死にたがりの魔物使いは異世界で生き抜くためにモンスターを合成します。
ハピネスキングの作戦
瞬間移動した先に待っていたのはマジョルカたちだった。
キリートはハピネスキングから剣を引き抜き蹴り飛ばす。
「……本当に瞬間移動したようですね」
周りを見渡しながらつぶやく。
「クウカイ、大丈夫かっ」
「クウカイさん!」
「ハピネスキングが刺されたっ、どうすりゃいい!」
「早く勧誘の腕輪を使いなさいよっ」
シルキーの言葉ではっと我に返った俺はハピネスキングに駆け寄ると腕輪を押し当てた。
キリートに刺された傷が治っていく。
「マジョルカっ。あいつは俺たち全員を殺す気だぞ!」
「団長の職業はおれと同じ剣聖だがレベルは365だ! こっからどうすんだ、なんかプランはあるんだろうな、クウカイ!」
ベンザが声を上げた。
「365だって!? 聞いてないぞそんなの!」
「ふふふっ、ちょうどいいことに僕の正体を知っている人たちが揃っているじゃないですか。すみませんが全員死んでもらいますよ」
剣を振り払いすたすたと近付いてくるキリート。
「エイミはモンスターたちと一緒に下がっていろ! シルキーはエイミのそばにいてくれ、ここはわたしのモンスターが相手をする!」
マジョルカはそう言うと四体のモンスターに合図をした。
ダイヤタートルと手乗りライガーとハイドラゴンと極楽鳥がキリートに向かっていく。
キリートの剣を避けつつ炎を吐き対抗するモンスターたち。
マジョルカのモンスターはどれも最強クラスに強いはずなのにそれを四体相手に一人で互角に渡り合っているキリート。
「くそ、埒が明かねぇ。おれも行くぞっ!」
ベンザも剣を抜き駆け出した。
すごい戦いを前に俺はすることが何もない。
かかしのように突っ立っている。
『主よ、吾輩たちはただ見ているだけか?』
「仕方ないだろ、俺たちが出ていっても足手まといになるだけだ」
『吾輩の主は情けないことを言うのだな』
「俺は事実を言ったまでだ」
それに五対一だ。さすがになんとかなるだろう。
そう思っていたのだが……。
どさっ。
極楽鳥が片方の羽を斬られ地面に落下した。
腕輪を使って回復させようにもマジョルカは近付けないでいる。
一体減ってパワーバランスが崩れたのか徐々にキリートがおしてきた。
なんて奴だ……。
レベル365は伊達じゃない。
「どうしました? 全員でかかってきてもいいんですよ」
薄ら笑いを浮かべるキリート。
息を切らしているもののまだ余裕がありそうだ。
どうする?
マジョルカのモンスターたちで歯が立たないならどうしようもないぞ。
とそこへ、
『主よ、吾輩にいい考えがあるのだが』
ハピネスキングが話しかけてきた。
「なんだよ、いい考えって?」
『それはだな、まず吾輩と主が手をつなぐのだ。そして吾輩がキリートの背後に瞬間移動するから主はキリートの腕を掴む、掴んだら瞬間移動で上空一万メートルの高さまでとぶ。そして主はキリートから手を放し再度瞬間移動で地上へと戻るのだ。上空一万メートルから落下すればキリートも無事ではすむまい』
腕組みをし、うんうんうなずくハピネスキング。
「それって俺必要か?」
『もちろんだとも。吾輩一人では地上に瞬間移動して戻る時キリートにしがみつかれる可能性があるだろう。そうならないように間にかませるものが必要なのだ』
「それが俺かよ」
と言ってる間にもベンザがキリートに吹っ飛ばされてきた。
「おい、大丈夫か? ベンザっ」
「……」
気を失っているようだ。
マジョルカのモンスターたちを見ると三対一ながら劣勢に追い込まれている。
やれやれ……上手くいくかわからないがやってみるか。
「わかったよ」
俺は右手を差し出した。
『うむ』
ハピネスキングが俺の手を取る。
しっかりと握手をしたまま
ハピネスキングが唱えた。
