天馬さくらの中二病症候群

シオヤマ琴@『最強最速』10月2日発売

風邪

次の日、俺は朝から少し風邪気味だった。
学校へ行くかどうか迷ったが転校したばかりで休むのもどうかと思い意を決して家を出てきた。


だがどうやらそれは間違いだったようで三時間目の体育の途中、俺はふらふらっとめまいがして保健委員の小杉に肩を支えられ保健室に連れてこられた。


「悪いな、小杉」
「気にすんじゃねぇよ。誰だって気分が悪い時くらいあらあ」
口は悪いが性格のいい小杉に「ありがとうな」と言って俺は保健室のベッドに横にならせてもらった。


保健の先生が、
「もういいからきみは授業に戻りなさい」
と言うと小杉は「ちゃんと寝るんだぞ、真柴っ」と最後まで俺の心配をしながら保健室をあとにしたのだった。


「彼の言う通りちゃんと寝るのよ」
保健の先生が俺に毛布を掛けてくれる。
「先生はちょっと出てくるけど一人でも大丈夫ね」
そう言うとカーテンを閉め保健室を出ていった。


保健室のベッドに横になるのは初めてだが思っていたより意外と柔らかい。
みんなが授業を受けている中寝るというのも少し後ろめたさがあったが俺は目をつぶると疲れていたのだろうか、すぐに眠りについてしまった。

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