。
「なかなかやるな。お前名前は?」
「クルルですけど」
「クルルか。よし、今からお前が新しい幹部だ」
え……。
こうして俺は魔王の配下になってわずか二週間で魔王軍の幹部になってしまった。
蟻をはじめとして虫と人間が合わさったような者や鳥と人間が合わさったような者など多種多様な魔族がいた。
みんな我こそが新たな幹部と息巻いている。
それはミケも同じでおれの隣で鼻息を荒くしていた。
「なあミケ、よく考えてみろよ。お前は幹部になりたいんだよな、でも幹部になれるのは一人だけだろ。もし俺が、仮にだぞ、幹部に選ばれたとしたらお前は幹部になれないんだぞ」
「ニャ?」
「だから俺は参加しない方がお前にとってもいいことなんだぞ」
「……ニャ?」
バカなのかこいつは。
「よくわからないですがクルル様が幹部になったらボクは嬉しいですニャ」
「う~ん、あのなぁ……」
そうこうしていると半魚人みたいな奴と一緒にヨミが城から出てきた。
「モレロ様だ」
「あの人間と一緒だぞ」
「しっ。静かにしろっ」
会場がざわつく。
「あれは幹部のモレロ様ですニャ。カッコイイですニャ~」
とミケは言うが、俺には不気味な半魚人にしか見えない。
ヨミからメガホンを手渡されたモレロが闘技場の中央に立つ。
「城内放送でも言ったがこの中から新たな幹部を選びたいと思う。今からオレがお前たちに向かって魔力を放出するから最後までこの闘技場に立っていられた者が新幹部だ。では用意はいいか?」
すると、
「モレロ様の魔力をくらうのかよ!?」
「聞いてないぜっ」
「ま、待ってください、棄権しますっ」
「お、おれもっ」
「オレもやっぱりやめるっ」
次々と闘技場から下りていく魔族たち。
チャンス!
俺もこの流れで闘技場から下りてしまおう。
そう思ったが、時すでに遅く、
「いくぞ、はっ!」
モレロが全方位に魔力を放った。
ブルの時と同じで黄色く輝く魔力の衝撃波が襲ってくる。
俺は瞬間的に腕で顔を覆ってこれをガードしたが周りにいた魔族たちはモレロの魔力を体に受け場外に吹っ飛ぶ。
……あれ?
大して圧を感じない。
「ほう。オレの魔力に耐えられる者が三体もいるのか」
見ると俺の隣のミケと闘技場の反対側にいた蛙の顔をしたこじゃれた恰好をした魔族もそれぞれモレロの魔力に押し出されないでいた。
「ク、クルル様。この前のブル様の魔力攻撃に比べればこれはなんとか耐えられますニャ」
モレロの魔力を受けながら少し苦しそうにミケが言う。
俺は正直全然余裕なのだが。
向こう側にいる蛙人間も俺と同じで澄ました顔をしていた。
「ではもっと魔力を上げるぞ。はっ!」
言うとモレロの体から発せられる魔力が一段と強くなる。
「ぐニャニャ!? こ、これは結構やばいですニャ」
黒い体毛をたなびかせながら必死に耐えるミケ。
「ゲコッ……」
蛙人間のマフラーもすごい勢いでたなびいている。
「まだまだいくぞ。はっ!」
モレロはさらに魔力を強めた。
すると、
「ニャー!?」
「ゲコココ……ゲコー」
ミケと蛙人間は圧に耐えきれずに場外に吹っ飛ばされ、闘技場に残っているのは俺だけになった。
モレロは魔力を発するのをやめ俺をねめつける。
「なかなかやるな。お前名前は?」
「クルルですけど」
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