『瞬間移動!』
キリートはハピネスキングから剣を引き抜き蹴り飛ばす。
「……本当に瞬間移動したようですね」
周りを見渡しながらつぶやく。
「クウカイ、大丈夫かっ」
「クウカイさん!」
「ハピネスキングが刺されたっ、どうすりゃいい!」
「早く勧誘の腕輪を使いなさいよっ」
シルキーの言葉ではっと我に返った俺はハピネスキングに駆け寄ると腕輪を押し当てた。
キリートに刺された傷が治っていく。
「マジョルカっ。あいつは俺たち全員を殺す気だぞ!」
「団長の職業はおれと同じ剣聖だがレベルは365だ! こっからどうすんだ、なんかプランはあるんだろうな、クウカイ!」
ベンザが声を上げた。
「365だって!? 聞いてないぞそんなの!」
「ふふふっ、ちょうどいいことに僕の正体を知っている人たちが揃っているじゃないですか。すみませんが全員死んでもらいますよ」
剣を振り払いすたすたと近付いてくるキリート。
「エイミはモンスターたちと一緒に下がっていろ! シルキーはエイミのそばにいてくれ、ここはわたしのモンスターが相手をする!」
マジョルカはそう言うと四体のモンスターに合図をした。
ダイヤタートルと手乗りライガーとハイドラゴンと極楽鳥がキリートに向かっていく。
キリートの剣を避けつつ炎を吐き対抗するモンスターたち。
マジョルカのモンスターはどれも最強クラスに強いはずなのにそれを四体相手に一人で互角に渡り合っているキリート。
「くそ、埒が明かねぇ。おれも行くぞっ!」
ベンザも剣を抜き駆け出した。
すごい戦いを前に俺はすることが何もない。
かかしのように突っ立っている。
『主よ、吾輩たちはただ見ているだけか?』
「仕方ないだろ、俺たちが出ていっても足手まといになるだけだ」
『吾輩の主は情けないことを言うのだな』
「俺は事実を言ったまでだ」
それに五対一だ。さすがになんとかなるだろう。
そう思っていたのだが……。
どさっ。
極楽鳥が片方の羽を斬られ地面に落下した。
腕輪を使って回復させようにもマジョルカは近付けないでいる。
一体減ってパワーバランスが崩れたのか徐々にキリートがおしてきた。
なんて奴だ……。
レベル365は伊達じゃない。
「どうしました? 全員でかかってきてもいいんですよ」
薄ら笑いを浮かべるキリート。
息を切らしているもののまだ余裕がありそうだ。
どうする?
マジョルカのモンスターたちで歯が立たないならどうしようもないぞ。
とそこへ、
『主よ、吾輩にいい考えがあるのだが』
ハピネスキングが話しかけてきた。
「なんだよ、いい考えって?」
『それはだな、まず吾輩と主が手をつなぐのだ。そして吾輩がキリートの背後に瞬間移動するから主はキリートの腕を掴む、掴んだら瞬間移動で上空一万メートルの高さまでとぶ。そして主はキリートから手を放し再度瞬間移動で地上へと戻るのだ。上空一万メートルから落下すればキリートも無事ではすむまい』
腕組みをし、うんうんうなずくハピネスキング。
「それって俺必要か?」
『もちろんだとも。吾輩一人では地上に瞬間移動して戻る時キリートにしがみつかれる可能性があるだろう。そうならないように間にかませるものが必要なのだ』
「それが俺かよ」
と言ってる間にもベンザがキリートに吹っ飛ばされてきた。
「おい、大丈夫か? ベンザっ」
「……」
気を失っているようだ。
マジョルカのモンスターたちを見ると三対一ながら劣勢に追い込まれている。
やれやれ……上手くいくかわからないがやってみるか。
「わかったよ」
俺は右手を差し出した。
『うむ』
ハピネスキングが俺の手を取る。
しっかりと握手をしたまま
ハピネスキングが唱えた。
『瞬間移動!』
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